自治体の取り組み・民間サービス

クリエイティブ活動をしている公務員特集!アーティストやyoutuberも

地方公務員のデザイナー・クリエイター採用

デザインのコト。では、国や自治体そして民間が実施しているクリエイティブ支援をシリーズでご紹介しています。

今回は、番外編として「クリエイティブ活動をしている公務員」をご紹介します。

クリエイティブな活動を行っている公務員は、どんな仕事や活動に取り組んでいるのでしょうか。

「クリエイティブな仕事は、公務員ではできない」とか「クリエイティブな才能は公務員ではいかせない」と考えている方は、ぜひご一読ください。

※情報は2019年12月26日時点のものです。

公務員って本当はクリエイティブ!

皆さんは「公務員」にどんなイメージを持っていますか?

クリエイティブとは正反対の仕事という認識なら、それは誤りです。

公務員の仕事にはまちづくりや地方創生、観光促進など、クリエイティブの力が必要な仕事がたくさんあります。

奈良県生駒市の採用サイトでは、以下のように公務員の仕事を紹介しています。

市民とともに未来の生駒市を創っていくこんなにも大規模でクリエイティブな仕事が、地味なはずはありません

引用元:生駒市「求める人物像

公務員の仕事はとてもクリエイティブなんです。

デザインやクリエイティブの力を活用して、地方創生に取り組む自治体が増えている中、デザイン・クリエイティブ職の採用が設けられる自治体が出てくるなど、公務員にもクリエイティブの力や理解が求められるようになってきています。

【神戸市】正規職員・非常勤嘱託職員採用

「デザイン都市・神戸」を推進している神戸市。

中途で嘱託職員として「神戸市クリエイティブディレクター」を採用したり、神戸市職員採用に「デザイン・クリエイティブ枠」の設置を行ったりしています。

神戸クリエイティブディレクターは、デザイナーやクリエイターとして活動した知見をいかせる中途採用です。

しかしデザイン・クリエイティブ枠については、クリエイターとしての採用ではなく、学んだことをいかせる事務職としての採用なので注意が必要です。

【千葉県市川市】事務A(クリエイティブ枠)

千葉県市川市では、「事務A(クリエイティブ枠)」を新設。

デザインや映像制作が得意な方や、プレゼンテーションが得意な方、強い個性がある方を採用するために、学歴や年齢による制限を設けないユニークな採用を行っています。

法律や経済学等の専門試験がないので、公務員試験対策が不要なのは嬉しいですね。

【公務員アーティスト】岐阜市役所岐阜市役所教育委員会教育政策課 川那賀一さん

株式会社ホルグが運営する「公務員アワード2019」。

地方自治体職員の他薦によって選出された候補者を、現役の自治体職員が審査して表彰しています。

特別協賛社賞「ジチタイワークス賞」を受賞した川那賀一さんは、岐阜市役所岐阜市役所教育委員会教育政策課の職員。

「公務員アーティスト」として活動し、写真やダンスそして絵画など、多彩なクリエイティブ活動を行っています。

公務員アーティストへの道

川那さんは新卒で岐阜市役所に入庁し、科学館で学芸員として働くことに。

職員の数が少なかったので、多彩な仕事に取り組んだ結果、クリエイティブな仕事に魅力を感じるようになったそうです。

6年間の勤務した後民間出向の募集に応募し、東京の大手通信企業に出向。

社会貢献活動の業務に取り組み、民間企業に所属しながら社会問題の解決を図ることに限界を感じ、2018年に「公務員アーティスト」として活動をスタートさせました。

公務員アーティストの活動

公務員アーティスト カズラスカル」として活動している川那さんは、「よんななアーティスト会」というクリエイティブな公務員の方たちが集まる会を主宰。

メンバーは120人を超える大規模な団体です。

その取り組みのひとつとして、Adobe社の協賛のもとで「行政×クリエイティブ Design Jimoto Local Meetup」を開催。

公務員がクリエイティビティを大切にできるよう活動をしています。

参考:anoter life.「誰もが気軽に表現者になれる社会を創る。公務員アーティストとして教育課題に向き合う。」

まちづくりや地域課題の解決にデザインの力が求められる昨今、公務員もクリエイティブに対する理解や活用を求められることが増えてきました。

自治体ではなく公務員一人ひとりが主体となって、クリエイティブを活用していく取り組みが広がるのは良い傾向ですね。

【公務員YouTube】福井県庁広報課 岩田早希代さん

岩田早希代さんは、福井県庁広報課に勤務しています。

川那さん同様「公務員アワード2018」とを受賞し、PR TIMES賞にも輝きました。

もともとはテレビ局の制作会社で勤務していて、2016年に県庁広報課に転職しました。

動画制作経験のある専門職員として、3年契約で勤務がスタート。

おいでよ!ふくい」というYouTubeチャンネルを開設し、福井県の魅力を伝えるために情報発信を行っています。

企画や演出、撮影出演に編集、そのうえナレーションまで、全てをひとりでこなしている岩田さん。

YouTubeだけではなく、FacebookやInstagramといったSNSの運用もひとりで手掛け、年間200本もの動画と記事の更新を行っています。

中途採用で孤軍奮闘をしながら、クリエイティブの力をいかして活躍する岩田さん。

こうしたパイオニアがいるお陰で、情報配信の在り方やクリエイティブが見直され、積極的に情報配信に取り組み自治体が増えているのかもしれませんね。

動画は1本3分程度で、愉しみながら福井の魅力に触れることができます。

福井に興味をお持ちの方はぜひ、「おいでよ!ふくい」を見てください。

新しい発見があるかもしれません。

参考:TV東京『公務員YouTuber!? たった一人で映像を作り続ける福井県庁の女性職員、その動機は「悔しさ」だった』

クリエイティブ活動をしている公務員特集!アーティストやyoutuberも まとめ

公務員であっても、クリエイティブな仕事に携わり、積極的に活動をしている方はたくさんいらっしゃいます。

また、自治体によっては職員に副業を認める動きも出てきています。

「クリエイターを探す」というと、民間で活躍している方を対象にするケースが多いですが、今後は風向きが変わってくるでしょう。

公務員ならではの知見を持っているクリエイターに仕事を依頼したい方は、神戸市や奈良県生駒市などの公務員の活動に注目してみてください。

素敵な出会いがあるかもしれません!

参考:産経新聞「公務員の〝副業解禁〟自治体にもジワリ 神戸市、奈良・生駒市で基準明確化」