国や地方が主体となって、クリエイティブ産業を盛り上げるために、クリエイター支援を積極的に行っているのをご存知ですか。
支援制度を知ることで、ビジネスに役立てることができるかもしれません。
デザインのコト。では、「対面でコミュニケーションを取りながら仕事をすすめたい」とお考えの方のために、国や地方が行っているクリエイター支援をシリーズでご紹介しています。
「クリエイターに仕事を依頼したい」とお考えの方は、是非参考になさってください。
今回は東北地方の取り組みをご紹介します。
※情報は2019年10月28日時点のものです。
目次
東北復興支援におけるクリエイティブ活動
2011年3月11日の東日本大震災、東北復興を支援する動きは、各地で広がりをみせ、クリエイティブの力を利用した多彩なプロジェクトが行われてきました。
クリエイターを直接支援するものだけではなく、クリエイティブの力を使い復興を後押しするプロジェクトもあり、東北地方のクリエイティブの力を再認識することができます。
その一部をご紹介します。
新しい東北
「新しい東北」は、復興庁が主体となって推進している官民連携プロジェクトです。
復興ビジネスコンテストや復興・復興・創生顕彰、交流会を開催しています。
クリエイティブの力を使ったプロジェクトが受賞をしていることもあり、東北復興に尽力しているクリエイターがみつかるでしょう。
現在でも多くの取り組みがあり、イベントやセミナーも積極的に開催されています。
【民間】赤べこプロジェクト
赤べこプロジェクトは、日本を代表する様々なクリエイターたちが主催しているプロジェクトです。
プロジェクトは日本各地で開催されています。
単に東北のことを思い出してもらうだけではなく、子供たちが日本を代表しているクリエイターたちの作品に触れることで、創造性豊かに成長することも目的のひとつです。
ワークショップを行い、特製の赤べこを作ることができるほか、合図の熟練職人が制作した赤べこのチャリティー販売を行っています。
IDEA FOR LIFE
既に活動は終了しているようですが、アイディアの置き場として利用されていました。
ポスターやシール、卒業証書などが自由に団ロードできるようになっており、デザインやクリエイティブの力を通した復興支援として注目されていました。
こうした取り組みは大小さまざまなものがみられ、全国から沢山のクリエイターが参画していました。
現在でも継続した取り組みが行われているケースもあり、クリエイティブの力の大きさを改めて知ることができます。
東北経済産業局
経済産業省東北経済産業局では、産業競争力強化法(平成26年1月施行)の施行を受けて、地域の創業を促進する施策として官民が連携・協働して創業支援を行う取組を支援しています。
地域における創業者の支援だけではなく、開業率の向上を目指しており、創業をお考えの方に嬉しい支援制度がみつけることができます。
創業支援事業では、創業希望者や創業後5年未満の方を対象に、支援を行っています。
ワンストップ相談窓口や、マッチング支援はもちろんですが、「特定創業支援等事業」では、さらにビジネススキル研修や、専門家によるハンズオン支援など、多彩な支援をしています。
東北管内の創業支援計画認定状況に目を向けると、秋田県18市町村、青森県32市町村、山形県29市町村、福島県39市町村、岩手県26市町村、宮城県35市町村です。
宮城県は認定率が唯一100%で、県をあげて積極的に創業支援を行っていることが分かります。
こうした環境の整備が進むことで、今後より多くのクリエイターが東北地方を軸に活動するようになるかもしれません。
インバウンド型クールジャパン推進事業
東北経済産業局では、2020年までに、訪日外国人環境客4,000万人を目指すことを目標としています。
そのために、インバウンド型クールジャパン推進事業を行い、平成29年には補正予算案額として58.5億円と試算されました。
中でも注目したいのが、クリエイターの力を活用する「グローバルコンテンツエコシステム創出事業」です。
この事業では、クリエイターを中心としたグローバルな集客につながるエコシステムの創出を目指しています。
魅力的なコンテンツ制作の担い手であるクリエイターの力を活用し、以下の2つの取り組みを行います。
①クラウドファンディング等を活用し、コンテンツ企画制作や海外プロモーションを行う
②海賊版に対抗するための、世界同時展開の取組に対し、支援を実施する
経済産業省地域関連施策のご紹介(経済産業省 東北経済産業局)
特定創業支援等事業
自治体もしくは創業支援等事業者が創業希望者等に行う支援です。
継続的な支援かつ、創業に必要な経営・財務・人材育成・販路開拓の全ての知識を身に着けることができる事業を指します。
代表例として、4回以上の授業を行っている創業塾や、継続して行う個別相談支援、そしてインキュベーション施設入居者に対する継続支援など、1ヶ月程度継続行っている支援があげられます。
産業競争力強化法「市区町村による創業支援スキーム」(経済産業省 東北経済産業局)
平成31年度TOHOKUデザイン創造・活用支援事業
東北経済産業局が主催している「平成31年度TOHOKUデザイン創造・活用支援事業」。
デザインの創造や活用をすることによって、東北地域の商材の販売促進やブランド化をすると共に、知的財産としてのデザインの意識啓発や制度普及を図ることを目的としています。
おいしい東北パッケージデザイン展
「おいしい東北パッケージデザイン展」では、企業からエントリーを受けた東北地域の商材に対するものであれば、全国から応募が可能です。
例年1商品あたり、30から90点の応募が集まります。
受賞作品は展示された後、実用化に向けて支援を受けることができます。
おいしいを一緒につくるデザインコンペ
「おいしいを一緒につくるデザインコンペ」は、1商材あたり3名のデザイナーが競うコンペです。
商品開発段階に企業訪問を行って商品の特徴やニーズを引き出し、企業とデザイナーが協働をすることで、より魅力が伝わる商品を開発していきます。
展示会
おいしい東北パッケージデザイン展とおいしいを一緒につくるデザインコンペでは、受賞作品や入選作の展示と、対象企業による商品に込めた思いなどを紹介する展示会を開催しています。
展示会では、表彰式・フォーラム・交流を行っており、クリエイターと交流を深めることもできます。
東北を軸に活動していたり、東北への思いを抱くクリエイターとの出会いがあるかもしれません。
平成31年度TOHOKUデザイン創造・活用支援事業(経済産業省 東北経済産業局)
おいしい東北パッケージデザイン展2019 おいしいを一緒につくるデザインコンペ2019(経済産業省 東北経済産業局)
東北地方の多彩なクリエイター支援の取り組みをご紹介! まとめ
ご紹介したように、東北地方ではクリエイティブ産業を支援しているだけではなく、クリエイティブの力を活用して復興を目指しています。
多彩な活躍のフィールドが広がっており、クリエイターにとっても活動しやすい地域といえるかもしれませんね。
今後も多彩な取り組みが予定されており、クリエイターにとってより良い環境が整っていくことでしょう。
東北地方でクリエイターをお探しの方は、これらの取り組みにも注目してみてください。
新しいクリエイターとの出会いがあるかもしれません!