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ビジネスに役立つ!文化庁の多彩なクリエイター支援に関する取り組み

ビジネスに役立つ!文化庁の多彩なクリエイター支援に関する取り組み

近年、クリエイティブ産業の発展が目覚ましく、国や地方が主体となって、クリエイター支援を積極的に行っています。

デザインのコト。では、「対面で仕事をすすめたい」とお考えの方のために、シリーズで国や地方が行っているクリエイター支援をご紹介しています。

今回は文化庁が行っている、多彩な取り組みをご紹介します。

取り組みを知ることで、ビジネスに役立てることができるだけではなく、新しいクリエイターとの出会いがあるかもしれません。

クリエイターに仕事を依頼したい方は、是非参考になさってください。

※情報は2019年10月15日時点のものです。

メディア芸術祭

メディア芸術祭は、文化庁が主催しており、平成9年度(1997年)から開催されています。

アートやエンターテインメント、アニメーションだけではなくマンガも含めた4部門で優れた作品を表彰し、受賞作の鑑賞機会を提供している芸術祭です。

日本国内だけではなく海外からも注目されており、第22回開催の際には世界102の国と地域から4,384点にのぼる作品の応募がありました。

4部門にはそれぞれ賞が設けられており、大賞には賞状とトロフィーの他、副賞として100万円が贈呈されます。

また、審査委員会によって功労賞が選出され、メディア芸術部門やに貢献をした方に対して賞状とトロフィーが贈呈されます。

応募のためには、応募者が作品の著作権を所有している必要があります。

代理の方が応募する際には、著作権者に承諾を得なければならないので注意してください。

メディア芸術祭

メディア芸術クリエイター育成支援事業

メディア芸術クリエイター育成支援事業は、文化庁メディア芸術祭の受賞作品や審査委員会推薦作品に選出された、国内クリエイターの創作活動を支援する目的で行われています。

商用作品・自主制作問わず、メディア芸術分野の新しい作品企画を対象としています。

育成支援は個人と団体に分かれており、育成支援(A)は個人で支援予算の上限が180万円、育成支援(B)は団体で支援予算の上限が500万円です。

制作支援金の支給だけではなく、レベルアップサポートや海外クリエイターとの交流など、多彩な支援を受けることができます。

応募資格は、35歳前後までの若手クリエイターで、文化庁メディア芸術祭において受賞歴があるか、推薦作品への選出歴がある個人や団体を対象としています。

また、日本国籍を有しているか永住資格を所有している必要があるので注意が必要です。

その他、企画を実現するにあたって、3回程度のアドバイザーとの面談、研修・交流プログラムへの参加、そして成果プレゼンテーションに参加する必要があります。

メディア芸術クリエイター育成支援事業

メディア芸術海外展開事業

メディア芸術祭では、優れたメディア芸術作品を海外に紹介するために、世界のメディア芸術関連フェスティバルや施設で、受賞作品等の展示や上映そしてプレゼンテーションを行っています。

そして、年間を通して企画展を複数回開催し、作家や専門家を現地に派遣することで、現地での交流機会を創出しています。

こうした活動を通して、国際的な「メディア芸術」に対する理解と評価の向上を目指しているだけではなく、文化庁メディア芸術祭のアピールと応募促進を図っているのです。

海外メディア芸術祭等参加事業は、2009年にスタートしました。

2017年度までで、世界31の国や地域で83ものフェスティバルや施設へ参加しています。

さらに2018年度には、14か国14のフェスティバルに参加した実績があります。

こうした積極的な海外展開によって、日本のメディア芸術の認知度や評価があがるだけではなく、クリエイターが注目を集めたり海外で活躍するきっかけづくりになったりすることもあるのです。

メディア芸術海外展開事業

JAPAN MEDIA FESTIVAL

メディア芸術に関する情報配信

文化庁では、メディア芸術に関する情報配信を積極的に行っています。

中でもクリエイター支援に役立っている取り組みを2つご紹介します。

メディア芸術カレントコンテンツ

メディア芸術カレントコンテンツは、平成23年10月に文化庁が運用を始めた、メディア芸術に関する多彩な情報を掲載しているサイトです。

ゲーム、メディアアート、マンガ、アニメーションなどを対象としており、コラムやインタビューの配信、フォトレポート、文化庁が主催しているプロジェクトの情報配信などを行っています。

HPではコラムやイベントレポートだけではなく、開催予定のメディア関連イベントなども紹介されています。

メディアに携わるクリエイターだけではなく、発注者も注目したいコンテンツが豊富です。

ピクセルアートの美学 第1回 ピクセルアートとは何か」のように、技術的な解説を行っているコンテンツもあり読みごたえがあります。

メディア芸術カレントコンテンツ

メディア芸術データベース 開発版

平成22年度から5年間にわたって、文化庁では「メディア芸術デジタルアーカイブ事業」を行いました。

日本国内で想像されてきたメディア芸術作品の情報や所蔵情報の調査、そして作品のデジタル化に際する事例の検証などがなされ、「メディア芸術データベース(開発版)」が公開されました。

メディア芸術データベース(開発版)では、「マンガ」「アニメーション」「ゲーム」「メディアアート」の4つの部門で、作品の情報を検索することができます。

メディア芸術データベース 開発版

マンガ

「単行本」と「雑誌」が掲載されており、明治初期から2016年12月までに発刊された作品の情報が登録されています。

「作品名」「雑誌名」「著者名」「単行本・雑誌・資料」などをフリーワードで入力し検索できます。

部分一致での検索が可能なので、タイトルが正確にわからない作品や著者名でも検出が可能です。

アニメーション

1917年から2016年9月までに発表された作品の情報を閲覧することができます。

作品の検索はフリーワードで、「タイトル」「監督」「制作・製作」から作品を探せます。

検索キーワードを入れて結果を表示した後、キャストや開始年月、そして分数などで絞り込みが可能です。

TVだけではなく、劇場版やOVAなどにも対応しており、個人制作の作品も探すことができます。

ゲーム

「家庭用ビデオゲーム」「アーケードゲーム」「PCゲーム」の3分野の作品情報が登録されています。

家庭用ビデオゲームは、2016年12月までに発売されたものが対象です。

アーケードゲームは、1972年から2016年までの作品を対象としており、PCゲームはパーソナルコンピューター「PC-8801」対応ソフトが対象です。

ゲームタイトルをフリーワードで検索することができるほか、詳細検索や年表形式一覧表示があるので便利です。

メディアアート

メディアアート関連の展覧会・イベントで、1951年から2016年に開催されたものが登録されています。

フリーワードによる検索だけではなく、開催期間や作品・人物名などで絞り込み検索をすることができます。

催事の内容や催事印刷物、そして文献情報なども登録されており、特定のクリエイターの情報を検索したい場合にも便利です。

ビジネスに役立つ!文化庁の多彩なクリエイター支援に関する取り組み まとめ

ご紹介したように、文化庁ではメディア芸術を積極的に支援しています。

他にもたくさんの施策や事業を行っており、国内だけではなく海外でも積極的な活動を行っています。

日本のメディア芸術やクリエイターの評価が国内外で高まっているのは、こうした国によるバックアップの力もあるかもしれませんね。

今後も多彩な取り組みが行われる予定である、クリエイターにとってより良い環境が整っていくといえそうです。

素敵なクリエイターとの出会いのためにも、是非文化庁の取り組みをご活用ください。

イベントや支援策、クリエイターとの交流機会の創出など、注目したい事業がみつかります。