「しめパフェ」に「夜パフェ」、そして「お家パフェ」…
数年前に北海道・札幌から流行り始め「パフェ=特別なもの」ではなく、いつでも食べられるものとなりましたが、そのデコラティブな見た目から、そのデザインに魅了され、虜になってしまう方もいるようです。
パフェの盛り付けのコツは何か、またオシャレなお店のこだわりの盛り付けデザインをご紹介しましょう。
目次
スイーツの総合デパート。パフェの由来
生クリームに、チョコレート、季節のフルーツに、アイスクリーム…パフェに何が入っているのかを考えてみると、一つ一つが完成されたスイーツがバランスよく入っていると思いませんか?
「パフェ」という言葉の由来は、フランス語で「パルフェ(pefait)」が語源と言われています。
この「パルフェ」とは、「パーフェクト」という意味です。
生クリームと卵黄を使った濃厚なアイスクリームのことで、かき混ぜる必要がないくらいパーフェクトな出来だったことから、この名前が付けられたそうです。
この「パルフェ」は現在の日本のパフェとは似ても似つかない形のものですが、「パーフェクト」という点においては合点がいくのではないでしょうか。
賞味期限はたった10分?! パフェの魅力とは
流行から定着化したパフェですが、パフェ文化について研究されている方もいます。
「東京パフェ学」という著書を出されているパフェ評論家の斧屋氏によると、パフェの魅力は次の3つだそうです。
物語性
パフェ以外のスイーツを食べる時のことを想像してください。
例えばケーキを食べる場合に、上からフォークを差し入れて食べると思います。
上から下までフォークを入れ、食べやすい大きさになったケーキを口へと運びます。
パフェの場合はどうでしょうか。
パフェの多くは背の高いパフェグラスに入っています。
長さのあるスプーンでほじることもできますが、層を成しているため、上から順番に食べていくのです。
順番があるということは、上から起承転結という展開をつけることができ、他のスイーツにはない、パフェごとに異なるストーリーを楽しむことができるのです。
五感で楽しめる
パフェには、色々なスイーツが入っています。
まるでスイーツの総合デパートです。
スイーツごとに見た目の美しさはもちろん、香りや味、舌触りや食感と五感を刺激してくれます。
一つ一つのスイーツでは感じなかった五感が、パフェとして層を成すことで新たな食感を生み出すこともあります。
素人では想像できない感触を味わえるかもしれません。
ライブ感
パフェはアイスクリームや季節のフルーツ、生クリームやコーンフレークなどが層を成しています。
それらは作ったその時から、時間が経つにつれて刻々と変化し、劣化していくのです。
パフェは作りたての状態で食べるのが、最も美味しい食べ方。
賞味期限が10分?いや本当は5分足らずなのかもしれません。
お寿司屋さんで、寿司職人が目の前で握ってくれたお寿司をできた瞬間にすぐに口に入れる感覚に似ているのです。
上からの順番が一番重要なわけ
パフェの魅力の一つとして「物語性」を前述しましたが、いくらパフェの盛り付けデザインが良くても、その順番が良くなければ、美味しいと感じることができないパフェとなってしまいます。
例え、色彩感覚が乏しくとも、毎日食事をしているのであれば、一般的に「美味しい」と感じる味覚は持ち合わせていると思います。
層を成しているパフェを上から食べていって、目で見て、食べて美味しく感じ、そして飽きない順番にすることが大切なのです。
パフェ盛り付けの基本
パフェを盛り付ける時に基本として、パフェグラスの一番底には、溶けても形があまり崩れない、コーンフレークやスポンジを入れることが多いです。
下から、「コーンフレーク→生クリーム→チョコソース(もしくはフルーツソース)」を順に重ねて土台を作ります。
パフェグラスの高さにもよりますが、この3層の土台の上にアイスクリームやフルーツをのせ、生クリームでデコレーションするのが基本といわれています。
昔ながらの純喫茶や、フルーツパーラーなどでよく見かけるパフェの盛り付けです。
映える!萌える!パフェの盛り付けデザイン
昔ながらの昭和レトロなパフェも良いのですが、イマドキのパフェが食べたい!とか、SNSで自慢したい!と思われる盛り付けデザインをご紹介しましょう。
SNSで特に人気がある盛り付けデザインは次の3つです。
迫力系デザイン
これでもかというくらいにフルーツがてんこ盛りに乗っているとか、パフェ自体のサイズが大きいなど、迫力のあるパフェです。
特に果樹園や果物屋が経営しているフルーツパーラーで多く見かけることができます。
多くの人に、美味しいフルーツを思う存分食べて欲しいという気持ちがこもったパフェ。
その季節にあったフルーツのみを使用していたり、フルーツによって切り方を変えていたりと、フルーツの食べ方をよく知っているからこそ、こだわりのあるパフェとなっています。
デコラティブデザイン
パフェグラスからはみ出る上部をどのようにデコレーションするかは、そのお店のセンス次第。
ただフルーツをカットして放射上に盛り付け、生クリームとソースでデコレーションするだけ…なんていうことはしていません。
フルーツで花束を作ってみたり、ハート型にカットしたフルーツを目いっぱい並べてみたり、またチョコレートや飴細工などで作った蝶やお花を飾るなど、デコラティブなデザインが映えるデザインなのかもしれません。
萌え断デザイン
パフェグラスの多くが透明だと思います。
透明だからこそ、パフェの層が綺麗に見えるのです。
何層にも重なる色とともに、フルーツのカットによる断面美が表現することによって、思わず「萌え断!」とつぶやいてしまうパフェデザインが完成するのではないでしょうか。
サンドイッチやケーキと同じようにパフェにおいても「萌え断デザイン」は人々の萌えポイントといえるでしょう。
色の配色やデザインの参考に。オシャレなパフェをご紹介!
イマドキの盛り付けデザインのポイントをおさえれば、SNSで人気となるパフェになるでしょう。
では、話題沸騰中のオシャレなパフェをご紹介します。
色の配色だけではなく、デザインについても参考にしてみてはいかがでしょうか。
パティスリーオクサリス
画像引用元:パティスリー オクサリス 岡山県倉敷市(Facebook)
岡山県倉敷市にある、こちらのお店ではカウンターでのみ味わえる特別な一皿として、1日3回、各回6席限定で提供されています。
カクテルグラスにゼリーやクリーム、アイスにマカロン…色々なスイーツがバランスよく配されているだけではなく、蝶やフルーツの形をしたチョコレートがかわいく飾られているデコラティブな一品です。
見てるだけでもうっとりしますが、味わうことによって、色々と複雑な味が五感を刺激します。
カフェデイズ
埼玉県浦和市にある、こちらのお店では季節によって旬のフルーツをバラの花びらをモチーフにデコレーションしています。
夏には桃、秋にはサツマイモ、冬にはリンゴと、いつでもかわいらしく繊細なパフェを楽しむことができます。
パフェグラスが低いため、バラの花びらの下にはパフェの基本系のスイーツですが、パフェを頼んだ人は、このバラの花びらの美しさに圧倒され、思わず写真を撮ってしまうそうです。
パスカル・ル・ガック
画像引用元:パスカル・ル・ガック 日本公式サイト|Pascal Le Gac
東京都港区にある、こちらのお店はチョコレート専門店。
パリの郊外、サン=ジェルマン=アン=レ―に本店を持ちます。
こちらのパフェは2019年11月20日から12月20日までの限定パフェ「パルフェフルーリー」。
一枚一枚、チョコレートで花びらを作り、シャクヤクのような大きな花に仕立てました。
生クリームもアイスクリームもチョコレート味ですが、食感や舌触りだけではなく、温度が異なることで口の中で楽しさを感じられます。
吉祥菓寮
京都府京都市にある、こちらのお店はきな粉を使ったスイーツを味わうことができます。
京都のイメージ通り、わびさびを感じられるデザインです。
通常、パフェの上部にはこんもりとデコレーションされていますが、こちらのパフェはデコレーションはなく、層の美しさで勝負しています。
季節により、3種類のパフェをいただくことができますが、同系色の層のものもあれば、補色効果を使って色鮮やかな層のものもあります。
層の美しさを参考にしたい一品です。
デザインの良さは味に比例!?パフェの盛り付けデザイン まとめ
パフェは賞味期限の短い芸術作品です。
もし飲食店でパフェをメニューにしているのであれば、盛り付けデザインのポイントを参考に、新しいパフェメニューを考えてみてはいかがでしょうか。
SNSで話題になれば、宣伝しなくとも集客力、売上アップへと繋がるでしょう。