話し上手だから資料は適当で良い…そう思っていると、プレゼンでは成功できません。
プレゼンにおいては、自らの提案をいかに相手に印象づけることができるか、また相手の心を動かすことができるかが成功のカギとなります。
そのためには、話し方だけではなく、直感で理解することができる資料を作ることが大切です。
今回は「見た目(デザイン)」の観点から、印象の残るプレゼン資料を作るコツをご紹介します。
目次
プレゼン資料は見た目(デザイン)が命
今回与えられたプレゼン時間は何分間でしょうか。
プレゼンは限られた時間内で、資料を使いながら説明するとともに、相手を理解させ、納得してもらわなければなりません。
文字ばかりが書かれた資料では、相手は限られた時間内に資料の文章を読みながら、話を聞くことになるため、話の内容の理解に時間がかかります。
そのため、こちらが望んでいる回答を得ることは難しくなるでしょう。
また、文字を読むのは嫌だという相手の場合、資料はおろか、最初からプレゼンも聞いてくれなくなるかもしれません。
プレゼンを成功させるためにはまず、相手に興味を持ってもらう「見た目」にすることが大切です。
そのためには図やグラフ、写真などを活用しながら、できるだけ短い文章で相手に訴えかける必要があります。
また力強いメッセージで大きく表示することも大切です。
こうして相手が興味をそそる「見た目」の良い資料を作ることで、それを見た相手の脳裏にインパクトのあるイメージが残るのです。
そのような資料を作るには、コツがあります。
配置位置やフォント、色や文字数などのコツさえわかれば、誰でも簡単にインパクトの残りやすい資料を作ることができるのです。
社内プレゼンと社外プレゼンでは資料の作り方が違う
社内プレゼンと社外プレゼンで、趣旨が異なるのはご存知でしょうか。
社内プレゼンの場合は、決裁者が身内です。
そのため、聞く姿勢を持ってプレゼンに臨んでくれることでしょう。
しかし社外プレゼンの場合では、決裁者が身内ではありません。
そのためプレゼン内容に興味を持ってもらえなかったり、相手の心を動かすことができなければ聞いてもらえない可能性があるのです。
したがって社内プレゼン資料の場合には、「ロジック+シンプル」を、社外プレゼン資料の場合には、「ロジック+シンプル+感情」を心掛けて作成することが必要です。
印象に残るプレゼン資料を作るコツ
いずれにしても、プレゼン資料を作るうえで大切なことは、見た目を整え、相手の脳裏にイメージが残る資料を作ることです。
そのためのコツがあるのをご存知でしょうか。
コツさえつかめることができれば、何度か作成していくうちに、資料作りにも慣れて、作成時間も短縮されることでしょう。
ここでは、印象に残るプレゼン資料を作る7つのコツをご紹介します。
① 社内と社外で枚数を変えよう
社内プレゼンと社外プレゼンとでは、用意すべきスライドの枚数が異なります。
一番伝えたいことを本編で表現し、本編には入りきらなかった根拠を示す情報は添付資料にまとめましょう。
社内プレゼンの場合
本編以外の表紙や目次、ブリッジスライドと呼ばれる本編の大きな流れを示すスライドを除いて5~9枚にまとめましょう。
本編をそれ以上にすると、途端に決裁者はプレゼン内容を理解することができなくなってしまうそうです。
これは、アメリカの認知心理学者であるジョージ・ミラーが提唱した「マジカル・ナンバー」に基づいています。
人間が瞬間的に記憶することができるのは「7±2」だとしており、この数値を超えてしまうと理解が難しくなってしまうのです。
社外プレゼンの場合
本編以外のスライドは30~50枚にまとめましょう。
社外プレゼンの場合には、相手の心を動かさなくてはなりません。
そのため、1枚のスライドにつき平均6秒で話し、スライドを流れるように展開させる必要があります。そのため枚数が多いのです。
またイントロダクションで映像やアニメーションを使い、相手に興味を抱いてもらうことも必要でしょう。
② 用途と場所によってスライドサイズを変えよう
プレゼン資料はパワーポイントで作成することが多いと思います。
パワーポイントの場合、スライドサイズは4:3と16:9の2種類あります。
そのプレゼンがどのような会場で行われるのか、紙の資料が必要なのかなどを考慮して、スライドサイズを使い分けることが必要です。
4:3の場合
パワーポイントのデフォルトのサイズです。
社内プレゼンの場合などの説明・提案資料にはこちらのサイズで作成しましょう。
このサイズには以下のメリットがあります。
- 印刷しやすい
- 会議室のプロジェクターに4:3対応が多い
- 見慣れているサイズ感
- 使いまわしがきく
16:9の場合
大きな会場での講演やセミナーの場合には、16:9のサイズが適しています。
あのYoutubeのサイズも16:9なんですよ。
主なメリットは以下のとおりです。
- 豊かな表現が可能
- 聴衆にインパクトを与えることが可能
- 余白が大きい
③ 1スライド=1グラフに
スライド枚数に制限があるからと、1スライドにたくさんの情報を入れることは禁物です。
パッと見て、考えなくても理解することができるグラフが理想といえるでしょう。
1スライドに複数のグラフを配置したり、棒グラフと折れ線グラフが重なったグラフを使用したりすると、理解するのに時間がかかるため、プレゼン資料としては適していません。
グラフ内の文字や破線などは、意味が通じるギリギリまでカットして、シンプルなグラフにすることが必要です。
④ キーメッセージは13文字以内に
キーメッセージとは、そのスライドで一番伝えたいメッセージのことをいいます。
色々と説明したいと思うと、どうしても文字ばかりのスライドになりがちです。
しかし、文字は相手に読ませるのではなく見せるものです。
人間がパッと見たときに、直感で文字とその内容が理解できるのは、13文字が上限だといいます。
この文字数は、キーメッセージだけではなく、タイトルにも同じことが言えます。
タイトルだけで、プレゼンの目的を伝えることができれば、相手も内容が理解しやすくなります。
文章を作るのはなく、各スライドにキャッチコピーをつけるといった感覚で、相手の心にインパクトを与える強い文言をキーメッセージとしましょう。
⑤ 使う色は3色以内で
「プレゼンなのだから、カラフルにした方が見やすいのではないか…」そう思っている方はとても多いです。
しかしカラフルにすると、何を強調したいのか、また何を伝えたいのかがわかりにくくなってしまいます。
例えば折れ線グラフの場合、全てをカラフルにするのではなく、一番伝えたいものだけに色を使うことで、重要なメッセージを際立たせる効果があります。
また、グラフや文字などにおいて、以下のように色の使い方のルールを決めておくことで、資料に統一感を出すことができます。
- ポジティブ要素の言葉 → 「青色」
- ネガティブ要素の言葉 → 「赤色」
会社によっては、コーポレートカラーを使用しなければならないこともあると思います。
もし上記の「青色」と「赤色」が使えない場合には、ポジティブ要素を暖色に、ネガティブ要素を寒色とするようにしましょう。
⑥ 色とフォントの使い方
前述でポジティブ要素とネガティブ要素の色の使い方を説明しましたが、文字の場合には表現によって色とフォントの組み合わせを変えるのもおすすめです。
プレゼン資料の場合、基本的に「ゴシック体」を使います。
一方、キーメッセージとグラフなどで使う文字に適したフォントは以下となります。
- キーメッセージ:HGP創英角ゴシックUB
- キーメッセージ以外:MSPゴシック
その中で、ネガティブ要素の情報のみ、「明朝体+赤字」で変化をつけることでインパクトをつけることができます。
- ネガティブ要素の文字全般:HGP明朝E(太字)
⑦ ビジュアルは左、メッセージは右に
プレゼンに説得力を持たせるためには、説得力のもととなるデータを効果的に使うことが大切です。
そのため、スライド内にグラフとメッセージを配置することが多いと思います。
この時、人間の右脳と左脳の働きを理解していると、相手の印象に残るスライドを作ることができます。
人間の脳は、右脳はビジュアル、左脳は文字情報を理解することに長けています。
左目から入る情報は右脳に、右目から入る情報は左脳に届くのです。
そのため、グラフなどのビジュアルは左に、メッセージは右に配置することで、脳内で情報の処理がスムースに行われ、印象に残るスライドとなります。
印象に残るプレゼン資料の作り方 まとめ
今回ご紹介した7つのコツを使うことで、パッとただけで理解し、印象に残る資料を作ることができます。
相手に印象づけられる資料ができれば、おのずとプレゼンに自信がわいてくるかもしれません。