国や自治体が主体となり、さまざまな地方でクリエイター支援を行っているのをご存知ですか。
「対面でビジネスを進めたい」とお考えの方のために、クリエイター支援を積極的に行っている自治体をシリーズでご紹介します。
自治体によっては、クリエイターと発注者のマッチングを行うだけではなく、多彩な取り組みを行っています。
今回は熊本地震から復興がすすむ、熊本県内での主なクリエイター支援をご紹介します。
※情報は2019年9月27日時点のものです。
目次
天草市の取り組み
天草市では、ビジネスマッチングだけではなく、地域おこし協力隊にクリエイターを募集するなど、クリエイター支援に力を入れています。
天草市起業創業・中小企業支援センター「アマビズ」
アマビズは、天草市の活性化を目的として設置されました。
ビジネスマッチングやサポートに力を入れており、相談は無料で、個人自営業主でも利用が可能です。
天草市外の事業者でも、場合によっては利用が可能なので、アマビズに問い合わせてみてください。
職員には、デザインアドバイザーや商品開発アドバイザーなどもおり、多彩なニーズに対応してくれます。
地域おこし協力隊
天草市では「YouTubeで発信(天草市公式チャンネル)」で地域や企業の情報を発信したり、動画クリエイターの育成をしたりできるクリエイターを2019年7月に募集していました。
非常勤(特別職)で任期は3年間、報酬は月額208,000円です。
移住/定住支援
空き家等情報バンク制度を利用すれば、空き家の改修や家財道具の搬出や処分に対して「移住・定住促進支援補助金ー空き家活用事業補助金」を受けることができる可能性があります。
また、一定の条件を満たして天草市内の空き物件に入居した場合には、単身世帯10万円、2人以上の世帯の場合20万円の補助金を受けることができます。
合志市「クリエイター塾」
「地元の魅力を届けられる市民作家の育成」を目指して、合志市生涯学習課のバックアップで運営されています。
講師には熊本で活躍する個人・企業を問わず多彩なプロが名を連ねており、単に作品を作るだけではなく、発信することを重視しています。
そのため、プロの制作現場体験やSNS勉強会など、多彩な授業を行っています。
クリエイター塾は2015年からスタートし、本業だけではなく副業でクリエイティブ活動に携わる卒業生も多く見られます。
熊本市「クリエイティブくまもとマッチング会」
熊本市が主催しているクリエイティブくまもとマッチング会は、クリエイターと企業のビジネスマッチングを目的として開催されています。
インターネット上に数多くあるマッチングサービスには課題も多くあります。
そのため、対面でのマッチングを行う場として誕生したという経緯があります。
出展クリエイターのブースを確認して商談を行うだけではなく、基調講演や出展クリエイターによるプレゼンテーションなどもあり、
熊本市在住や、熊本市を舞台として活躍している、さまざまなクリエイターと出会うことができるでしょう。
次回の開催は、2020年2月の予定です。
※情報は2019年9月27日時点のものです。最新の情報は公式サイトにてご確認ください。
くまもとファッション協会
1997年度に策定された「くまもとファッションタウン構想」。
それをきっかけに設立された策定が基となり設立された協会です。
熊本におけるファッション(衣料だけではなく職・住など生活全般)の振興・発展を図るために必要とされる諸事業行っています。
これにより、地域住民の生活文化のクオリティの向上だけではなく、地域経済活性化に寄与することを目指しています。
ビジネスマッチング「fun fan Kumamoto」
くまもとファッション協会が運営する「fun fan Kumamoto」は、熊本県内にあるものづくり事業者と、クリエイターをマッチングしてくれるサービスです。
クリエイターが持つ優れた課題解決力と提案力を、ものづくりに活かし商品開発を行うことで、より付加価値の高い商品を開発することができます。
「fun fan Kumamoto」では、1対1のビジネスマッチングを経て、デザインやブランディングなどを、クリエイターと一緒に考え協働します。
協働のメニューには、ネーミング・ロゴだけではなく、キャッチコピーにパンフレット、WEBそして広告など、多彩な業務が並んでいます。
応募資格・費用・注意点
応募資格は、熊本県内に所在する企業かつ、「デザインやブランディングを導入した商品開発に意欲があること」です。
応募費用は無料ですが、マッチング後の契約トラブルや損害に関して、くまもとファッション協会「fun fan Kumamoto」では責任を負いませんので注意が必要です。
契約はクリエイターと直接行うので、トラブルがないように契約前に業務範囲や納期、そして報酬などをしっかりと決めておきましょう。
申し込みをする際には、応募書類の作成だけではなく商品企画書や、事業を紹介する会社案内が必要になります。
書類を持参するだけではなく、郵送・メール・FAXでも受付を行ってます。
くまもとファッション協会「fun fan Kumamoto」
KUMAMOTO CREATORS DATABASE
熊本の優秀なクリエイターの存在を、県内外に情報発信するために制作されたサイトです。
登録しているクリエイターを、専門分野ジャンルや活動実績、そして写真の有無などで検索することができます。
プロフィールには、氏名や活動実績、所属団体が紹介されています。
WEBサイトやメールアドレスなどを公開しているクリエイターもおり、直接コンタクトを取ることができます。
BRIDGE KUMAMOTO
こちらは国や自治体による支援ではありませんが、熊本支援を行っており、熊本のクリエイターを起用しているのでご紹介します。
熊本地震をきっかけに「クリエイティブの力で復興支援」を目指して設立された一般社団法人BRIDGE KUMAMOTO。
運営する「BRIDGE KUMAMOTO」は、「寄付するクリエイティブエージェンシー」であり、ここで行われた業務の売上については、可能な限り復興支援団体に寄付されます。
寄付できないほどの低予算の場合でも、復興のためであればできる限り対応するというのが「BRIDGE KUMAMOTO」のスタンスです。参加メンバーはそれぞれ本業を持っており、空き時間で活動をしています。
ただし、熊本県内の市場を荒らさないために、熊本県内での案件は全て新規立ち上げに限っているので注意が必要です。
県外から仕事を請け負って、熊本のクリエイターを起用し、熊本に還元することを目的としています。
更に、熊本県内のクリエイターと密に連携を取り、外部の仕事に携わることで、クリエイティブのスキルアップを目指すのもミッションのひとつです。
デザイン・広告・映像だけではなく、WEBサイトの制作や商品開発などを、熊本のクリエイターに依頼できます。
SUSTAINABLE PRODUCTS CONTEST
若いクリエイティブの力を発掘するために、BRIDGE KUMAMOTOによって2019年9月まで募集されたコンテストです。
グランプリの賞金は50万円で、「社会より良くするためのプロダクト」を募集しました。
2019年に行われた募集の応募資格は、「平成6年1月1日以降に生まれ、応募時点で熊本県在住の方」です。
審査基準のひとつに、「熊本らしさ」があるのが特徴のひとつです。
復興支援も!熊本のクリエイター支援の取り組みとは ~ 自治体によるクリエイター支援シリーズ〜 まとめ
2016年の熊本地震を契機として、「熊本をクリエイティブの力で盛りあげよう」という動きがありました。
それに呼応するように、熊本県内の各地で、クリエイターへの支援が行われています。
熊本にお住いの方や事業所がある方だけではなく、熊本に関わりを持ちたい方も是非、ご紹介したサービスや施設を活用してくださいね。
素敵なクリエイターさんとの出会いを応援しています!