デザインのコト。では、国や自治体が積極的にクリエイティブ産業を支援している様子をシリーズでお伝えしています。
クリエイティブに関する仕事を内製するために、地方公務員の地方公務員のデザイナー・クリエイター採用がみられるようになってきました。
そこで今回は番外編として、地方公務員のデザイナー・クリエイター採用をご紹介します。
※情報は2019年12月26日時点のものです。
目次
【神戸市】正規職員・非常勤嘱託職員採用
神戸市では、都市戦略として「デザイン都市・神戸」を推進しています。
「港町・兵庫県神戸市のクリエイター支援の状況は?クリエイターに出会うための仕組みも!」でご紹介したように、神戸市ではクリエイティブの力を高く評価し活用してきました。
そのため、クリエイティブ関連の施設やビジネスマッチングなどの整備がすすみ、クリエイターの集積が進んでいます。
そんな中で、自治体が率先してデザインに対する理解や技術を共有し、デザイン思考をいかした取り組みに挑戦するのは嬉しい傾向といえます。
神戸市クリエイティブディレクター
神戸市では「神戸市クリエイティブディレクター」を採用し、行政のデザイン力の向上や、デザインの力を使った課題の解決に取り組んでいます。
職務内容は、市の事業に対するデザイン思考を取り入れたアドバイスや職員の研修、市の広報物に関するデザイン面でのアドバイスや指導そして制作、「デザイン都市・神戸」を推進するための企画立案などです。
対象:クリエイティブディレクションやデザインに関わる分野で実務経験をお持ちの方
待遇:非常勤嘱託職員
勤務日数:週3日もしくは4日
神戸市職員採用「デザイン・クリエイティブ枠」
平成31年度神戸市職員採用試験に、従来の事務と技術以外の区分として「デザイン・クリエイティブ枠」が設けられました。
「総合事務」として、経済政策や広報、制作・企画、まちづくりや観光振興、芸術文化など、幅広い行政事務に携わります。
つまりデザイナーやクリエイターとして活動を行うのではなく、デザイナー・クリエイターとして学んだことをいかせる事務職としての採用なのです。
対象:高専・短大卒者は25歳以下、大卒者は27歳以下(大学院終了の場合には29歳以下)
※専修学校の専門課程を卒業し、高度専門士の称号を取得した場合には大卒者の扱い、専門士の称号を取得した場合には、高専・短大卒区分の扱いになります。(いずれも、見込みを含みます)
平成31年度神戸市職員採用試験について(主な変更点) デザイン・クリエイティブ枠
【千葉県市川市】事務A(クリエイティブ枠)
市川市では、令和元年度の職員採用試験で「事務A(クリエイティブ枠)」を新設しました。
従来の行政にない斬新な視点や発想力、そして企画力のある人を採用するためです。
デザインや映像制作が得意な方だけではなく、プレゼンテーションが得意な方や、強い個性がある方を求めています。
そのため、法律や経済学などの専門試験はなく、公務員試験対策は不要。
また、学歴や年齢による制限がなく、幅広い世代の方を対象にしています。
クリエイティブに関する経験をいかして、地方公務員に転職したい方にピッタリです。
年齢の制限がほぼないので、氷河期世代やミドル世代の方もチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
対象:昭和35年4月2日以降に生まれた方(令和2年4月1日現在で59歳まで)で、義務教育課程以上を修了もしくは令和2年3月までに修了見込みの人。
募集人数:数名
国籍が日本以外の人などの、要件に当てはまる方は受験できないので注意が必要です。
要件は「令和元年度職員採用試験受験案内 一般行政職(年齢・学歴制限撤廃枠)」をご確認ください。
地域おこし協力隊
全国各地で募集されている地域おこし協力隊。
地域おこし協力隊員は、業務委託や期間の定めがある雇用形態ではありますが、移住や定住を考えている地域で実際に活動をして、基礎を作ることができます。
自治体の中には、地域おこし協力隊にクリエイティブな能力を求めるケースも多くあります。
そこで、クリエイティブな能力をいかせる募集にはどんなものがあるのかご紹介します。
福島県西会津町
福島県西会津町では、2017年にアートやデザインの経験がある方を地域おこし協力隊員として募集していました。
勤務先の西会津国際芸術村は、国内外から訪問者が訪れる地域活性化拠点です。
クリエイティブな人材を集め、地域の活力となる事業に繋がるよう、マネジメントやコーディネートをするのが主な業務です。
諸条件はありますが、「副業可」という嬉しい募集。
フリーランスとして活動をしている方でも、個人の仕事を続けながら就業できるのは魅力的ですね。
対象:年齢が20~40歳くらいまでの方
政令指定都市化三大首都圏に住所がある方
勤務時間:9:00~18:00(休憩1時間)
雇用形態:非常勤特別職
DR!VE「【地域おこし協力隊】アート!デザイン!木造校舎でクリエイティブな地域づくり!」
秋田県大館市
大館市では2018年11月から、ライティングやデザインができる、個人事業主のクリエイターを募集していました。
大館市の魅力を発信するのが主な仕事で、募集当時に不足していたライターを特に歓迎していました。
大館市へ住民登録ができ、活動期間が終了後も大館市で起業・就業して、定住する意思がある方を対象としています。
そのため、活動費を委託料に組み込んでおり、初年度には敷金礼金(上限20万円)など、さまざまな補助を受けることができます。
対象:20歳以上で個人事業主として業をなしているもしくはこれから業をなしたい方
※学歴は不問、普通免許を持っている方
募集人員:2名
活動時間:定めなし
雇用形態:業務委託
ココロココ 「クリエイティブな仕事で大館市の魅力を発信! フリーランスの地域おこし協力隊を大募集」
福岡県広川町
広川町では、任期終了後に町内に「自分の拠点」を持ちたい人を募集しています。
拠点は、会社やお店やアトリエなど、業務形態は問いません。
任期終了後に広川町に軸を置き、活動をする意思があれば問題ありません。
【拠点A】ものづくりアトリエKibiru 募集1名
誰もが使えるオープンアトリエとして、週4日程度開館している「ものづくりアトリエKibiru」。
服作りのための施設と、飲食店並みの厨房設備を完備しています。
職業用ミシンやロックミシンなど、復職づくりに欠かせないアイテムが揃っています。
施設の運営を手伝いながら、地震でも設備を利用することができるという嬉しい業務です。
ファッションやハンドメイド作品を手掛けるデザイナーやクリエイターの方にピッタリです。
広川町 | 地域おこし協力隊採用ページ | 広川町採用プロジェクト
デザイナー・クリエイター採用&募集を行う地方公務員&地域おこし協力隊情報【2020年】 まとめ
少子高齢化が進む中で、優秀な人材の確保は官民問わず重要なポイントのひとつです。
また、まちづくりや地域活性化にクリエイティブの力を活用する自治体は増え続けています。
今後、デザイナー・クリエイター採用を行う自治体はより増えていくかもしれませんね。
こうした取り組みを追うことで、自治体の姿勢や考えを知ることができます。
クリエイターの方だけではなく、クリエイティブの力を活用したい方もぜひ、こうした取り組みに注目してみてください。