アパレル業界に欠かせない存在といえば、服飾のデザインを担う「ファッションデザイナー」。
服のデザインを通して流行を生み出す存在でもあり、著名なデザイナーになれば世界的なファッションショーにて作品を披露する機会にも恵まれるなど、夢のある職業といえます。
今回はそんなファッションデザイナーの仕事内容や、仕事に就くまでのキャリアルート、仕事をするにあたって必要になりやすい資格などについてご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
ファッションデザイナーとは
まず最初に、ファッションデザイナーの仕事についてご説明します。
ファッションデザイナーとは文字どおり、服飾やファッションのデザインをする人のこと。といっても、万人の服をデザインするわけではありません。
アパレルショップを見るとわかるように、それぞれのお店は子ども向け、若い女性向け、メンズ向けなど、服を着る人ごとに分かれているのが特徴。
ファッションデザイナーもこういった「勤務先の客層に合ったデザイン」を求められることから、特定の年代・性別向けのデザインスキルが磨かれていくことが多いです。
ひとくちにファッションデザイナーといっても、専門とする年代のデザインや、得意とする素材なども異なってくるため、目指す場合は具体的なビジョンを描いておくことも大切といえます。
ファッションデザイナーの仕事内容
またファッションデザイナーの仕事は、「服飾のデザイン」だけではありません。
「こんな服を売ろう!」という企画だしを始めとして、服飾のデザインや、デザインを立体化した型紙の作成、商品に使う生地選び、デザインを商品化するための生産ラインやスタッフの確保、実際のプロモーションのアイデアだしなど、「服の誕生から販売まで」をトータルでデザインしていくのが仕事です。
よってファッションデザイナーにはデザインセンスに加え、マーケティングのノウハウや、流行を読むセンス、生産スケジュールをうまく管理するマネジメント能力、現場のスタッフをまとめるコミュニケーション能力なども求められます。
ファッションデザイナーになるには
ファッションデザイナーになるためのルートは、主に4つです。
専門学校からアパレル系企業に入社する
ファッションデザイン系の専門学校に入ってスキルを磨いたのち、アパレル系企業に入社してデザイナーを目指すルートです。
専門学校はアパレル系企業やブランドとのパイプも持っているので、在学中に良い成績を残したり、ファッション系のコンテストに入賞したりすることで、企業に推薦してもらえる可能性もアップします。
学生時代からファッションデザイナーを目指す場合は、選択肢のひとつに入れる人も多いルートといえるでしょう。
アパレルメーカーに勤務し、部署異動でデザイナーになる
アパレルメーカーの販売員などで入社したのち、現場で経験を積んでからデザイナー職に異動するルートです。
お客様のスタッフの声など、現場のニーズを把握したうえでデザイナーを目指せるところがメリットといえます。
ただ、デザイナーとしては新米からのスタートになるため、ファッションに対する熱意や努力がないと難しいルートといえるでしょう。
デザイナーに弟子入りする
既にプロとして活躍しているデザイナーの元に弟子入りし、スキルを磨くルートです。
デザイナーの中には弟子を取っていない方も多いので、希望の師を見つけられるかどうかは縁と運次第になります。
弟子を取ったり、アシスタントを募集したりしているデザイナーを見つける方法としては、ファッション系のコンテストで入賞してコネクションを作ったり、デザイン会社のアルバイトを探したりといった方法が挙げられます。
ブランドを立ち上げる
ファッションデザイナーを目指す人の中には、学生時代から自分のブランドを立ち上げ、アパレル企業へのアピールに活用する人もいます。
ブランドを立ち上げる、というと難しいイメージを持たれるかもしれませんが、昨今はインターネットが発達している時代。
立ち上げたブランドの情報発信も容易ですし、ECサイトを使えば実店舗を持たずに服を販売することもできますよ。
ブランドを立ち上げたい!立ち上げから販売までの流れを知っておこう
ブランドを立ち上げる流れは以下のとおりです。
- ブランド名を決めよう
- ロゴを作成しよう
- 服とタグをデザインしよう
- いよいよ服づくり!発注先を決め、素材の調達をしよう
- サンプルを作り、仕上がりがOKなら量産しよう
- 服を販売しよう
まず決めたいのが、立ち上げるブランドの名前。
ブランド名を決める上でのルールはありませんが、できれば万人が目にしてぱっと読める名前や、覚えやすいネーミングなどが好ましいでしょう。
ブランドの名前はなかなか変えにくいものなので、しっかり考えることをおすすめします。
次に作りたいのがブランドロゴ。
作成方法としては、「自分でデザインする」「ロゴデザイナーに依頼する」「ロゴ作成アプリなどを使って自作する」などの方法があります。
予算や時間と相談しながら作成しましょう。
ブランドの体裁が整ったら、いよいよ洋服とタグの製作に入ります。
この際、「全身をトータルコーディネートできるように作るのか」「トップスだけ作るのか」などを、予算を踏まえながら決めていきます。
ブランドの顔ともいえる商品を作る段階なので、しっかり時間をかけて取り組みたいポイントです。
服のデザインとタグができあがったら、生産に入ります。
できれば発注先の工場をあらかじめ決めておき、作成したデザインの服が生産可能かどうかをチェックしてもらうと安心です。
必要に応じて生地やボタンなども用意し、生産に備えましょう。
生産準備が整ったら、まずはサンプルとして1着を作成。
仕上がりに問題がないようなら量産してもらい、インターネットやブースなどで販売します。
ブランドを持つことで自身のポートフォリオ代わりに使えるほか、デザイナーとしての売り込みもしやすくなります。
予算や時間がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ファッションデザイナーを目指すなら狙っておきたい資格とは
ファッションデザイナーを目指すにあたって必ず必要となる資格はありません。
ただ、取得しておくことで就活に役立ったり、業務の助けになったりする資格はあります。
以下に一例をまとめましたので、参考にしてみてください。
- ファッション色彩能力検定
- パターンメイキング技術検定
- カラーコーディネーター認定試験
- ファッションビジネス能力検定
- 洋裁技術認定試験
まとめ:ファッションデザイナーになるには?必要資格やキャリアプランをご紹介
ファッションデザイナーの仕事内容や、具体的なキャリアプランなどについてご紹介しました。
ファッションデザイナーはデザインスキルはもちろんのこと、コミュニケーション能力やプレゼンスキル、現場のマネジメントスキルといった様々なスキルが求められる仕事です。
必要となるスキルを事前に把握して、希望のキャリアに備えてみてはいかがでしょうか。