人と人との憩いの場である公園。
しかし、緑があるだけで子どもが遊べる遊具がない公園も少なくありません。
思いっきり子どもたちに遊んで欲しいという思いを持っている大人も多いのではないでしょうか。
今回は、遊ぶことの楽しさや遊具に求められるポイントとともに、子どもでなくても「こんな遊具で遊んでみたい!」と思ってしまう海外メーカーの遊具デザインをご紹介します。
目次
「遊ぶ」ことの大切さ
昨今、子どもの「遊び」はオンラインゲームが主流なのかもしれません。
しかし、子どもであるからこそ、公園や屋内のキッズルームで目いっぱい遊んで欲しいと思いませんか?
遊具を使って遊ぶことが、子どもにとって大切なのです。
ではなぜ、遊具で遊ぶことが大切なのか、その理由を解説していきましょう。
体力アップ
文部科学省「子どもの体力向上のための総合的な方策について」のデータ結果によると、現在の子どもの運動能力や体力は、親世代に比べて落ちていることが証明されています。
外遊びをする公園が減ってしまったこと、塾や習い事に忙しく一緒に遊ぶ友達が減ってしまったこと、そしてSNSやオンラインゲームなどの自宅遊びが増えてしまったことが原因です。
最近ではアスレチック気分が楽しめる遊具もあります。
遊具で遊んでいるうちにバランス感覚を養うことができ、さらには運動能力や体力までアップすることができるのです。
自分で考える力がアップ
遊具には子どもが読むような取扱い説明書はありません。
子どもは見よう見まねで遊具の使い方を考え、失敗を繰り返しながら遊んでいくのです。
どこに手を置くべきか、どこに足を掛ければ良いか、どこをつかまなければ落ちてしまうのか…などを遊びながら考えて行動をしています。
また、自分よりも小さな子どもが間違った使い方で危険だと感じた場合には、注意をしたり優しく教えてあげることもあるでしょう。
大人が言わなくても、遊んでいるうちに、自分で考えて行動することができるようになるのです。
チャレンジ力アップ
すべり台で遊ぶ時に、最初は子どもだけではハシゴを登れず、すべり台を下りる時も大人と一緒に下りていたのに、慣れてくるとハシゴもすべり台も一人でできるようになります。
一つのことができた達成感から、鉄棒やブランコ、ジャングルジムなど、まだ遊んだことがない遊具にも興味を持ち始め、失敗したり、痛い思いをしながらも、大人の手を借りずにできるようになるのです。
遊びは危険を伴います。
遊具で遊ぶことで、危険回避をしながら、その危険に挑戦することが楽しさに繋がるのです。
コミュニケーション力アップ
公園や屋内のキッズルームでは、はじめは子どもが一人だったとしても、時間が経つごとに集まってきます。
友達同士で一緒に遊ぶこともありますが、初めて会った子ども同士で一緒に遊具で遊ばなければいけないシチュエーションも多くあるのです。
遊具を独り占めせずに、譲り合いながら一緒に遊ぶことで、他人とのコミュニケーション力がアップするのです。
自宅でSNSやオンラインゲームをしているだけでは、遊具で遊ぶのと同じように体感することはできないでしょう。
遊具に求められるものとは
子どもは「遊ぶ」ことが仕事です。
そして、「遊ぶ」ことで、子ども自らが「生きる力」を付けています。
子どもが遊具で楽しく遊ぶために必要なことは何でしょうか。
子どもを持つ親なら、なおさらだと思います。
遊具に求められるものは次の4点です。
安全性が高いもの
子どもが「遊び」に使うものだからこそ、安全性が第一です。
遊具を舐めてしまっても大丈夫か、遊具に使われている部品が壊れているところはないか、安全性に問題がないのかが重要です。
想像力をかきたてるもの
子どもは同じおもちゃでばかり遊んでいると飽きてしまいます。
新しいものに興味を示して、チャレンジしたくなるでしょう。
遊具には、「どうやって遊ぶのかな」「これをこうするとどうなるのかな」などと想像力をかきたてるようなワクワク感が求められています。
感受性を高められるもの
子どもの感性を育てるためには、小さな頃から感受性を高められるものを見たり、聞いたり、感じたりすることが大切です。
美しい音楽を聴くとか、こころに響く色彩やデザインを感じることで感受性を高めることができます。
デザイン性の高い遊具であることが求められているのです。
「遊び」の価値があるもの
子どもはつまらないと思った遊具には、手を出しません。
「やってみたい」「遊んでみたい」と自発的に行動に起こすことが、子ども自身を成長させます。
自発的な行動を起こさせるような価値のある遊具が求められているといえるでしょう。
子どもが興味を持つ形
子どもが興味を示してもらうためには、子どもが好きな形を使うことが大切なポイントです。
誕生して1歳になるまでは、丸いもの以外は輪郭を判断することができません。
そのため、乳児用の遊具には丸いフォルムのものが良いでしょう。
幼児へと成長してくると、動物や自動車、電車などの乗り物にも興味が出てきます。
子どもの年齢に合った形を理解することも大切なポイントの一つです。
参考にしたい海外メーカーの遊具デザイン
日本にも数多くの遊具メーカーがありますが、海外メーカーのデザインには国内メーカーにはない斬新でユニークなデザインの遊具が豊富です。
特にヨーロッパでは「子どもは遊ばないと成長できない」という考え方があるため、子ども目線で作られた遊具がたくさんあります。
では、大人であっても遊んでみたいデザインの遊具をご紹介します。
MONSTRUM
デンマークの遊具メーカー「MONSTRUM」は、動物をモチーフとした遊具がたくさんあります。
もし子どもから「巨大なクマが図書館に!早く助けて!」と言われたらどうしますか?
もし遊具だということを知らずに、子どもが慌てて言ってきたら、大人でも腰が抜けてしまうのではないでしょうか。
巨大なクマの遊具に入ると、丸太のすべり台があったり、よじ登れる台があったりと、子どもが身体全体を使って想像力を育めてくれます。
HAGS
スウェーデンの公園施設メーカーの「HAGS」は「人が豊かに生活をするためには何が必要か」「子どもたちが安全に、かつ楽しく遊べるのはどのようなものか」を真剣に考え、追求しています。
子どもだけではなく、子どもと一緒に遊ぶ大人にも安心・安全で、遊び心のある遊具を作っています。
この2人用ブランコ。
日本で見かけたことはありますか?
ブランコは1人で乗るもの。
自転車のようにブランコの2人乗りはいけませんと小さな頃、親から注意されたことはありませんか?
2人で楽しめる、このブランコは小さな子どもと一緒に遊びたい親たちも楽しませてくれる遊具です。
SIK-Holz
ドイツの遊具メーカー「SIK-Holz」は天然木の形状を活かした遊具を作っています。
2つとして同じもののない自然の造形を、そのままデザインに活かしています。
遊具を作る時に出た廃材も100%再利用されているこだわりぶり。
環境にも子どもにも優しい遊具メーカーです。
子どもは動くものに興味があります。
特に男児は自動車に興味を持ち、いつか自分でも運転したいと思っているかもしれません。
そんな男児の希望が叶うのが、この遊具。
車に乗って、身体を動かすと、車の下にあるバネの力で上下左右と動きます。
バランスを取りながら、運転している自分を想像して楽しむ遊具です。
こんな遊具で遊びたい!海外メーカーの遊具デザイン まとめ
最近では海外メーカーの遊具も国内の公園や屋内のキッズルームでも見かけられるようになりました。
日本の遊具にはない色使いや形などのデザインは、遊具以外でも参考となる点が多いのではないでしょうか。
子ども向けの商品を考える時に参考にしていただければ幸いです。