「初めてデザインを依頼したいけど、どこまでお願いしていいのか分からない」
「無意識でデザイナーさんに失礼なことをしてしまうかも」
ロゴやバナー・印刷物など、デザイナーに依頼したいと思ったとき、そんな不安を感じることってありませんか?
また、今までデザインを依頼したことがある方は「希望通りのデザインに仕上がるまで、何度も修正してもらい時間がかかった」という経験をお持ちの方もいるかもしれません。
この記事は、
- デザインを依頼するのが初めて
- 過去にデザインの依頼をしたことがあるけどなかなかうまくいかなかった
そんな方に向けて、デザインを依頼する際に「これだけは注意してほしい!」という6つのポイントを、現役デザイナーの私が紹介していきます。
このポイントをおさえれば、お互い気持ちよく仕事ができるだけでなく、納品までの「修正回数の削減」や「時間の短縮」などにも繋がるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
①「お任せ」NG
「お任せ」という言葉は、デザイナーのセンスとスキルを信頼しているからこそ出る言葉にも思えますが、このワードは基本的にNGです。
なぜなら、「お任せ」という人は、出てきたデザインを見て必ずと言っていいほど「イメージと違う」と思うことになるからです。
私もデザイナーになりたての頃、この「お任せで!」という言葉を信じ、自分のアイデアとセンスだけで制作したデザインを提案したところ「こういうのじゃない」と言われた経験があります。
イメージがうまく言葉にできなく、自分のセンスに自信がないため「デザイナーだったらきっといいものを作れるだろう」と考えている場合には、「お任せ」という言葉はとても便利で使いたくなる気持ちもわかります。
しかし、デザイナーにとって最も重要なのは「依頼者とのイメージの擦り合わせ」です。
「お任せ」では、デザイナーは依頼者が求めているイメージが分からず困ってしまいます。
満足いくデザインのものに仕上がったとしても、それは依頼者とデザイナーの感性やイメージがたまたま似ていたからであって、デザイナーの良し悪しとは関係ありません。
「お任せ」ではなく、デザイナーの手を借りながらイメージをより具体的なものにしていきましょう。
②具体的なデザインイメージがある場合は、事前に伝えておく
具体的なデザインイメージがある場合は、事前に伝えておきましょう。
もちろん具体的であればあるほどデザイナーもイメージしやすいのですが、それが難しい場合には
「色はブルー系でクールな感じ」
「明るいテイストで」
など、些細なキーワードを共有してくれるだけでも、デザイナーはそこからイメージや方向性を汲み取ることができます。
全体イメージが固まっていなくても、「これだけは避けて欲しい!」とNG要素を伝えるのも効果的。
また、そのイメージを伝えるタイミングも早ければ早いほど良いです。
基本的には最初のヒアリング時、デザイナーが実際にデザイン制作に取り掛かる前に伝えるようにしましょう。
以前、デザイン提案後に、提案したデザインは無視して「ココはこうしてああして」と指示されることがありました。
デザイン制作する前にその具体的なイメージを伝えてくれていれば、制作時間と労力が無駄にならなかったのに…とお互いにがっかりしてしまうことに。
デザイナーにとってはどんな些細なキーワードでも、それがデザインの方向性を決定づける手がかりとなるので共有してくれると嬉しいものです。
「こんなこと伝えていいのかな…」
「自分のセンスよりデザイナーのセンスに任せた方がいいのでは…?」
と不安にならず、出来るだけ具体的なイメージを伝えるよう心がけましょう。
③納期が短すぎる
どんなデザイナーも、依頼者が納得してくれるデザインを納品するまでには、時間が必要です。
なぜなら、デザイナーはヒアリング後にすぐPhotoshopやIllustratorなどでデザインの作成に取り掛かるのではなく、「調査」の時間をとるからです。
依頼者側のイメージが固まっていない場合は特に、デザイナー自身で不足している情報や要素、イメージを調査する時間が必要になります。
納期が短すぎると、デザイナーはこの「調査」の時間を削るしかありません。
すると、デザイナーは少ない情報だけでデザインを制作しなければならなくなり、イメージ通りのデザインにならなかったり、修正を繰り返し、結局完成までに時間がかかってしまったりと、お互いにデメリットが大きいのです。
そのため、納期は余裕を持って設定するようにしましょう。
④ロゴ等は必ず元データを渡す
デザインの中に会社ロゴやマークなど、特定の要素を入れて欲しい場合には必ず元データを渡すようにしましょう。
時々、「ワードに貼ってあるデータからとってください」と送られる人や、スクリーンショットなどのデータを送られる人がいますが、元データでないと、解像度が低く荒く見えてしまうことがあります。
デザインを依頼する方は「宣伝するため」「認知してもらうため」など、何か目的があって依頼しているはずです。
出来上がったデザインを見て、せっかくのロゴやマークが不明瞭になっていたら勿体無いですよね。
⑤デザイン制作の上で、「何を伝えたいのか」「何が目的なのか」を明確にする
意外かもしれませんが、「何を伝えたいのか」「何が目的なのか」などの制作目的はデザインを決めていく上でとても重要な要素の一つです。
なぜなら、目的によってデザインの中の優先順位を考え、訴求力の高いデザインに仕上げることができるようになるからです。
色・大きさ・テイストなど、デザインの一つ一つの要素には全て意味があります。
その意味や優先順位を考えていく上で、依頼者側の目的や思いはデザイナーにとって非常に大きな手がかりとなるのです。
「何を伝えたいのか」「何が目的なのか」など、目的を考え話し合うことは、デザイン制作に限らず重要なことです。
その目的がふわっとしていて言葉にできていない・社内やチーム内で共有できていない場合には、これを機会に話し合うのもいいかもしれませんね。
⑥制作途中で希望デザインのテイストを極端に変えない
デザイナーが制作を始め、提案をしている間に依頼者側の希望デザインイメージが変わってしまったら、それまでの時間と労力が無駄になってしまいます。
例えばあなたがデザイナーだったとして、「女性的な可愛い華やかなデザインで」とお願いされていたのに、制作途中で急に「やっぱり男性的な強くてかっこいいイメージで」と言われたら嫌になってしまいますよね。
今のは極端な例ですが、こういったことはデザイナーとやり取りをする社員と上司の意思疎通ができていないと起こりうるパターンだったりします。
これでは修正をお願いする回数も増えてしまい、上司からのOKも出ず、デザイナーとの間で、板挟みになってしまい、結果みんなが苦しむことになってしまうのです。
デザインは、正解が一つではないので「こんなデザインもいいな」「あんな要素も取り入れてほしいな」と目移りしてしまう気持ちもわかります。
しかし、制作段階に入ってからは希望デザインのテイストを極端に変えることは避けましょう。
デザイナーによっては修正の回数制限を設けている場合もあるので、注意が必要です。
デザイナーへの依頼時に注意するポイント6つ まとめ
- 「お任せ」は基本的にNG!結果、違和感の残る仕上がりになってしまう
- 具体的なデザインイメージがある場合は、事前に伝えておく
- 納期は余裕を持って設定しよう
- ロゴ等、入れて欲しい素材は必ず元データを渡そう
- デザイン制作の上で「何を伝えたいのか」「何が目的なのか」を明確にしよう
- 制作途中で希望デザインのテイストを極端に変えないようにしよう
依頼の仕方一つでも、仕上がりが大きく変わるデザイン。
依頼者もデザイナーもお互いに気持ちよく仕事ができ、デザインが大満足の仕上がりになるといいですね。
ぜひ、デザイン依頼時にはこれらのポイントを意識してみてください!