この記事では、テレビ局のロゴをデザイナー視点でまとめて紹介します。
ニュースやドラマ、バラエティ番組など、テレビを通してお茶の間に多くの情報を届けてくれるテレビ局。
みなさんも、毎週欠かさず観ている番組があったり、家族でチャンネルの取り合いをした経験があったりするのではないでしょうか。
日本全国、老若男女に愛されるテレビ局は、どのようなロゴデザインなのか気になりますよね。
今回は、全国ネットのテレビ局4つのロゴをデザイナー視点で紹介します。
- フジテレビ
- TBSテレビ
- 日本テレビ
- テレビ朝日
①フジテレビ
画像引用元:マイナビニュース
お台場に本社を構えるフジテレビ。
球体の望遠室も特徴的で、お台場の人気観光スポットにもなっています。
フジテレビのロゴには、「人に強い印象を与えるもの」として、目玉マークが採用されました。
手描きでダイナミックに描かれたこのロゴからは、「力強さ」とともに「親しみやすさ」も感じ取ることができます。
このロゴは、イラストレーターの吉田カツさんがデザインしたもの。
アクリル絵の具を、大胆にチューブからそのままスケッチブックに押し付け、このロゴを描き上げたそうです。
中央の真っ赤な瞳も、一度見たら忘れられない鮮烈な印象を与えますね。
目には、視覚器官としての意味の他にも、「ものの中心」や「主要な点」といった意味があります。
そのため、目や瞳といったビジュアルを企業ロゴに取り入れることで、「中心的な存在になる」「なくてはならない組織になる」といった強いメッセージを表現することができます。
②TBSテレビ
画像引用元:マイナビニュース
こちらも人気のテレビ局、TBSテレビのロゴです。
一般公募8,906点の中から、フリーデザイナーの大内正彦さんの作品が選ばれたそうです。
漢字の「人」をモチーフにしたキャラクターがシンボルマークとなっているこのロゴデザイン。
このキャラクターの愛称は、感動を表す「ジ〜ン」だそうです。
デジタル化が進んだ時代であっても、受け手も、送り手も、みんな人である、という温かいメッセージが込められています。
企業名には「タイムズニューローマンボールド」というフォントが使われています。
親しみやすく愛嬌のあるキャラクターとは対照的に、太字のセリフ体を用いることによって、歴史あるテレビ局の威厳や風格が表現されています。
③日本テレビ
画像引用元:日本テレビ
「日テレ」の略称でおなじみ、日本テレビのロゴを紹介します。
2013年に開局60周年を記念して制作されたこのロゴ。
還暦(60歳)を迎えた人が赤いちゃんちゃんこを着るように、2013年の1年間はロゴも赤色で使用されていました。
テレビ局らしい、ユーモア溢れる表現ですね。
最初の「日」の文字は、「0(ゼロ)」とも読めるような丸みのあるデザインになっていますが、これには理由が。
60周年の「60」を時計の「60分」と考えた場合、分針が「0分」に戻るタイミングです。
つまり、「60周年を迎えた日本テレビも、ゼロからの新たなスタートを切ろう!」という、熱い思いが込められているのです。
「テレ」の文字も、直線と曲線のみで描かれたゴシック調のフォントで、老若男女問わず親しみやすいシンプルなデザインに仕上がっています。
④テレビ朝日
画像引用元:Wikipedia
最後に、テレビ朝日のロゴを紹介します。
テレビ朝日は「企業ロゴ=固まったグラフィックデザイン」という固定観念にとらわれず、“動くロゴ”を制作しました。
細長いブロックが、色や数を変えたり、音に反応したりと、まるで人の感情を表現しているような映像そのものを企業ロゴにしているのです。
ブロックは、常に変化し、挑戦し続ける企業姿勢や一人ひとりの人間を表現しています。
斬新で遊び心たっぷりのロゴですね。
デザイナー 厳選!人気のテレビ局のロゴをまとめて紹介 まとめ
それぞれの特徴についておさらいしましょう。
①フジテレビ
手書きでダイナミックに描かれた目玉マークのロゴ。
人に強い印象を与えると同時に、老若男女問わず親しみやすいデザイン。
②TBSテレビ
一般公募で選ばれたロゴ。
人をモチーフにした愛嬌たっぷりのキャラクターと、伝統や威厳を感じさせる文字をバランスよく配置している。
③日本テレビ
「日」の文字を「0(ゼロ)」とも読めるようにすることで、開局60周年を「新たなスタート」として表現したロゴデザイン。
④テレビ朝日
斬新でユニークな“動く”ロゴ。
人間や企業に見立てたブロックが、感情を持っているように動き回る映像をロゴとして採用している。
性別、世代、地域にかかわらず、広く国民から愛されるテレビ局のロゴは、斬新で、ユニークで、時代の先駆けとなるようなデザインであると感じました。
既存にはない新しいロゴを考えたり、顧客ターゲット層が広いサービスや企業のロゴを考える際に、参考にしてみてください。