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依頼者必見。デザイナー作のロゴが「使えるロゴ」なのかを判断するポイント

依頼者必見。デザイナー作のロゴが「使えるロゴ」なのかを判断するポイント

企業やブランドなどのロゴマークを制作する際に頼りになる存在といえば「ロゴデザイナー」。

デザインのプロとして多くのノウハウを持っている彼らに依頼すれば、イメージに合ったロゴを作成しやすくなりますよね。

しかし、企業やブランドのイメージに沿ったロゴを作成するためには、依頼者の協力も必要になります。

特に制作段階で注意したいのが、「提案されたロゴは実際に使いやすいものなのか?」というポイント。

デザイナーが提案したロゴを雰囲気でOKするのではなく、要点を押さえてチェックすることが大切です。

一例をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

複数の色を使いすぎていないか

ロゴデザインに使う「色」は、基本的には1~2色が好ましいとされています。

理由としては、「見た目がシンプルで印象に残りやすくなるため」や、「ロゴとしての汎用性が上がるため」などが挙げられるでしょう。

たとえば単色のロゴはマークの輪郭がくっきりとして見えやすいので、ロゴを縮小してもデザインがつぶれにくくなります。

また、背景色に多くの色を選びやすいところもメリットのひとつ。

ロゴの色を反転するだけで、一時的にまた違ったイメージを演出することも可能です。

一方、複数の色を使ったロゴは輪郭がぼやけやすくなり、背景色も限定されてしまいがち。

ロゴは多くの人の目に「企業の顔」「ブランドのマーク」として認識されるものなので、印象の残りやすさや汎用性の高さは、ぜひ重視したいポイントといえるでしょう。

色を選ぶ際の注意点

「会社のコーポレートカラーを使いたい!」

「ネットで見たこの色をロゴに入れたい!」

このような願いから、依頼者としてデザイナーにロゴカラーを指定することもありますよね。

しかし色を指定する際は、「実際の印刷でどう見えるか?」を考えておくのがベター。

たとえば色の三原色にはRGBカラーやCMYKカラー(プロセスカラー)があり、印刷用には主にCMYKカラーが使われます。

デザイナーにカラーを指定する際はRGBカラーではなく、CMYKカラーチャートを参考に依頼をするようにしましょう。

モノクロにしてもデザインが伝わるか

ロゴは「モノクロでもデザインが崩れないもの」にするのがおすすめです。

理由は、ロゴを載せる媒体によってはカラーが使えない場合もあるため。

理想は「どんな人が見てもわかりやすいデザイン」、つまりユニバーサルデザインを目指して作成するのがベターといえます。

印刷物におけるユニバーサルデザインの特徴としては、以下が挙げられるでしょう。

  • 重要な箇所は赤などの色で強調するのではなく、形(太字)で表現されている
  • 白黒のデザインでも情報が伝わる
  • 略語、英語など、ぱっと認識しにくいモチーフが使われていない

企業やブランドのイメージを多くの人に伝えるためにも、上記のポイントをぜひチェックしてみてくださいね。

ロゴレギュレーションは用意されているか

ロゴレギュレーション(ロゴガイドライン)というものをご存じでしょうか。

ロゴレギュレーションとは、ロゴを何らかの媒体に使用する際に沿うべきルールのことです。具体的には、以下のような内容が挙げられます。

  • 設定できる最小サイズ
  • アイソレーションエリア(ロゴの余白)の指定
  • 表示色や背景色の指定
  • 使用禁止令

最小サイズ

ロゴはある程度の拡大・縮小に対応できるようにデザインされますが、あまりに縮小しすぎると細部がつぶれてしまい、再現性を欠いてしまう場合があります。

「企業やブランドのロゴのはずなのに、見た人から認識してもらえない」

このようなトラブルを避けるため、レギュレーションとして、ロゴの再現性を維持できる最小サイズを設定しておくと安心です。

アイソレーションエリア

アイソレーションエリアとは、ロゴ周囲に設ける余白のことです。

このアイソレーションエリアを設けることで、ロゴが周囲のデザインから独立して見えるようになり、視認性もアップしやすくなります。

表示色や背景色

どんなに優れたロゴであっても、表示色と背景色が同じであったり、背景色が濃すぎたりしてしまうと、視認性が大幅に下がってしまいがちです。

このようなトラブルを防ぐために、ロゴの表示色と背景色の組み合わせを書き出して、使用してはいけない濃度や色合いを共有しておきます。

使用禁止令

これはロゴを使うにあたって、やってはいけないことをまとめたルールブックのようなものです。

ルールの例としては、「ロゴデザインの改変をしてはいけない」「ロゴ内に画像を挿入してはいけない」「ロゴの色を変えてはいけない」「企業などのイメージと関係のない装飾をロゴの周囲においてはいけない」などの条件が挙げられます。

ロゴの再現性が損なわれるリスクを減らすためにも、デザイナーと相談したうえでレギュレーションの設定を行いましょう。

どんな媒体に印刷されても使えそうなデザインか

ロゴマークが使われる媒体は、紙や看板といった平面とは限りません。

ときにはタオルのような、毛羽だったものに印刷されることもありますし、場合によっては瓶や水筒といった立体物の上に載ることもあります。

ロゴをデザインする際は、このような「紙以外の媒体に印刷した時に、どう見えるデザインか」を検討しながら作成することがポイントです。

どんなにおしゃれなロゴであっても、複雑な図形であれば幅広い媒体での再現性に欠ける可能性がある他、縮小した際の視認性も悪くなってしまうケースがあります。

ロゴはデザインも重要ですが、それは視認性・再現性といった「使いやすさ」を兼ね備えてこそ。

あらゆる媒体に載せることを想定しながら、ロゴ作りを行いましょう。

著作権や商標権に触れていないか

ロゴマークを新しく制作するうえで特に気をつけておきたいのが、「法律的に問題がないデザインか」という点です。

どんなに魅力的なロゴデザインであっても、既存のロゴマークの模写であったり、既存のイラストやモチーフを転用したものであれば、企業やブランドのロゴマークとして使うことはできません。

また、既に類似したロゴが商標登録されていた場合は、同じく自社のロゴとして使うことが不可能になります。

「制作したロゴが他の企業やブランドのロゴと類似していないかどうか」については、特許庁が開放しているプラットフォーム「J-PlatPat」や、特許庁のヘルプデスクへの問い合わせ、ネットの検索エンジンの画像検索によって自分でも確認することが可能です。

ただ、類似しているロゴの選出や商標登録には大きな労力がかかるため、最終的には商標チェックサービスなどを活用することをおすすめします。

「せっかくロゴを作ったのに、結局使えなかった…」ということにならないよう、著作権や商標権についてもしっかり対応するようにしましょう。

依頼者必見。デザイナー作のロゴが「使えるロゴ」なのかを判断するポイント まとめ

デザイナー作のロゴが「使えるロゴ」なのかを判断するポイントについてご紹介しました。

良いロゴは単にデザインが良いだけでなく、視認性、再現性、公共性、権利的な安全性も備えているもの。

企業やブランドの歴史とともに長く使っていくものなので、しっかりと要点を押さえながら制作に取り組んでみてくださいね。