デザイナー

新型コロナウイルスに対するクリエイター支援~自治体編~

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、自治体がクリエイター支援を表明しています。

そこで今回は、クリエイターに特化してどんな支援があるのかをまとめてみました。

クリエイターの方にとっては、単に活動支援を受けることができるだけではなく、クリエイティブ活動に理解があり、積極的な支援を行っている自治体を見つけるチャンスです。

活動の軸を置く場所の参考にもなりますので、ぜひご一読ください。

※情報は2020年5月3日時点のものです。最新の情報は各自治体のHPにてご確認ください。

【福島県福島市】フリーランスデザイナー募集(募集終了)

福島県福島市では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けるフリーランスのデザイナーに対して、地元事業者の商品開発等の指導をしてもらう事業を立ちあげました。

対象は全国のフリーランスデザイナーで、報酬は1人につき10万円、募集は2020年4月15日まで行われ、20人程度が採用される予定です。

すでに募集は終了していますが、記事が配信されたのが2020年4月1日です。

情報ポータルサイトを見る限り、緊急事態宣言が出る前に迅速な対応を行い支援を発表したのは、自治体の中でも福島県福島市が最初もしくは非常に早い段階でした。

緊急事態宣言から約1ヶ月が経ち、他の自治体も追随する動きが見られますが、こうして迅速な対応を見せてくれる自治体は、クリエイターにとって活動しやすい環境と言えるのではないでしょうか。

参考:求む! フリーランスの力 商品開発を指導、報酬10万円 福島市

【神奈川県横浜市】クリエイター支援

神奈川県横浜市は、長年に渡ってクリエイティブに関する息の長い支援を行ってきた自治体のひとつです。

クリエイターが注目したい取り組みが2つあったのでご紹介します。

約3億円の補正予算でクリエイターをバックアップ

横浜市は、新型コロナ対策に5,743億円(事業規模では7,694億円)の補正予算を組み、3つの柱で支援を行っていくことを2020年4月28日に表明しました。

3つの柱の中にある「企業・事業活動の支援」に文化芸術支援も含まれています。

・市内のアーティスト等の文化芸術活動緊急支援事業(2億1,500万円)

・バーチャル版芸術フェスティバル事業(9,000万円)

・アーティスト・クリエーター等へのワンストップ相談対応事業(1,000万円)

参考:新型コロナウイルス感染症「くらし・経済対策」について – 横浜市

上記3つでアーティストやクリエイターをバックアップしていきます。

特筆すべきは、助成額30万円~70万円、想定件数550件にのぼる「市内のアーティスト等の文化芸術活動緊急支援事業」と「アーティスト・クリエーター等へのワンストップ相談対応事業」です。

規模の大きな支援を行うだけではなく、増加する事業損失などに関する専門家相談を実施することで、活動を継続していくことができるように配慮されています。

横浜市「新型コロナウイルス感染症 くらし・経済対策」

アーツコミッション・ヨコハマクリエイター助成(2020年度は募集終了)

クリエイターに出会おう!神奈川県横浜市「横浜市クリエイターズデータベース」~自治体によるクリエイター支援シリーズ~でご紹介した、アーツコミッション・ヨコハマ。

公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が手掛けている事業で、幅広いクリエイティブを対象に多彩なバックアップをしています。

本年も例年通り募集が行われましたが、新型コロナウイルスの影響を鑑みて、「クリエーターのための事務所等開設支援助成」以外の3つの助成は前払いが可能になりました。

助成申請額の最大80%を前払いすることで、クリエイターやアーティストの活動を支援しています。

既存の支援に柔軟性を持たせてくれるのは嬉しいポイントですね。

既に募集は終了していますが、毎年募集が行われていますので、興味をお持ちの方は来年度応募してみてください。

「アーツコミッション・ヨコハマ」2020年度クリエーター助成案件を募集

【金沢市】芸術文化振興緊急奨励事業費

芸術文化団体や実演家が実施する芸術文化事業の振興・発信強化をバックアップするために、奨励金の交付を行います。

申込受付期間:2020年5月11日(月)~7月31日(金)

交付金額:①団体 50万円以内(1団体につき1回限り)

②グループ 10万円以内(1グループにつき1回限り)

個人・団体を対象としており、細かい規定があります。

申請前に必ず一般財団法人石川県芸術文化協会への相談が必要なので注意してくださいね。

興味をお持ちの方は、以下のサイトで詳細をご確認ください。

金沢市芸術文化振興緊急奨励事業

【京都市】文化芸術活動緊急奨励金(募集終了)

京都市では、令和2年4月市会に提案した補正予算(50,000千円)において「文化芸術活動緊急奨励金」を実施します。

「文化芸術基本法第8条から第12条に列挙された分野」を対象としており、京都市内にお住いの方もしくは活動拠点がある方等の規定があります。

表現部門とマネジメント・技術部門が、対象となる活動に挙げられています。

150件~200件程度の奨励件数を見込んでおり、申請1件につき定額30万円(上限)を奨励金として支給を受けることができます。

募集期間は令和2年5月7日(木曜日)~5月17日(日曜日)までです。

応募は終了していますが、今後も続報があるかもしれませんので、今後も定期的にチェックしてみるのが良いかもしれません。

【広報資料】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う京都市文化芸術活動緊急奨励金の創設について

【東京都】芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」

新型コロナウイルス感染症拡大防止の取り組みの一環として、芸術文化関係のイベントや展覧会そして公演が中止もしくは延期を余儀なくされています。

そこで東京都では、「アートにエールを!東京プロジェクト」を立ちあげ、プロジェクトを通じてアーティストやクリエイター、そして制作スタッフなどの創作活動の支援を行うことを発表しました。

事業概要

・プロとして芸術文化活動に携わるアーティスト、クリエイター、スタッフの方々から、自由な発想を基にした動画作品を募集し、専用サイトで配信します。

・動画作品を制作した方々には、出演料相当として一人当たり10万円(税込)を支払います(1作品につき上限100万)。

引用元:東京都「アートにエールを!東京プロジェクト」

都内居住者だけではなく、都内を主に活動拠点にしている方も対象で、過去1年以上継続してプロフェッショナルとして芸術文化活動を行っている必要があります。

募集要項」が公開されていますので、興味をお持ちの方はぜひこちらも併せてご一読ください。

個人登録は2020年5月15日(金)に開設した専用サイトで受付を行っていましたが、その日のうちに予定を超える申し込みがあったため、一旦終了となっています。

今後の対応については改めて『芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」』ページ内に掲載される予定ですので、ぜひ定期的にチェックしてみてください。

【長野県】頑張るアーティスト応援事業

長野県「令和2年度4月補正予算案のポイント」によると、文化イベントなどの開催自粛に伴って、発表機会を失ってしまったアーティストの作品創作などを支援するために、1,230万円の予算が計上されています。

補助の対象者は、長野県在住だけではなく長野県にゆかりのあるアーティストや団体です。

対象となる経費は「インターネット上で閲覧可能な作品創作費」で、補助率は「10/10以内」と定められています。

「長野県にゆかりのある方」という対象範囲が魅力ですね。

長野県にお住いの方や活動の軸を置いている方は今後の動向に注目です。

【愛知県】愛知県文化芸術活動応援金

愛知県は2020年5月1日に、「愛知県文化芸術活動応援金について」という文書を発表しました。

愛知県の文化芸術活動関係者支援のために、「文化振興基金」を活用して寄附を募り、応援金の交付をします。

交付金額は個人事業者10万円、法人は20万円です。

対象要件は国の「持続化給付金」が支給される愛知県内の文化芸術関係の方で、申請手続きなどは現在検討中です。

併せて寄附金の受け付けも行っていますので、クリエイター支援をお考えのクライアント企業の方はぜひ寄附をご検討なさってください。

【鳥取県】アートの灯を守る!とっとりアート支援事業補助金

鳥取県では、「アートの灯を守る!とっとりアート支援事業補助金」をスタートしました。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のための無観客公演や展示等の映像配信にかかる経費を支援します。

いずれも補助率は10/10で、上限は50万円です。

機材賃借型

県内に軸を置く文化芸術団体等が対象で、県内における活動実績が必要です。

無観客公演や展示などの映像配信を行うための経費が対象になります。

申請期間は2020年4月27日~2021年2月26日までです。

機材導入型

県内に本拠を置くライブハウスやギャラリーなどの運営者で、活動(営業)実績が6ヶ月以上ある方を対象にしています。

無観客公演等の映像配信を行うための経費が対象で、機材を使用し2020年度中に県民に広く公開した形で、3回以上の映像配信が必要です。

申請期間は2020年4月27日~2020年5月20日までです。

新型コロナウイルスに対するクリエイター支援~自治体編~ まとめ

緊急事態宣言の延長が検討される中で、今後も多くの自治体が多彩な支援を表明していくことでしょう。デザインのコト。では、引き続きこれらの情報をご紹介していきます。

支援を活用して、辛い時期を乗り越えていきましょう!