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価格でロゴマークを選んではいけないたった1つの理由

ロゴマークの価格は千差万別です。

そのため「高いほうが安心」と考えている方も多いかもしれません。

しかし、それは大きな間違い。

ロゴマークは決して価格で選んではいけません。

今回はロゴマークを価格で選んではいけない理由とともに、依頼時に本当に着目すべきポイントをご紹介します。

ロゴマークの価値は費用に比例しない

世間で評価されていたり、よく知られていたりするロゴマークは、必ずしも高い制作費で作られているものばかりではありません。

例えば世界的に有名なスポーツメーカー「ナイキ」のロゴマークは、わずか35ドルだったことが知られています。

これは2019年7月23日時点の相場でも3,700円、当時だと2,700円ほどの値段です。

「ロゴマーク製作の価格が下がっている」と言われる今の時代でも、この値段で受けるデザイナーはなかなかいないでしょう。

また日本人利用者の多いツイッターのロゴは、なんと6ドル以下で手に入れたそうです。

このロゴは「iStockphoto」というクラウドソーシングサービスを介してツイッター社が購入したもので、実際にシステム上で支払ったのは10〜15ドルとのこと。

実際は、ここからシステム利用料などが差し引かれるため、デザイナーの手元に残るのは2〜6ドルなのだそうです。

こうした事例を見ても、ロゴマークの価格と実際の価値は比例しないことがおわかり頂けると思います。

その点を踏まえて、改めてロゴマークを価格で選んではいけない理由について考えてみましょう。

ロゴの価値は「見るものに企業の思いを伝えられるかどうか」

ロゴマークに与えられた役割、それは「直感的に会社のイメージを伝える」ことです。

これは残念ながら、値段で推し量ることができません。

たとえ安価でも、見るものに企業の価値や思いをしっかり伝えられるなら、素晴らしい価値を持ったロゴマークと言えるでしょう。

一方、どんなに高くても、何を伝えたいのかよく分からなかったり、本来伝えたいものとは違うメッセージを見るものに送ってしまうロゴマークもあります。

ロゴはユーザーとのコミュニケーションが大切

失敗事例としてよく挙げられるのがGAPのロゴマークです。

2010年に満を持して新しいロゴを発表したものの、ユーザーから受け入れられず、わずか6日間でリニューアル前のものに戻したという事件は、デザイナーの中ではよく知られています。

このロゴマークデザイナーに支払われた金額はわかりませんが、ある情報では、一連の対応に100億円以上かかったという話も。

GAPにとっては手痛い失敗と言えるでしょう。

しかし、見慣れたロゴマークが変われば、ある程度反対意見が出ることも考えられたはずです。

なぜGAPは継続して使用しなかったのでしょうか。

それはもしかすると、新しいロゴマークに企業からのメッセージやユーザーへの思いがこもっていなかったと、経営陣が判断したからかもしれません。

伝えたい思いやメッセージが込められているならば、急いで撤回せずに、ユーザーとコミュニケーションを取りながら解決できたかもしれません。

急な撤回劇は、それがないことの裏付けと言えるのではないでしょうか。

ロゴの価値を決めるのは「社外の人」

先程ご紹介したGAPやナイキ、ツイッターの事例から見ても分かる通り、ロゴマークの価値を決めるのは経営陣でもデザイナーでもなく、ユーザーです。

ユーザーにとって、ロゴマークに企業がいくら掛けたのかは問題ではありません。

彼らにとって大切なのは、ロゴを通して感じるイメージやメッセージです。

この会社は何を伝えたいのか、私たちにどんなことを提供してくれるのか、他社とどう違うのか…

こうしたメッセージを分かりやすく直感的に伝えるのが、ロゴに託された大きな役割だと言えます。

だからこそ、その役割を購入価格で推し量るのは難しいのです。

ロゴ作成の際に価格以上にチェックすべき点

こうした点を踏まえて、ロゴマーク作成を依頼する際には必ず「しっかり企業の思いをヒアリングしてくれるか」という点を確認しておいたほうがいいでしょう。

ロゴマーク作成の方法は、いまや千差万別です。

クラウドソーシングサービスはもちろん、すでに出来上がっているロゴマークを購入できるサイトも存在します。

こうしたサービスを利用することは、決して悪いことではありません。

しかし、利用の際には企業の思いをしっかり盛り込んでもらう必要があります。

コミュニケーションを取る中で、デザイナーやデザイン会社との意思疎通が計れなかったり、こちらの意図をうまく組み込んでもらえなかったりする場合もあるかもしれません。

そう感じた時は、一度デザイナーやデザイン会社にその旨を率直に伝えてみましょう。

それでも改善が見られない場合は、デザイナーやデザイン会社の変更も視野に入れたほうがいいかもしれません。

価格でロゴマークを選んではいけないたった1つの理由 まとめ

ロゴマークの役割は「企業のメッセージやユーザーへの思いを直感的に伝えること」にあります。

これは残念ながら、購入価格に比例しません。

ロゴマーク作成を検討中の方は、「高いものはいい」という概念を捨てて、デザイナーやデザイン会社とコミュニケーションを取りながら、ユーザーにしっかりメッセージを伝えられるデザインを追求してみてください。

きっと素敵なロゴマークができるはずです。