デザイン紹介

集客にも利用できる?ストリートピアノのデザインとは

全国各地で話題沸騰中のストリートピアノ。

街中で見かける度に「自分もいつかは弾いてみたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。

多くの人を魅了しているストリートピアノは、音色もさることながら、ピアノに施されている色鮮やかなデザインも注目されています。

今回はそのデザインに注目しながら、全国各地のストリートピアノのデザインをご紹介しましょう。

ストリートピアノとは?

2008年にイギリスで発祥したストリートピアノは、「Play Me, I’m Yours(私を弾いて。私はあなたのもの。)」というプロジェクトが発祥だと言われています。

イギリスのバーミンガム市の街中に3週間限定で15台のピアノが置かれたのがはじまりです。

短い期間ではありましたが、これらのピアノは多くの人を魅了し、その後はイギリス国内だけではなく、ブラジル、オーストラリア、アメリカ…と世界各地で、このプロジェクトの輪が広がりました。

街中に置かれたピアノを目の前に一人でもくもくと弾き続ける人もいれば、途中から見ず知らずの人が乱入して連弾することもあったそうです。

また、即興で他の楽器とのデュエットや、ピアノの演奏を聞いて一緒に歌いだす人までも登場。

ストリートピアノのおかげで、ピアノを演奏している人も、その演奏を聞いている人達も、ともに繋がり、コミュニケーションの輪が広がっていったのです。

話題沸騰中!ストリートピアノのテレビ番組まであるほどに

まだ自分の街で見かけたことがないという方でも、テレビ番組でストリートピアノを知ったという方もいるのではないでしょうか。

NHKの「空港ピアノ・駅ピアノ」は、世界各国の空港や駅にあるストリートピアノに、色々な想いをもって訪れる人々を定点カメラで見つめた番組です。

音大に通っている学生もいれば、独学で音楽を勉強していて家以外の場所で披露したいとやってきた人もいるようです。

一人一人、ピアノに向かう想いはそれぞれ。

でもピアノを演奏すると、みなスッキリした笑顔で去っていくのが印象的です。

そして、同じくNHKの「ドキュメント72時間」でも宮崎県にあるストリートピアノが取り上げられました。

今では、ストリートピアノの存在を知る人も多くなり、今日もまた多くの街角で誰かの弾くピアノに魅了され、楽しく時を過ごす人がいることでしょう。

日本第1号のストリートピアノはどこ?

2019年12月7日現在、日本では滋賀県と高知県以外の都道府県にストリートピアノが存在しているそうです。

これほど人気があるストリートピアノの第1号はどこだと思いますか?

日本での第1号は鹿児島県。

鹿児島中央駅近くにある一番街商店街に2011年に誕生しました。

なぜ鹿児島?

2011年に九州新幹線が開通となりました。

イギリスでストリートピアノが誕生してから早3年。

新幹線開通で街が活気づく中、もっと多くの人にこの街の魅力を感じてほしい、そして、もっと街を活気づけたいという想いがストリートピアノの誕生につながったそうです。

今や、日本各地に置かれているストリートピアノは、ペイントされているのが特徴ですが、これは第1号のピアノがペイントされていたからかもしれません。

もともと捨てられる予定であったピアノを、地元の専門学校の手によって、オレンジや水色など明るくカラフルにペイントされたストリートピアノ。

商店街にピアノが置かれると、毎日のように次から次へと演奏する人が現れ、演奏が始まるとピアノを囲んで人の山ができるほどになります。

こうして商店街はストリートピアノによって笑顔と活気が増えていったのです。

日本初のストリートピアノの人気は新聞にも取り上げられ、鹿児島から九州各地へ、そして全国へと広まっていきました。

このストリートピアノは、人と人との繋がりだけではなく、地域との繋がりまでも強くする要素を持っていたのです。

ストリートピアノで集客しよう!

現在、ストリートピアノは駅や空港、商店街や商業施設などに置かれています。

イベント開催時だけではなく、常設しているところも多く、いつもピアノの周りには多くの人でにぎわっています。

ピアノを演奏する人は、音大生やピアノ講師といったピアノの演奏が上手い人達だけではなく、最近ピアノを習い始めたばかりの人や、昔習っていて久しぶりにピアノを弾く人などさまざま。

日本人は外国人に比べてシャイだから、ピアノを演奏する人なんていない…なんていうことはありません。

1日に多い日には100人以上の人が演奏しにやってくることさえあるのです。

それだけ多くの人から注目されているストリートピアノを店舗の集客に、地域の活性化に使わない手はありません。

周囲の環境などの問題がクリアできれば、ぜひ設置してみてはいかがでしょうか。

ユニークデザインのストリートピアノをご紹介!

今回はユニークなデザインのピアノをご紹介しましょう。

どのデザインもピアノの演奏に負けないくらい素敵なデザインです。

都庁おもいでピアノ

都庁おもいでピアノ画像引用元:東京都

この水玉模様のデザイン…どこかで見かけたことはありませんか?

前衛芸術家である草間彌生氏がこのピアノのデザインを手掛けました。

2019年4月に東京都庁にある南展望室のリニューアルに伴い、設置された「おもいでピアノ」。

都庁が都民に思い出のつまったピアノの寄贈をお願いした中から、思い出がつまったこのピアノが選ばれ、デコレーションされました。

誰でも一人5分までであれば、どんな曲でも自由に演奏することができるそうです。

観光スポットでもある都庁の中で、芸術家がデザイン監修したピアノを弾くだけで、多くの人から注目を浴びることは間違いありません。

Love Piano

Love Piano画像引用元:YAMAHA

ピアノといえば「YAMAHA」が有名でご存知の方も多いかもしれません。

ピアノの製造・販売だけではなく音楽教室があることから、習い事でお世話になったという人も多いことでしょう。

このYAMAHAでは、ピアノをもっと身近に楽しんでほしいという想いから「Love Piano」は誕生。

ご覧のデザインは1号機ですが、他にもデザインの異なる4台のピアノが全国各地を飛び回り、活躍しています。

これらのピアノをペイントしたのは、プロのイラストレーターだけではなく、美術専門学校の学生などさまざまです。

見ているだけでも楽しくなり、次は私も…と思わずピアノを弾きたくなってしまうようなデザインばかりです。

イコニコストリートピアノ

イコニコストリートピアノ画像引用元:TSC テレビせとうち

岡山駅前にある商業施設「イコットニコット」と、地元のテレビ局「テレビせとうち」の連動企画で誕生したこのストリートピアノは、岡山県内で第1号のストリートピアノです。

よくあるストリートピアノには絵の具でペイントされることが多いのですが、このピアノはなんとカモ井加工紙のマスキングテープでデコレーションされたもの。

マスキングテープでデコレーションされたものは世界各地を見回しても、この1台しかないという、大変貴重なピアノです。

このデザインは、岡山県内で第1号らしく、岡山の観光スポットである瀬戸大橋や、倉敷美観地区が描かれるだけではなく、この「イコットニコット」のコンセプトにそって笑顔あふれるお花などがデザインされています。

Gifu Piano

Gifu Piano画像引用元:松栄堂楽器

もともとは真っ黒だったピアノに、ゴッホの代名詞である「うねり」調の絵で描かれたストリートピアノは岐阜駅の構内にあります。

このピアノのペイントは、県立高校の美術科の生徒が「岐阜」をテーマにして制作されました。

青色を基調に、黄色やオレンジ色がアクセントとなっているこのデザインは力強く、躍動感があるデザインではないでしょうか。

このピアノで演奏するのであれば、デザインと同じように力強く男性的な曲調の曲を演奏したくなるかもしれません。

空港ピアノ

米子鬼太郎空港空港ピアノ画像引用元:米子鬼太郎空港(Facebook)

米子鬼太郎空港は2019年11月に施設の増築工事が完了し、リニューアルオープンとなりました。

これにあわせて2020年3月30日までの期間限定ではありますが、ラウンジ前にピアノを設置。

一見するとカラフルなモザイク模様に見えます。

しかし、この一つ一つが鳥取県と島根県の名所やイベントなどの写真がフィルムでラッピングされているというもの。

空港を訪れた人達に、山陰地方の風景に関心を持ってほしいとこのデザインにしたそうです。

音色だけではなくデザインにも注目!ストリートピアノのデザインとは まとめ

音楽は人々の心を豊かにします。

人と人とのコミュニケーションが薄れている現代において、ストリートピアノが奏でる音楽によって、新たにコミュニケーションが生まれています。

そしてまた、その音楽が人々を呼ぶだけではなく、地域を活性化させているのです。

まだまだ増え続けていくストリートピアノ。

音楽の力で日本が元気になることを期待しています。