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分かりやすい案内図の特徴って?押さえておきたいデザインのポイント

分かりやすい案内図の特徴って?押さえておきたいデザインのポイント

イベントのチラシや会社のホームページなどに記載する「案内図」は、いわば来訪者のガイド役。

できるだけ分かりやすい地図を用意して、来訪者がスムーズに目的地へ辿り着けるようにしたいですよね。

今回は、自分で案内図を作ってみようと考えている方に向けて、分かりやすい案内図のポイントについてまとめました。

もしプロに頼もうと考えている場合であっても、自分で「分かりやすい案内図のポイント」を理解しておけば、デザイナーさんとのコミュニケーションもグッと楽になりますよ。

ぜひ参考にしてみてください。

「分かりやすい地図」の基本を知ろう

案内図を作るうえで押さえたいのが、次の4つのポイントです。

  1. 北を上にしたデザインにする
  2. 来訪者の起点について考える
  3. 目的地は大きく、真ん中に!
  4. 不要な道を省きながら案内ルートを作る

各項目について詳しく見てみましょう。

1.北を上にしたデザインにする

一般的な地図と同じく、北の方位を上にして作成するのが分かりやすい地図のポイント。

理由は、「地図の上=北」という認識で地図を読む方が多いからです。

もし何らかの理由で方位をずらす場合は、必ず方位記号を記載するようにしましょう。

ちなみに、方位記号のデザインにも、線を結んだだけのもの、方位磁針のようなデザインのもの、地球を模したものなど、いろいろな種類があります。

フリー素材サイトなどでもデザイン例が見つかるので、参考に見てみるといいかもしれませんね。

2.来訪者の起点について考える

案内図を作る際には、来訪者のゴール地点となる「目的地」と、スタート地点となる「起点」を入れるのが基本です。

たとえば会社の案内図であれば、ゴール地点は会社で、スタート地点は最寄り駅やインターチェンジなどになります。

来訪者がどのような場所から目的地に向かうのかを洗い出したうえで、最も分かりやすい起点を探して地図に記載するようにしましょう。

一般的には最寄り駅がおすすめです。

また、ショッピングモールのフロアガイドなど、ゴール地点が見る人によって変わるものもあります。

このように複数のゴール地点を持つ地図の場合も、「起点」をしっかりと決めるのがポイント。

たとえば「現在地」という形で、地図を今見ている人の立ち位置をマーキングすれば、来訪者は今自分がどこにいて、これからどのような目印を頼りに進めばいいのかを把握しやすくなります。

なお来訪者が目的地に来る際に、バスや電車、車といった複数の交通機関を利用できる場合は、各交通機関ごとの案内図があると親切です。

3.目的地は大きく、真ん中に!

ゴール地点となる目的地のマークは、パッと見て自然と目に入ってくるような大きなものがベター。

位置は地図中央がおすすめです。

他にもこのような工夫をして、視認性をアップさせましょう。

    • 他の建物は白色で、目的地の建物だけを目立つ色で塗りつぶす
    • 目的地の建物だけ立体のデザインにする
    • 目的地が分かりにくい場所にある場合は、目印になりそうな看板などのマークも入れる

※実際の現地の写真をフキダシで入れる方法もあります。

このように視認性を上げる理由は、地図内の目的地が分かりにくいと「どこに行けばいいの?」と、来訪者を混乱させてしまうため。

「地図のゴール地点が分からない」という理由で来訪をやめてしまう人もいるので、できるだけ「ぱっと見てゴール地点や道順が分かる」デザインを心がけましょう。

4.不要な道を省きながら案内ルートを作る

案内図には、起点からゴール地点に至るまでの、実際に存在するすべての道を正確に記載する必要はありません。

特に来訪者が通る必要がない細道については、省いてしまうのがおすすめ。

余分な情報を消すことでスッキリとした見た目になり、来訪者にとって読みやすい地図になります。

余分な道の省き方としては、以下の方法があります。

1.参考にできる地図を用意

市販のロードマップやGoogleマップなど、参考元になる地図を用意します。

パソコンで作成する場合は、起点と目的地が入っているGoogleマップを開き、スクリーンショットを撮って参考にする方法が簡単でおすすめです。

2.起点から目的地までの案内ルートを考える

最寄り駅やインターチェンジといった起点から目的地までの案内ルートを考えます。

ポイントは「近道」ではなく、できるだけ「分かりやすい道」を選ぶこと。

具体的には国道沿いなど、現地の標識で現在地が分かる道がおすすめです。

参考に、土地勘のない人が「分かりにくい」と感じやすい道の例も記載します。

<地図の案内ルートに含めない方がよい道の例>

  • 車が通れないほど細い道
  • 入り組んだ地下通路など、迷いやすい道
  • 時間帯によって一方通行(通行止め)になる道

ただし、上記の道はいずれも「案内ルートの道の候補が他にもある場合のみ、避けた方がよい道」です。

案内ルートとして選べる道が他にない場合は記載して問題ありません。

案内図に記載する際に、「車は通れない」「時間帯によって一方通行になる」などのアナウンスをつけておくと親切です。

3.目印となる看板や建物をピックアップする

道選びと同じくらい慎重に行いたいのが、来訪者が曲がり角や現在地を把握する指針になる「目印」のチョイスです。

目立つ看板や建物を選ぶのが一般的ですが、他にも以下のポイントにも気をつけるとよいでしょう。

<選びたい目印例>

  • 当面なくならないと判断できる建物や場所(官公庁関連の建物や、公園、神社など)
  • 来訪者にとって馴染みのありそうな建物(大手のチェーンレストランやコンビニ)

逆にパチンコや風俗関連の建物などは、いくら分かりやすいといっても載せない方が賢明です。

目印として現地で探してもらうことになるものなので、「どんな人が見ても抵抗を感じない」「現地でもし誰かに聞くことになっても、口に出しやすい目印」にするとよいでしょう。

4.案内ルートと関係のない道を省く

駅などの起点、目的地、曲がり角の目安にある目印などをピックアップしたら、ルートと直接関係のない道を省きます。

たとえばルートと接していない分岐路や小道、踏切などは、不要な情報なのでカットしましょう。

起点、目的地、目印、地図に記載しない道筋などを整理したら、オフィスソフトや地図作成用のフリーソフトなどを使ってマップを作成します。

なお、地図にも著作権があるため、他サイトなどからの転載やトレース行為は著作権違反となる恐れがあります。

「Googleマップのスクリーンショットをトレースして案内図に仕上げる」などの行為も控えましょう。

 分かりやすい案内図の特徴って?押さえておきたいデザインのポイント まとめ

分かりやすい案内図作りのために大切なのは、以下4つのポイントです。

  1. 北を上にしたデザインにする
  2. 来訪者の起点とゴール地点を含めた地図にする
  3. 目的地は大きく、真ん中に!
  4. 案内ルートを作ったら、不要な道を省くこと

普段何気なく見ている地図にも、「見た人が迷いなく目的地に行けるように」という作り手の工夫が込められています。

上記の内容を参考に、ぜひ分かりやすい地図作りを心がけてみてくださいね。

なお、もし「やっぱり自分で作るのは難しいかも」と感じた場合は、プロに依頼するという手もあります。

「地図データ作成サービス」「地図デザイン作成」などのキーワードで検索すれば、インターネット上でも複数のサービスを閲覧可能です。

困った時は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。