手軽に公募できることや、一度にたくさんの候補を集められるという点から、ロゴマークの作成方法として、近年多くの企業が利用しているコンペ形式。
しかし選定方法によっては、自社に合わないロゴマークを選んでしまう可能性があります。
今回はコンペ形式でロゴマークを決める際に、できるだけ避けたい選定方法についてご紹介します。
目次
たくさんのロゴマークに惑わされないで
コンペ方式を利用すれば、限られた予算でたくさんのロゴマーク候補を集めることができます。
そのため、新商品や新ブランドが誕生するたびにコンペ方式でロゴマークを決めているというところもあるかもしれません。
しかし、候補がたくさん集まるということが良質なロゴマークを選ぶ妨げになってしまうこともあります。
目移りしてしまうあまり、募集時に求めていたものとは違った方向性のものを選んでしまう可能性があるからです。
特に以下の方法で選定すると、目的からぶれてしまうかもしれませんので注意してください。
①担当者の感性のみで決める
②デザインだけで決める
③即決する
④消去法で決める
①担当者の感性のみで決める
ロゴを決める担当者が一人の場合や、決定権のある一人の意見に左右されやすい集団の場合に陥りやすい決め方です。
ロゴマークは本来企業や団体を表すものであり、個人の感情よりも自社の思いを優先して選定しなければなりません。
しかし、担当者が一人だったり「待った」を掛けられる人がいなかったりすると、担当者が直感的に気に入ったものや、趣味にあったものを選んでしまうことがあります。
その結果「何を伝えたいのかよくわからない」、もしくは「コンセプトや会社が伝えたい思いが伝わらない」ロゴマークが生まれてしまうのです。
こうした事態を防ぐために、事前に選定委員を何人か決める、もしくは選定方法を決めておきましょう。
②デザインだけで決める
「デザインがかっこいいから」という理由だけでロゴマークを選ぶのも、あまりおすすめできません。
デザインの好みは人に左右されるからです。
またコンペ形式の場合、どうしても他の候補作品と比較しながらロゴマークを決めてしまいますよね。
そのためデザイン性の優れたものを選びがちですが、商品コンセプトに合っていなければ意味がありません。
大切なのは「そのデザインを見ただけで、会社が伝えたい思いやコンセプトなどが万人に伝わるか」という点がクリアできているかです。
デザイン性は重要な選定要素のひとつですが、それだけで決めないようにしましょう。
③即決する
「悩んでも仕方がないから」と、一度見ただけで即決してしまう担当者もいます。
確かに数が多いほど選定の悩みは増えるものですが、できれば1日時間を置いたり、他の人に見てもらうなどして、選定から決定までの間にインターバルを置きましょう。
いわゆる「パッと見」の印象は大切ですが、ロゴマークは時間を置くと見え方が変わっていきます。
これは見るものの感情や状況の変化、またじっくり見ることで新たな発見が生まれるためです。
実際に自分の作品を、時間を置いて再度確認するというデザイナーは少なくありません。
長く愛されるロゴマークを選ぶためにも、選定から時間を置いた上で最終決定を下すのがおすすめです。
④消去法で決める
あまりにも多くのロゴマークが集まった場合、すべて見るのが面倒だからと消去法で決めてしまう担当者がいます。
しかし消去法だと、「企業が伝えたい思いやコンセプト」を表現したロゴマークが最後まで残らない可能性があるのです。
一度だめだと思ったものでも、じっくり見ることで見え方が変わるものや、少し修正してもらえれば思いが伝わるロゴマークになるものもあります。
どうしても決まらなければ、仕切り直すのもひとつの方法です。
妥協せずに「企業が伝えたい思いやコンセプトが表現できているか」という点を重視してロゴマークを選びましょう。
【事前チェック】コンペを利用してロゴマークを作るなら
ロゴマークを決める上で、コンペ方式は決して悪い方法ではありません。
大切なのは妥協したり、数人の感性や意見だけで決めないこと、そして「企業が伝えたい思いやコンセプトが表現できているか」という軸を持って選定することです。
この点がぶれてしまうと、コンペ形式以外の場合でも、企業が伝えたい思いやコンセプトを表現したロゴマークができない可能性があります。
担当者が一人の場合は、相談できる相手を作ったり、上長に相談するなどして一人の意見だけで決めないようにしましょう。
何人かで決定する場合は、あらかじめ基準を見える化した上で選定することをおすすめします。
やってはいけない!コンペでロゴマークを決める時のこんなやり方 まとめ
コンペ方式の強みを生かし、自社が本当に求めるロゴマークを見つけ出すためには、ロゴマークを通して伝えたい思いやコンセプトに合致したものを選ぶことが大切です。
以下のポイントを押さえ、ぜひコンペ形式で素敵なロゴマークを見つけてくださいね。
* 企業が伝えたい思いやコンセプトが表現できているかを複数人で確認する
* 以下の方法で決めないようにする
①担当者の感性のみで決める
②デザインだけで決める
③即決する
④消去法で決める