この記事では、世界的に有名なファッションブランドのロゴを、デザイナー視点でまとめて紹介していきます。
同じファッションでも、ブランドのロゴがあるだけで価値が大きく変わる業界。
世界中で支持されるブランドなら、ロゴデザインにもアイデアや戦略が詰まっているはずです。
今回は、以下の5つのファッションブランドのロゴをまとめました。
- ルイ・ヴィトン
- エルメス
- グッチ
- シャネル
- バーバリー
①ルイ・ヴィトン
画像引用元:ルイヴィトンのモノグラムの由来と日本家紋の関係
世界中で愛される高級ブランド、ルイ・ヴィトン。
アルファベットを組み合わせた柄と花に似たモチーフをあしらい、見た瞬間にルイ・ヴィトンだとわかるこのデザインは、多くの女性が憧れているのではないでしょうか。
街中でも、鞄や財布など、いたるところで使われている姿を目にします。
2つ以上の文字を組み合わせたデザインを「モノグラム」といいます。
主に名前の頭文字などで作られることが多く、ルイ・ヴィトンも頭文字の”L”と”V”を組み合わせています。
セリフ体が使われていることで、「伝統的」「高級感」などのイメージを与えています。
”L”はイタリック(斜めの書体)になっていることで、よりスタイリッシュで洗練された印象を受けます。
ルイ・ヴィトンを代表するこの「モノグラム柄」ですが、実は日本がモチーフになったんだとか。
1878年にパリで開催された万国博覧会をきっかけに、ヨーロッパ各地で日本の文化や工芸品など、ジャポニズムがブームとなりました。
日本の家紋からインスピレーションを受け、この「モノグラム柄」の総デザインが作られたそうです。
②エルメス
画像引用元:abox
多くの女性が憧れるハイブランド、エルメス。
1837年に高級馬具工房として開業され、時代を経て、ファッションブランドへと発展していきました。
ロゴマークには、馬・馬車・従者が描かれています。
創業当時、まだ自動車もなかったパリで流行していた移動スタイルだったそうです。
この馬車に乗る主人をあえて描かないことで、「主人はあなた(ユーザー)である」ことを表現しています。
ここにエルメスの強い想いが隠されていますね。
フォントを見てみると、セリフ体でありながら力強さを感じる、角ばったフォントが使われています。
創業当初に作られていた馬具の品質の良さや頑丈さが伝わってくるようなデザインです。
全体的にマニッシュなデザインに見えるものの、他のブランドにはない個性が光っています。
③グッチ
画層引用元:Font Meme
男女問わず人気を誇る高級ブランド、グッチ。
創業者のグッチオ・グッチの名から、GUCCIというブランド名が生まれました。
グッチを代表するこのデザインは「GGマーク」と呼ばれ、“G”の文字を2つ組み合わせたモノグラムになっています。
左右対称的にしていること、また正円に近い形で組み合わせていることで、よりモチーフ感が生まれ、文字ではなくスタイリッシュな模様の役割を果たしています。
実はこのGGマーク、「ブランドの元祖」と言われています。
もともとは品質保証を表すサインとして、ファッションの中に取り入れたことが始まりでした。
人々は「GGマークが付いている=高品質」と認識し、ユーザーが増えたことから、他のファッションブランドも取り入れるようになったそうです。
④シャネル
画像引用元:BUYMA
こちらも世界中の女性から支持されているブランド、シャネル。
“C”を2つ左右対称的にクロスさせたロゴは、創業者ココ・シャネルの頭文字からとったものです。
サンセリフ体を使った、非常にシンプルで洗練されたロゴ。
“C”と書いてある2枚のメモ用紙がたまたま左右対称的に重なったのをココ・シャネルが見てこのデザインを思いついたそうです。
単色で、余計な装飾を一切使わず、極限までシンプルにこだわったデザインが、長年世界中から愛される理由かもしれません。
⑤バーバリー
画像引用元:これを読めばBURBERRY(バーバリー)が全て分かる!デザイナーやブランドLINE、バーバリーチェックとは?
最後にイギリス生まれの有名ブランド、バーバリーを紹介します。
子どもからお年寄りまで、世代を超えて愛されるブランドです。
ベージュを基調としたあの有名なチェック柄は、見ただけでバーバリーだとわかりますね。
創業者のトーマス・バーバリーは、弱冠21歳にして洋服店を開き、自らを「洋服の革新家」と名乗っていたそうです。
様々なファッションウェアを展開していく中で、スポーツ好きの人々の間でバーバリー柄が流行るようになり、ブランドとして社会的地位を高めていくことになります。
シンボルマークである勇ましい騎士の姿は、バーバリー自身の「革新家」を表し、高貴で伝統的な印象を与えてくれます。
有名ファッションブランドのロゴ まとめ
①ルイ・ヴィトン | “L”と“V”を組み合わせたモノグラム柄。 総デザインはジャポニスムの影響を強く受けた。 |
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②エルメス | 馬車をモチーフとし、高級馬具工房らしさの残る、マニッシュなデザイン。 |
③グッチ | もともとは品質保証を表す「GGマーク」だったが、ブランドの元祖として世界中に広まった。 |
④シャネル | “C”を2つ組み合わせたモノグラム柄。 余計な装飾を削ぎ落としたシンプルで洗練されたデザイン。 |
⑤バーバリー | 騎士の姿から、「高貴」「伝統的」「革新」といった印象を与えている。 |
ファッションブランド業界は、他の業界に比べて特にロゴのデザインが商品のイメージや人気に直接影響します。
ブランドのコンセプトや想いを表現しつつ、デザインそのものもスタイリッシュであることが求められますね。
ぜひ参考にしてみてください。