国や自治体は、積極的にクリエイティブ産業のバックアップを行っています。
そのかいあってか、日本のクリエイティブ産業は国内外から高く評価され、注目を集めるようになりました。
デザインのコト。では、「対面での打ち合わせを行いながら仕事を進めたい」とお考えの方のために、クリエイター支援に積極的に取り組んでいる自治体をシリーズでご紹介しています。
今回は、新潟県の取り組みに注目してみましょう。
※情報は2019年12月2日時点のものです。
目次
【長岡市】FMながおか「建ち上がれ タウンクリエーター(まちクリ!)」
長岡地域振興局では、建設業への入職支援のために、FMながおかと協業を行っています。
「建ち上がれ タウンクリエーター (まちクリ!)」を放送し、建設業のやりがいなどをアピールし、情報配信をしているのです。
2016年7月にスタートした番組で、YouTubeなどで動画も公開。
安心・安全・快適で住みやすいまちづくりを実現する「タウン クリエーター~Town Creator~」紹介では、クリエイターの仕事の取組みの様子などを紹介しています。
Webでは、ポッドキャストによる番組視聴だけではなく、画像を閲覧することもできるので、クリエイターをより身近に感じることができるでしょう。
クリエイターの情報配信を行っている自治体は数多くありますが、Webとラジオを連動したり、建築業に携わるクリエイターを取りあげている例は少ないといえます。
ひとことで「クリエイター」といっても、業種はさまざま。
こうした取り組みを行政が主体となって行うことで、クリエイターへの活動の理解を高めるとともに、クリエイターを目指す人を増やす効果も期待できます。
【その他】公益財団法人にいがた産業創造機構(NICO)の多彩な取り組み
公益財団法人にいがた産業創造機構(NICO)は「新潟県の産業を活性化する」ために立ちあげられました。
「むすぶ」「育てる」「創る」の3つを軸として、創業や経営刷新の促進と次世代をリードする産業群の創出のために多彩な活動を行っています。
新潟のクリエイティブ産業支援を語るうえで、重要な役割を果たしているNICOの活動の一部をご紹介します。
百年物語
大量生産・大量消費ではなく、百年後にも大切にしていきたい生活文化楽しみ伝えるための道具を開発・提案するプロジェクトです。
NICOが中心となって、新潟の工業や工芸作家が協働し、アウドア・ファッション・インテリアなどバリエーションに富んだ製品を開発。
製品には制作年ごとにテーマが設定され、毎年多彩な製品が発表されています。
参加企業は45社をこえており、新潟のモノ作りを支える企業が数多く参画しています。
新潟駅CoCoLo西N+ぽんしゅ館 クラフトマンシップや、SUWADA 百年物語コーナーなどの実店舗で販売されており、実際に製品に触れることができます。
製品紹介ページでは、製造元の企業名のほかにデザイナーが紹介されているので、モノ作りを依頼するデザイナーをお探しの方は、ぜひそちらにも注目してみてください。
Design LAB
「Design LAB」は、様々なプロセスに対してデザインを軸とすることで、多様な価値を導き出すための取り組みを行っています。
「商品デザイン・ラボ」「プロモーションデザイン・ラボ」「企業戦略デザイン・ラボ」「新潟ポテンシャル・ラボ」の4つを運営しています。
商品デザイン・ラボ
デザイン相談とデザインワークショップ、クリエイティブマッチングを行っています。
新商品の開発を目指すクリエイティブマッチングでは、新潟県内の企業と県内のクリエイターを応援しています。
クリエイターだけではなく、クリエイターをお探しの企業の方も活用したい取り組みです。
新潟ポテンシャル・ラボ
新潟県内に住んでいるクリエイターによる、ワーキンググループです。
ワークによって抽出されたキーワードを、地元初の商品やブランドの背景を借るツールとして活用するために、新潟の価値の言語化に挑戦をしています。
デザインだけではなく、多彩なクリエイティブの力を活用する取り組みを積極的に行っているのは、クリエイターにとっても発注企業にとっても嬉しいポイントといえます。
新潟クリエイティブバンク
新潟のクリエイティブ産業と企業の橋渡しをすることを目的として制作されたサイトです。
対象となるクリエイティブ産業は、サービス業における、「コンピュータソフト・サービス、出版、広告、TV・ラジオ、音楽・ビデオ、建築、映画、デザイン、舞台芸術、アート」となっています。
クリエイティブの力を活用したいクライアント企業に対して、情報提供やマッチングを行っています。
クリエイター検索
クリエイター検索には、企業だけではなくクリエイティブな活動をしている個人も掲載されています。
「作品」「得意分野」「職種」の3つで、検索をすることができます。
個別ページには、簡単なプロフィールや過去に手掛けた作品が掲載されており、連絡先も明記されているので企業やクリエイターに直接連絡を取ることも可能です。
最低受注金額の目安が書かれている企業・クリエイターもおり、依頼先をお探しの企業の方にもおすすめです。
【その他】糸魚川市(匠の里創生事業) × Creema
糸魚川市では、「ものづくり」と「芸術」によって、活力あるまちづくりを実現するために、ハンドメイド商品などを販売するサイト「Creema」を運営する株式会社クリーマと協働しています。
手づくり作家・クリエイターの支援において連携を行うことで、応援体制の整備や情報発信、そして地域と作り手の交流促進などに取り組んでいます。
株式会社クリーマでは、2017年からCreemaで活躍しているクリエイター向けに、移住主演を行ってきました。
郊外に住むことにより「広い自宅やアトリエを設けられる」「自然に触れてインスピレーションを得ながら、制作に取り組むことができる」といったメリットがあります。
1泊2日移住体験
1泊2日移住体験では、糸魚川の豊かな自然に触れるとともに、地元の味覚を堪能し、「地域の人たちの思い」にも触れる貴重な体験も。
地元で活躍するクリエイターとの交流も用意されており、糸魚川を軸に活動する際のエピソードなども聞くことができます。
こうした移住体験を行っている地域はたくさんありますが、クリエイター支援を手掛けている企業と協働で運営されている例はまだ少ないのが現状です。
クリエイターを大切にしながら、受け入れ態勢を整えているのは嬉しいポイントといえます。
新潟県のクリエイター支援の取り組みとは?クリエイターマッチングや企業コラボ企画も まとめ
新潟県では、県や自治体が主体となったサポートだけではなく、公益財団法人による取り組みや官民連携なども多くみられます。
さまざまな形で行われるサポートが充実することで、新潟に軸を置いて活動するクリエイターは今後も増えていくことでしょう。
新潟県で活躍しているクリエイターをお探しの方は、ぜひご紹介した取り組みに注目してみてくださいね。
新しいクリエイターとの出会いがあるかもしれません。