企業やイベント、商品や店舗など様々なモノを象徴するロゴマーク。
かつて、東京五輪のエンブレム騒動がテレビで話題になりましたね。
騒動の大きな原因は模倣疑惑ですが、実はコストで約4600万円かかっていました。
テレビを見ているほとんどの人がデザインに関して素人なので、「なんでこんなに制作費が高いんだ」という意見も多かったです。
しかし、制作費が高くなる理由はちゃんとあります。
ですので今回は、
- 有名企業の安いロゴと高いロゴを紹介
- 価格が大幅に違う理由
を説明することで、制作費の幅がなぜ広いのかを解説していきます。
目次
安いロゴ
まず、5,000円以下で制作されたロゴを紹介します。
今回紹介するのは、以下3つの企業のロゴです。
- NIKE
では、それぞれどのように制作されたのか紹介していきます。
①NIKE:35$
誰もが知っている世界最大級のスポーツウェアメーカーですが、なんとたったの35$は驚きですよね!
NIKEの創設者で当時大学生だったフィル・ナイトは、デザイン科を専攻していた女子大生のキャロライン・デビッドソンにロゴデザインを依頼しました。
彼女はたくさんのデザインを提案しましたが、フィル・ナイトがどれも気に入らず仕方なくこのロゴを採用したそうです。
仕方なく採用されたロゴが今では世界中で知られているロゴになるなんて、まさにロゴのシンデレラストーリーですね。
②Twitter:15$
TwitterのロゴはNIKEのロゴよりさらに安く、15$でデザインされました。
Twitterの意味が小鳥のさえずりと言うことで、青い鳥がロゴに使われています。
また自然なパターンでありつつ非常に美しい様相をした構成と言われる黄金比も用いられています。
【黄金比】
1:1.618の比率のことで、人間にとって最も安定し、美しく感じられる比率のこと。
多数の有名なロゴにも、デザインの調和を保つために黄金比が取り入れられています。
③Google:無料
オリジナルのロゴは創設者のセルゲイ・ブリンが無料のデザインソフトGIMPで作ったものです。
創業者が自分で作ったので、制作費はかかっていません。
ただ、もともとこのデザインだったわけではなく、現在のロゴになるまでにたくさんの変遷を経ています。
高いロゴ
次に、約1億円以上かけて作られたロゴを紹介します。
- ペプシ
- アクセンチュア
- BBC
①ペプシ:約100$
ペプシのロゴは会社の歴史と共にデザインを変え、これまでになんと12回も変更しています。
今のロゴ制作には約1億円かかっており、制作期間は5ヶ月。
そしてデザイン資料は27ページにも及びました。
ちなみに、制作期間中の1ヶ月間は日本を含めたアジアにロゴのデザイン構想を練るため、修行の旅に出たそうです。
また、ロゴデザインに黄金比・ピタゴラスの定理を用いられています。
②アクセンチュア:約1億$
アイルランドに本拠をおく世界最大の経営コンサルティングファーム。
とてもシンプルなロゴですが、制作費約1億$と高額です。
「>」マークは、お客様に対する前向きな姿勢と、ブランドの真髄である「High Performance Delivered – ハイパフォーマンスの実現へ」 を象徴しています。
③BBC:約180万$
最も制作費用をかけたのがBBCニュース(イギリス放送協会)。
デザイン・広告代理店にロゴの制作を依頼し、BBCという企業ブランドを再構築させるため、トータル・デザインを任せたそう。
ロゴだけではなく、ブランド自体のトータルデザイン費で約2億円かかっています。
安いロゴと高いロゴは何が違うのか
主な理由は大きく分けて4つあります。
- デザイナーの実績・スキルによる違い
- コミュニケーションコストによる違い
- 納品までにかける日数による違い
- 予算・依頼先による違い
①デザイナーの実績・スキルによる違い
ロゴの価格決定における要因として、まず一つ目に挙げられるのがデザイナーの実績・スキルの違いです。
やはり、デザイナーは腕一本で生活しているプロなので、スキル・実績の高い人ほど価格が高くなります。
②コミュニケーションコストによる違い
次に、コミュニケーションコストによる違いです。
例えば、デザイン構成を練るために直接会って打ち合わせするかどうかも、価格が変わる要因の一つです。
打ち合わせのための交通費やその時間の給料がかかります。
また、制作に関わる人数が増えるほど人件費がかかるので、その分制作費も高くなるのです。
③納品までにかける日数による違い
3つ目の要因が、納品までにかかる時間です。
納期はデザイナー側の状況(時間に余裕があるのかないのか)や、依頼内容のボリュームによって決まります。
しかし、依頼者は提示された納期より早めに納品してほしいこともあるでしょう。
その場合、デザイナーが他の仕事より優先して制作をしなければならず、時には営業時間外に制作をすることもあるので、その分の人件費として料金が高くなるのです。
また逆に、制作期間が長くなればなるほど、制作費も高くなるという場合もあります。
例えば、修正回数の制限があるデザイナーに依頼した場合、制限数を超えてしまえば、その分費用がかかりますし、修正を続けることで完成まで時間がかかってしまいます。
もちろん修正するなということではなく、なるべく少ない回数で完成できるように、デザイナー任せにするのではなく、依頼者側も積極的に制作に参加するとスムーズに進むでしょう。
具体的には、デザインイメージを明確に伝えるために言語化をしっかりすることで、お互いのズレが生じにくくなります。
④予算・依頼先による違い
最後の要因は、依頼者の予算や依頼先によって価格が変わってくるということです。
デザインの依頼先は様々な種類がありますが、今回は3種類で分けましたので、どんな依頼先があるのか参考にしてみてください。
(1)約1〜5万円:WEBコンペ式
コンペ方式とはクライアントが自ら要望と金額設定をし、複数のデザイナーがロゴを提案する方法です。
クライアントは、提案の中から気に入った物を選び、報酬金額を支払うことで、その提案(ロゴデザイン)を受け取ることができます。
(2)約1〜5万円:WEB上でロゴを購入
数千点、数万点といった豊富なデザインの中から好きなロゴを選ぶことができる方法です。
即日納品も可能で、急ぎの場合に非常に便利です。
主なサイト:ロゴマーケット
(3)10万円以上〜:デザイン事務所にオーダー
こちらの制作コストは上記にも記載した通り、
- デザイナーの実績/スキル
- コミュニケーションコストやスタッフ関連人数
- 制作日数
この3つによって変わりますが、だいたい10万円以上の会社・事務所が多いです。
それ以外の方法については、以下の記事でまとめましたので参考にしてみてください。
https://designk.jp/logo-request-merit-demerit
安いロゴと高いロゴの違いを比較 まとめ
ロゴの価格に差がある理由は、依頼先や制作の進め方・作り方が違うからです。
- デザイナーの実績・スキルによる違い
- コミュニケーションコストによる違い
- 納品までにかける日数による違い
- 予算・依頼先による違い
予算と照らし合わせて、自分に合った依頼先を決めてみてくださいね!