せっかくロゴマークを作るなら、できるだけベストだと思えるようなものを作りたいですよね。
しかし、ロゴの良し悪しを判断するのは素人ではなかなか難しいもの。
担当者の好みや上司の一存で決まってしまうことがあるのはそのためかもしれません。
実は、一般的に素晴らしいといわれるロゴマークには、いくつかの共通点があります。
そこで今回は、これらの共通点を6つの項目にまとめ、デザイナーおよびマーケティングの視点から「最高」といえるロゴマークとはなにかについて紹介します。
目次
1.会社名やサービスが連想できる
ロゴマークは「会社や商品の持つメッセージを、抽象的に相手に伝えるためのもの」です。
そのため会社や商品の顔としての役割を果たしています。
つまり、ロゴマークをひと目見ただけで「どんな会社・商品なのか」「使用することでどんな効果があるのか、どんなサービスなのか」を連想させるものでなくてはなりません。
もちろん、会社やサービスの内容についてユーザーが理解している必要はありますが、なんとなくでも「どんな会社・商品なのか」をつかめるようなロゴマークであることが重要です。
社内にいると気づかないこともあるので、客観的にみてどう感じるかどうかという目線で確認してみましょう。
2.普遍性がある
ロゴマークにおける普遍性とは「誰が見ても同じものを連想すること」を指します。
例えば黄色で書かれたMのマークを見ると、皆さんは何を連想しますか。
多くの人が有名なハンバーガーチェーン店を思い浮かべるのではないでしょうか。
このように、誰が見ても同じ会社、または商品のことを連想できるかどうかというのは、ロゴマークにおいて重要なポイントです。
普遍性がないと、ロゴマークをみて一つの会社やサービスを連想するのが難しくなります。
もし作成段階のロゴマークを見て、他社のサービスや全く関係のない製品を思い浮かべてしまったら、それは普遍性に欠けるものといってよいでしょう。
5.誰でも扱える
普遍性を保つためには、ロゴマーク自体の独自性はもちろん、縦横比を変えずにリサイズする、背景に合わせた使い方を決めておくなど、使用の際にも注意が必要です。
そのため、誰が扱っても同じ印象を与えられるよう、ロゴガイドラインを用意しておくようにしましょう。
ロゴガイドラインとは、ロゴマークの取扱説明書のようなものです。
縦横比やどの背景にはどの色を使う、一部だけを切り取って使わないなど、ロゴに普遍性を持たせるためのルールが書かれています。
これはロゴマークを作ったデザイナーが一緒に作成するというのが一般的です。
ロゴマークの見積もりの中に事前に含んでくれているデザイナーもいますが、作成は別料金になっている人や、そもそも作成しないという人もいます。
たとえ別料金になっても、ロゴマークに普遍性がなければ、本来期待していたような効果が期待できなくなることもあります。
場合によっては「会社としてロゴマークの扱いがぞんざいだ」という認識を持たれてしまう可能性も。
特に社員数が多いなど、ロゴマークを扱う人が多数の場合は用意しておいたほうが良いでしょう。
4.独自性がある
「どこかで見たようなロゴマーク」というのは、あまり印象に残らないばかりか、「○○のパクリだ」と言われてしまう恐れがあります。
そのためロゴマークには独自性が必要です。
もちろん、コンセプトや状況によってはあえて似せる場合もあるでしょう。
しかし、あまりに類似部分が多いと、人は「似ている」というネガティブな印象だけが頭に残ってしまいます。
結果として人の記憶には残るかもしれませんが、あまりポジティブな印象にならないことが多いのが実情です。
場合によっては意図せず似てしまうこともあります。
そうならないように、ロゴマークを決定する場合は商標登録も含めて、類似したものがないかしっかり確認しておきましょう。
デザイナー側でも確認していると思いますが、最終的にロゴマークを使用するのは皆さんです。
後で面倒にならないよう、事前にしっかり確認することが大切です。
5.汎用性が高い
ロゴマークの役割は「ひと目で会社や商品のイメージが伝わること」にあります。
そのためWEBサイトや会社パンフレット、商品POPやキャンペーングッズなど、活用シーンは多岐にわたるでしょう。
しかし汎用性が低いと、せっかくのロゴマークが潰れてよくわからなくなってしまったり、そもそもロゴマークと認識されなかったりすることがあります。
場合によっては本来の狙いとは異なるイメージを相手に与えてしまうかもしれません。
誤ったメッセージをユーザーに送らないためにも、使用シーンを問わずに汎用性の高いロゴマークを使用することが大切です。
「使用シーンを問わない」というのは、背景色や使用する場所、媒体によって見え方が左右されないということです。
例えば白一色のロゴマークの場合、黒や濃色の背景の場合はわかりやすいですが、同色や単色の場合は視認性が極端に落ちます。
またディテールが細かいロゴマークは、表示媒体によっては潰れてしまうなど、きれいに表示されないことも。
そのため、カラーであれば黒など他の色のパターンを用意しておいたり、縁をつけたりするほか、どんなものに表示・印刷しても潰れないデザインにするといった対策が必要です。
「色を変えるくらい、臨機応変に対応すればいいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし本来、著作権を持つデザイナーの許可なしで、色の変更を行うことはできません。
そのため作成段階から、使用シーンを問わないロゴマークパターンを検討し、作成しておく必要があります。
優秀なデザイナーであれば、多彩な使用シーンを考慮した上でいくつかのパターンを提案してくれたり、ロゴガイドラインに使い方を追加してくれるものです。
しかし、すべてのデザイナーがそうとは限りません。
デザイナーから提案がない場合は、皆さんから投げかけてみましょう。
6.社員がロゴマークについて理解している
「良いロゴマーク」を求めている人が意外と抜け落ちているのがこの項目です。
一般的にロゴマーク作成は、担当者とデザイナーでやり取りすることが多く、完成するまで他の社員が登場することはあまりありません。
そのため、社員に広くロゴマークを理解してもらうことの重要性に気づいていない人が多いのです。
「できたから使ってください」だけでは、社員にロゴマークに込めた思いは伝わりません。
なぜこのようなロゴマークになったのか、ユーザーにどんなメッセージを伝えたいのか、そのためにどのように使用するべきなのかという点を、正しく社員に伝える必要があります。
ロゴガイドラインや
社員がロゴマークの意味や使い方を理解していないということは、取引先様や得意先様、ユーザーにも正しく伝わらないということです。
すべての社員が愛着を持ち、正しく使用することが、広く愛されるロゴマークへの近道だということを覚えておきましょう。
作成時に覚えておきたい最高のロゴマークが備えている6つの要素 まとめ
「最高のロゴマーク」かどうかは、デザイン性だけでは推し量ることのできないものです。
今回ご紹介した内容をもとに、デザイナーだけでなく社員にも働きかけ、素敵なロゴマークを手に入れてください。