この記事では、コンビニエンスストアのロゴについてデザイナー視点でまとめて紹介します。
毎日のように目にするコンビニですが、そのロゴにどんな意味が込められているか、戦略が隠されているか、知っている人は少ないと思います。
今回まとめたのはこちらの5つのロゴデザインです。
- セブンイレブン
- ローソン
- ファミリーマート
- ミニストップ
- セコマ(元セイコーマート)
それでは、さっそく見ていきましょう。
①セブンイレブン
画像引用元:みんな知ってた?!セブンイレブンのロゴマークにこんな意味が!ロゴに隠された謎
コンビニ最大手、セブンイレブンのロゴを紹介します。
1927年、アメリカ・テキサス州の小さな氷販売店が、食品や日用品の販売を始めたことがきっかけで、コンビニエンスストアの原型が生まれました。
それが、後のセブンイレブンとなります。
「朝7時から夜11時まで」と、当時は革命的だった長い営業時間をそのまま店の名前にし、現在に至ります。
ロゴに使用されている3色のコーポレートカラーは、「緑=砂漠のオアシス」、「オレンジ=夜明けの空」、「赤=夕焼けの空」を表しているそうです。
色でも、長い営業時間にちなんだ表現をしているのがわかりますね。
また、これらの色は「健康的」「明るい」「フレッシュ」「親しみやすい」印象を与える色でもあります。
また文字をよく見ると、「7-ELEVEn」と最後だけ小文字が使われています。
この謎については諸説あり、「大文字ではなく小文字を使ったほうがデザイン的に美しいと創業者が言った」という説や、「大文字では商標登録の申請が通らなかったので小文字にした」という説が有力です。
②ローソン
画像引用元:Logomarket
1939年に創業したアメリカ・オハイオ州の牛乳屋さんが、日用品の販売を始め、チェーン展開していくことで、後のコンビニ、ローソンとなります。
牛乳屋さんだった創業当時から変わらない、青地に白のミルク缶マークのロゴが印象的です。
フォントには、どこかレトロで懐かしく感じるようなセリフ体が使われています。
一般的には「伝統的」なイメージを与えるセリフ体ですが、こちらは太く角ばっているフォントなので、「親しみやすさ」や「日常感」といった印象も与えてくれます。
枠の形に沿って文字がカーブしているのも、かわいらしさが増すデザインです。
「100円ローソン」は赤・白・緑のロゴ、「ナチュラルローソン」は紫色のロゴと、姉妹ブランドで大きくロゴのデザインを変えているのもローソンの特徴です。
③ファミリーマート
画像引用元:社名の由来とロゴ|ユニー・ファミリーマートホールディングス
こちらも全国各地に展開しているコンビニ、ファミリーマート。
社名には、「便利で安心できるサービスを通して、お客様のいちばん近い存在(家族のような存在)になりたい」という思いが込められているそうです。
ロゴは、社名・コーポレートメッセージ・2色のブランドカラーで構成されています。
ロゴデザインとしては非常にシンプルなつくりです。
ブランドカラーである緑色は「信頼と安心」、水色は「楽しさと新鮮さ」を表現しています。
また、コーポレートメッセージの「あなたと、コンビに、」は手書き風のフォントが使われています。
温かみのある配色や、手書き風のフォントから、日常感や親しみやすさを感じるロゴですね。
④ミニストップ
画像引用元:ブランドシンボル|ministop
ミニストップのロゴを紹介します。
「ちょっと立ち寄れるところ」という意味の「minute stop(ミニット ストップ)」を、日本人の発音に合わせて簡略化することで、この名前が生まれました。
「ハウスマーク」と呼ばれるこのロゴは、「街角のあなたの憩いの場」イメージし、家と木をモチーフに作られたのだそうです。
枠もフォントも、すべて丸みを帯びていて、かわいらしく親しみやすいデザインです。
プリンパフェなどのコールドスイーツや、ホットスナックなどに力を入れているミニストップ。
ちょっと立ち寄ってひと休みして、また前進していくイメージが、社名にもロゴデザインにも現れています。
⑤セコマ(元セイコーマート)
画像引用元:Jタウンネット
北海道・埼玉県・茨城県で展開しているコンビニ、セコマ。
上記4社のコンビニに比べて知名度は落ちるものの、北海道産の良質で安全な食品を販売していることで支持を得ている、北海道最大のコンビニチェーンです。
親しみやすさのあるオレンジ色のロゴは、中央に鳥の姿が。
この鳥は不死鳥フェニックスで、「時代と未来を見据え、常に変化し想像し続ける」という企業姿勢を表現しているそうです。
「m」や「a」の文字は、端をカーブ状に切り取ったようなフォントをしています。
角を取ることで、より温かみが増すロゴデザインに仕上がっています。
コンビニ業界のロゴ まとめ
①セブンイレブン | 緑・オレンジ・赤の3色で、長い営業時間を表現している。 最後の文字「n」だけが小文字になっていることにも注目。 |
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②ローソン | 青地に白のミルク缶マークで、創業当時の牛乳屋さんのシンボルをそのまま引き継いでいる。 |
③ファミリーマート | 文字とブランドカラーが並んだシンプルなロゴデザイン。 手書き風文字によって親しみやすさを増している。 |
④ミニストップ | 全体的に、線に丸みがあり温かみを感じられるデザイン。 家と木がモチーフになっている。 |
⑤セコマ(元セイコーマート) | オレンジ色の丸みのあるフォントで、親しみやすさが増している。 不死鳥フェニックスがシンボルマークとなっている。 |
老若男女問わず、日常的に利用されるコンビニ。
そのロゴデザインも、全ての世代に愛されるような、「親しみやすさ」「日常感」を強く感じるものであることがわかりました。
コンビニ以外にも、ターゲット層が広いサービス・商品のロゴを考える際には、参考にしてみてください。