国や自治体が中心となって、クリエイティブ産業に対する支援を積極的に行っているのをご存知ですか。
デザインのコト。では、「対面でのコミュニケーションを大切にしたい」というご要望にお応えすべく、自治体のクリエイター支援策をシリーズでご紹介しています。
今回は、大分県の取り組みに触れていきます。
デザイナーとのマッチング制度や依頼相談などもありますので、大分でクリエイターを探している企業の方はぜひ御覧ください。
※情報は2019年10月24日時点のものです。
目次
おおいたデザイン・エイド2019
大分県では「第2次大分市商工業振興計画」の中で、クリエイティブ産業を成長産業のひとつに位置付け、2018年度にクリエイティブ産業育成事業「おおいたデザイン・エイド」をスタートしました。
初年度には、「クリエイティブ産業の裾野の拡大」や、「市内クリエイターの育成」を目標に、講演会とパッケージデザインコンテストを開催しています。
クリエイターと企業を結びつけ、既存の枠に捉われない新しい価値の創造を目指しています。
おおいたデザイン・エイド2019 クリエイティブセミナー
おおいたデザイン・エイド2019の一環として、8月と9月にクリエイティブセミナーが開催されました。
対象者は「デザインとビジネスに興味のある方」で、参加費用は無料です。
8月に行われた第2回クリエイティブセミナーでは、「デザインのチカラ」と題し、東北で活動をしている企業「akaoni」の代表取締役を講師に迎え、デザインのチカラやデザインができること・できないことについての講談がありました。
9月に行われた第3回クリエイティブセミナー「次を継ぐ -地域でデザインを生業にするということ-」では、福井県鯖江市で活動をしている企業「TSUGI」の代表を講師に迎え、地域でデザインを仕事にすることの大切さを、具体的な事例を踏まえて学べるなど、多様な機会の創出を行っています。
おおいたデザイン・エイド2019 パッケージデザインコンテスト
市があらかじめ市内企業から公募した商品に対して、パッケージデザインを募集する「おおいたデザイン・エイド2019 パッケージデザインコンテスト」。
応募された作品の中から、特に優秀な作品を表彰するだけではなく、企業と応募者をマッチングして商品化を目指す、ビジネスマッチング要素を含むコンテストです。
応募資格は、大分県内に居住もしくは通勤・通学している高校生以上の方です。
県内で事業を営んでいる方等を含む学生の方については、原則一次審査までとし、別途学生賞を設けています。
また、「一次審査通過後に、課題を提供した企業と一緒に作品の改良を行って、二次審査で共同発表ができること」も応募資格のひとつです。
1名(1グループ)につき2課題までの制作が認められています。
応募する作品は、次の要件をすべて満たしている必要があります。
・商品化を前提としており、実現性を考慮したデザイン
・商品の販売促進やブランド化に寄与するデザイン
・課題提供企業の意向を踏まえたデザイン
一次審査通過作品の中から3作品を表彰し、学生作品の中で優秀な5作品を表彰しています。
最優秀賞は、クリエイターに対して賞金30万円、課題提供企業に対して賞金10万円が贈られます。
おおいたデザイン・エイド2019 パッケージデザインコンテスト
CREATIVE PLATFORM OITA
大分のクリエイティブな事例や情報を発信しているサイトです。
企画・運営を特定非営利活動法人BEPPUPROJECTが、大分県からの委託を受けて担っています。
おおいたクリエイティブ実践カレッジ
大分県が主催し、企画運営を株式会社Barbara Poolが担当している、クリエイター向けの実践講座です。
地元企業 × 地元クリエイターの相互作用により、新しいイノベーションの創出を目指しています。
地元クリエイターを対象としており、原則として20歳以上であれば、デザイナーだけではなくライターや建築家など、ジャンルを問わずに受講できます。
また、受講時点でクリエイティブな職に就いている方だけではなく、クリエイターを目指し大学などで学んでいる学生も参加することができます。
2019年に行われる第3期の講義は全6回を予定しており、受講費用は無料です。
講義を通してクリエイティブの本質を学ぶことができます。
また、地元企業と協働でクリエイティブの活用を模索する「共創プラットフォーム」としての顔も持っています。
講義では、大分県にたくさんいるクリエイターの力を、地元企業の課題解決にいかすとともに、知識と経験を身につけられるように配慮。
また、経験を積むだけではなく、おおいたクリエイティブ実践カレッジで得たつながりを通して、ビジネスチャンスに繋げていくことも意図しています。
そのため、実践的な講義を通して地元企業と交流できるよう工夫されています。
クリエイティブ相談室
クリエイティブの力を活用して、課題を解決したり、商品やサービスの販路拡大を目指したい企業に対して、相談対応をしています。
相談にかかる費用は無料で、相談員がヒアリングを行いマッチするクリエイティブ人材を提案してくれます。
相談の利用は、大分県内に本社がある中小企業等を対象としていますが、大分県内で事業を行っている者に限るので注意が必要です。
大企業や大分県外に本社がある中小企業などの相談にも対応していますが、クリエイティブ人材の顔合わせや打ち合わせなどにかかる旅費や謝金は、相談者の負担になります。
大分県内に本社がある中小企業等であれば、クリエイティブ人材にかかる旅費及び謝金は相談室で負担してくれます。
データベース(クリエイティブ人材検索)
大分だけではなく、全国各地で活躍しているクリエイティブ人材を検索することができます。
カテゴリー検索では、エリアや分野で絞り込みができるほか、フリーワード検索にも対応。
その際には、エリアと分野両方をチェックする必要があるので注意してください。
個別ページでは、クリエイターデータやプロフィールが紹介されています。
また、電話やメールなどの連絡先が記載されているので、気になるクリエイターに直接連絡を取ることができます。
大分県デザイナー協会
1989年に設立された団体で、展示会を通してデザインの啓もうや普及活動を行ったり、デザイン新興産業への参加と支援事業を行ったりと、幅広く活動しています。
会員への依頼相談
特定の会員に依頼をする場合には、「会員紹介」ページから直接依頼をすることができます。
しかし、ロゴコンペや商品開発などを、大分県デザイナー協会に依頼したい場合には、電話もしくはメールフォームから問い合わせが可能です。
例えばコンペを開催したい場合には、事務局がヒアリングを行い、納期や見積もりを決めた後、協会員が制作します。
そして審査会を開いて、上位作品を選出した後、最終的に採用作品を選定して納品します。
「どんなデザイナーに依頼したら良いか分からない」「コンペを開催したいけれどもノウハウがない」という方にピッタリです。
デザイン依頼別検索
グラフィックデザイン・イラストや、紙媒体デザイン、写真・映像・CGだけではなく、WEB・システム・アプリまで。
多彩なデザイナーを検索することができます。
個別ページには、プロフィールや実績が掲載されており、電話やメールが掲載されているので、直接連絡を取ることができます。
自社に合ったデザイナーにも出会える!大分県のクリエイティブ支援の取り組みを紹介【2019年】 まとめ
大分県では、2018年から「おおいたデザイン・エイド」をスタートし、多彩な取り組みを行っています。
クリエイターに依頼をしたい企業に対するバックアップも行っており、「クリエイティブの力を活用したい」とお考えの方に嬉しい環境といえます。
皆さんもぜひ、大分県のクリエイターに注目してみてください。
素敵な出会いがあるかもしれません。