『課題を解決して新たな価値を生み出すためのスキル』として知られるデザインシンキングですが、そのためのアイデアをどうひねり出せばいいのか分からずに困っていませんか?
そんな時には先人たちが使い続けてきたアイデア出しの知恵を借りてみましょう。
これまで悩んでいたことが一度に解消されるかもしれません。
今回はアイデア出しに最適な6つの方法についてご紹介します。
目次
アイデア出しに最適な6つの方法
マンダラチャート
マンダラチャートは目標設定の際に使われることの多い手法ですが、アイデア出しの際にも利用することができます。
やり方はとても簡単です。
白い紙に9×9のマス目を書きます。
まずは中心のマスに、アイデア出ししたい項目を記載します。
続けて隣接する8つのマスに、その内容から連想される単語を入れていきます。
文章でも構いませんが、その後の連想が難しくなるかもしれません。
真ん中の9マスを埋めたら、隣接した9×9マスの中央に、先程追加した単語を記載します。
その後、同じように連想される単語を入れてみましょう。
マンダラチャートを使うことで、ひとつのアイデアから72もの発想のタネを生み出すことができるのです。
アイデア出しに苦戦しており、ヒントがほしいという方におすすめです。
ブレインストーミング
アイデアを出すために、複数人がさまざまな意見を出し合う会議方式のひとつで、ブレストとも呼ばれます。
一般的には3〜10人程度で行うのが望ましいとされていますが、インターネット上では一人でブレストができるサービスなども登場しており、この限りではありません。
ブレストで大切なのは、闇雲に意見を言い合うのではなく、いくつかのルールに従ってすすめることです。
その内容をご紹介します。
ファシリテーターを設ける
必ず進行役を設けましょう。
ファシリテーターは活発な意見交換を促すとともに、以下でお話するルールに則って進行できるよう見守る役割を果たします。
また、出てきた異なる意見同士を結合させ、新たなアイデアを生み出すのも、ファシリテーターの重要な役割のひとつです。
結論を出さない
ブレストはあくまで「アイデアを出す場」です。
出された意見に対してできるできないの判断や結論を出すのは次の段階になりますので、まずはアイデアを卓上に上げることを重視しましょう。
できるだけ多くのアイデアを出す
ブレストの目的のひとつは、ひとつでも多くのアイデアを出すことです。
そのため質にこだわらず、できるだけたくさんのアイデアを出してもらうようにしましょう。
参加者の役職や職務ができるだけバラバラになるよう配慮する
さまざまなアイデアを忌憚なく出し合えるよう、できるだけ役職や職務、部署などが重ならないようにしましょう。
また上役が多いと意見が言いづらくなる場合があります。
できればこうした上下関係を気にせず言い合えるようなメンバーを選定するのがおすすめです。
制限時間を設ける
際限なく話が続くような状況では、良いアイデアは生まれません。
制限時間を設け、メンバーにも周知することで限られた時間の中で活発な意見交換を行えるようにしましょう。
シックスハット法
参加者が6つの異なる立場に強制的に立つことで、多様で自由なアイデアを出すための手法です。
6つの立場とは以下のとおりです。
白:客観的・中立的
赤:感情的・直感的
黄:積極的・希望的
黒:批判的・消極的
緑:革新的・創造的
青:分析的・俯瞰的
参加者はそれぞれの色の帽子をかぶり、決められた立場から意見を出します。
帽子の代わりに色のついたプレートなどでも対応できるでしょう。
シックスハット法のルールは、ブレストと同様に量を重視します。
またファシリテーターを立てることも大切です。
また参加者は、出された意見に対して批判しないようにしましょう。
自由な意見を忌憚なく述べることが、より素晴らしいアイデアの誕生につながります。
オズボーンのチェックリスト
アイデアを生み出す9つの質問について考えることで、ひとつのトリガーから多くのアイデアを生み出す手法です。
9つの質問とはご覧のとおりです。
【転用】他に使い道はないか?
今ある方法だけでなく、改良や改善によって新たな使いみちがないかを探ります。
また使い方を変えなくても新しい方法が思い浮かぶかもしれません。
こうした転用について考えるための質問です。
【応用】ほかからアイデアが借りられないか?
世の中には意図せず似たようなアイデアが生まれることもあります。
さまざまな事象を見渡し、似たようなものはないか、そこから真似できないかを探る質問です。
【変更】変えてみたらどうか?
形や色、音や様式、においや意味など、何かを変えることで新たなアイデアを出せないか考えるための質問です。
【拡大】大きくしてみたらどうか?
ここでいう「大きく」には、拡大だけでなく強さや長さ、高さや厚さなども含まれます。
これらを変えることで、新たなアイデアを生み出すためのものです。
【縮小】小さくしてみたらどうか
拡大の逆を考える質問です。
【代用】他のものでは代用できないか
今ある素材などを他のものに変えてみたり、他の視点からアプローチしてみたりするための質問です。
【置換】入れ替えてみたらどうか?
レイアウトを変える、置き換えるなど、何かを置換して考えるための質問です。
【逆転】逆にしてみたらどうか?
上下左右、また順序など、これまでの並びを逆にした時にどの様なアイデアが生まれるか考えるためのものです。
【結合】組み合わせてみたらどうか?
合体させたり混ぜてみたりと、なにか別のものと結合させてみるというアイデアの考え方です。
マインドマップ
頭の中で起きている連想ゲームを見える化することで、考えをまとめたりアイデアを整理したりする時に使える手法です。
連想する言葉を中心に書き、そこから連想される言葉を線でつないでいきます。
マインドマップにもいくつかルールがあるため、ここではその一部をご紹介します。
紙は無地を選ぶ
思考を邪魔しないために、できるだけ罫線のあるものやイラストの描かれたものなどは使わないようにしましょう。
言葉を繋ぐ線がアンダーラインになるように書く
線を引く際は連想した言葉の下に、アンダーラインのように書き込みましょう。
一本の線に乗せる言葉はひとつだけにする
ひとつの線にたくさんの言葉を乗せると、見づらくなるだけでなく考えも整理できなくなります。
一本の線に対して言葉はひとつにしましょう。
ただし、枝分かれした線は別の1本と数えます。
カラフルに書く
思考の種類や視点に合わせて色を変えることで、ひと目で連想の経過や方向性が分かりやすくなます。
できるだけ多くの色を使い、カラフルに書くようにしましょう
なぜメソッド
トヨタ自動車から生まれた、課題や問題の真因を探るための手段ですが、アイデア出しでも活用することができます。
その方法は簡単で、アイデアを出したいテーマに対して「なぜ」を5回繰り返すというものです。
なぜを繰り返すことで、物事について深く考えることができ、新しいアイデアが生まれるようになります。
「なぜメソッド」については以下で詳しく取り上げていますので、ぜひチェックしてみてください。
アイデアが出てこない!そんな時に使える6つの方法〜デザインシンキング+α〜 まとめ
アイデアを生み出すのはカンタンなことではありません。
しかし、そのヒントは日常の何気ない風景や普段考えていることの中に隠れています。
今回ご紹介した内容を元にアイデアを出したり頭の中を整理したりして、『課題を解決して新たな価値を生み出すためのスキル』を身につけてみましょう。
きっと今まできづかなかった新しい視点が生まれるはずです。