自動車を所有されている方の中には、図柄入りのナンバープレートを検討されている方もいるでしょう。
昨今、地域活性や観光振興の目的から「ご当地ナンバープレート」の導入が進んでいます。
その目的を理解していなくても、ご当地ナンバープレートを付けて走りたいと、導入を待ち望んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は走る広告塔であるご当地ナンバープレートのデザインと観光振興についてご紹介します。
目次
図柄入りのナンバープレート第1号デザインは「雲」?
自動車やバイクには必ず取り付けられているナンバープレート。
そのデザインといえば、文字と数字に地域名が表示されたシンプルなものを思い浮かべるのではないでしょうか。
街中を走っている自動車のナンバープレートを見ても、多くの車はまだシンプルなデザイン。
導入が進んでいるとはいえ、まだ浸透していないのでは、と思われた方もいるのではないでしょうか。
図柄入りのナンバープレートが誕生したのは、2007年。
愛知県松山市で、全国初となるオリジナルデザインのナンバープレートを導入しました。
そのデザインのイメージは「雲」。
松山市を舞台にした「坂の上の雲」という司馬遼太郎の小説から「雲」をデザインしました。
しかし、このナンバープレートは原付バイクと小型特殊自動車、ミニカーのみで、自動車のナンバープレートまでには至らなかったのです。
自動車初!ご当地ナンバープレートとは?
2007年に図柄入りナンバープレートが誕生してから、各地域で地域性豊かなデザインのナンバープレートが次々と誕生します。
しかし、どれも原付バイクや小型特殊自動車、ミニカー対象のものばかり。
ようやく2015年に閣議決定された「日本再考戦略」において、地域振興、観光振興に資する施策として自動車ナンバープレートの導入が盛り込まれました。
そのため、自動車において図柄入りのご当地ナンバープレートは、2017年に導入決定となった、ラグビーワールドカップや2020年東京五輪・パラリンピックにおける特別仕様のデザインナンバープレートの導入以降に、やっと正式導入が決定したのです。
このラグビーワールドカップや2020年東京五輪・パラリンピックにおける特別仕様のものは、大会を盛り上げるために導入されたものでした。
多くの車にこのデザインのナンバープレートを付けることで、大会の成功につなげたいという想いがあったのです。
ご当地ナンバープレートも多くの車に付けてもらうことで、「この地域にはこんな風景が見えるのか」「この地域にはこんな観光資源があったのか」と思ってもらうためのものであり、その導入がようやくはじまりました。
また、ご当地ナンバープレートを導入することにより、今までのナンバープレートの地域名にはない地名を新たに作ることができたため、地域振興や観光振興を行いたいと思う自治体はこぞって導入を検討し始めたのでした。
デザインの特徴
地域振興や観光振興が目的であるご当地ナンバープレートのデザインは、地域の風景や観光資源をモチーフとしています。
2019年11月25日現在、交付されているご当地ナンバープレートの数は41地域。
そのデザインの特徴として、3つに分類することができます。
それぞれのデザインについて、代表的な例をご紹介しましょう。
世界遺産や遺跡、地域の風景を表したデザイン
・平泉ナンバー:世界文化遺産「平泉」
・富山ナンバー:立山連峰
・京都ナンバー:天橋立、五重塔
その地域を舞台にした文学作品を表したデザイン
・岩手ナンバー:銀河鉄道の夜
人気キャラクターやマスコットをモチーフとしたデザイン
・福山ナンバー:広島東洋カープ
・愛媛ナンバー:みきゃん
・熊本ナンバー:くまモン
ご当地ナンバープレートのデザインの中には公募されたものも?
ご当地ナンバープレートのデザインは、国土交通省によるデザイン選定における条件に沿ったものとなります。
例えば、ナンバープレートに記載されている文字や数字などの、表示を妨げないデザインであることはもちろんのこと、地域住民の意向が踏まえられていることが必要です。
そして、地域の特色を十分に活かしたデザインでなければいけません。
多くの地域において、デザインを自治体傘下の団体へ依頼することが多い中、一部の地域では公募サイトを使い、デザインを選定したものもあります。
公募サイトを使うことで、全国の人達がその地域に注目し、それだけでも地域振興になります。
また、その地域外の人達からみた地域の良さを発掘してもらうことで、新たな観光振興を発掘することができるかもしれません。
公募することで、その地域におけるメリットは計り知れないものとなるのです。
2020年5月交付開始!人気沸騰が期待される第2弾のプレートデザイン
2018年10月に第1弾として41地域のご当地ナンバープレートが交付されました。
2019年10月には第2弾となる17地域のご当地ナンバープレートが公開されることに。
この第2弾のナンバープレートは2020年5月に交付となりますが、今時点においてもそのデザインに話題沸騰中です。
新たに追加となった新デザインの中で、人気沸騰が期待されるデザインをご紹介しましょう。
北海道・知床ナンバー
知床峠から見える羅臼岳に、知床周辺で見かけることができるオジロワシとクマの親子。
知床の冬は深い雪で閉ざされ、7月になっても知床の山々には雪が残ります。
そしてクマと共生して生活をしているのが、この知床という地域の特性でもあります。
この知床の雄大な自然がデザインされたナンバープレートは、知床周辺の人達だけではなく、山好きや北海道を愛する人達にも人気となりそうなデザインです。
関東・板橋ナンバー
東京都板橋区の区制80周年を記念して作成されたのがオフィシャルシンボル。
区の鳥である「ハクセキレイ」に、区の花である「ニリンソウ」、そして区の木である「ケヤキ」をモチーフに、躍動感あふれるカラフルなデザインとなっています。
また外枠にチェッカーフラッグを連想させるデザインを取り入れ、若々しいイメージを演出しています。
このポップでカラフルなデザインなら、どんな色の自動車にも似合うのではないでしょうか。
近畿・飛鳥ナンバー
奈良時代においては飛鳥地方が都であり、政治や経済の中心でした。
現代において奈良県といえば東大寺の大仏ですが、これは奈良市のもの。
飛鳥ナンバーの地域に奈良市は含まれていないため大仏モチーフではなく、「飛鳥」を象徴とする「朱雀」をモチーフとしたデザイン。
赤色やオレンジ色といった明るい色合いを使い、朱雀が羽ばたく様子を描いたこのデザインは、この地域が朱雀のように飛躍するようにという想いが込められています。
中国・出雲ナンバー
2013年に平成の大遷宮で話題となった出雲大社。
この出雲大社がある地域のご当地ナンバーです。
10月のことを神無月と言いますが、この地域では全国の神様が集まってくるということで神在月ともいわれています。
そのため、出雲大社や神様をイメージしたデザインが多い中、選ばれたのが出雲神話に登場するヤマタノオロチを虹をイメージした色合いで表現したこのデザイン。
自動車に付けているだけで運気が上がりそうな気がしてなりません。
走る広告塔!おしゃれなご当地ナンバープレートのデザインをご紹介! まとめ
ご当地ナンバープレートを手に入れるには、ネット上で申請が必要であり、また費用もかかります。
しかし、地域を活性化させるためにも、自分の車や会社の車のナンバープレートに走る広告塔であるご当地ナンバープレートを付けてみませんか?
また、まだ導入されていない地域も多くあります。
ナンバープレートのデザインを是非ともしてみたい方は公募サイトなどをチェックしてみてください。