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デザインシンキングを知り実践するためのよく分かる事例と5つのプロセス

デザインシンキングを知り実践するためのよく分かる事例と5つのプロセス

「デザインシンキング」という言葉を、ここ数年前からビジネスの場でもよく聞くようになりました。

最近では、「デザインシンキング」の研修やワークショップも各地で行われているほど、注目されています。

では、この「デザインシンキング」とは何でしょうか。

今回は「デザインシンキング」とは何か、デザインシンキングを活用してできた商品を例に挙げて紹介しましょう。

デザインシンキングとは?

「デザインシンキング」とは、「デザイン思考」ともいわれていて、デザインに必要な考え方を使って、ビジネス上にある課題を解決していく方法です。

「デザイン」という言葉を聞くと、色や形などの造形的なものという意味で捉えられがちです。

しかし「デザインシンキング」は、『課題を解決して新たな価値を生み出すためのスキル』という意味で使われます。

そのためデザインシンキングはデザイナーでなくても、ビジネスにおいて活用できるクリエイティブな問題解決の方法といえます。

例えば商品開発や既存の商品・サービスのリデザイン、また業務フロー改善や働き方の改善、組織改革など、あらゆるビジネスの領域で利用可能です。

デザインシンキングの活用事例

このデザインシンキングという方法を使って、過去に新たな商品やサービスを開発した事例を紹介しましょう。

① iPod

デザインシンキングといえば、AppleのiPodと言われるくらい、デザインシンキングの代表的な活用事例として数多く取り上げられています。

iPodがまだこの世になかった時代はCD全盛期ともいわれていた世の中で、外出先で音楽を聞きたければ、家から数枚持って、ポータブルオーディオプレーヤーで聞いていた時代です。

Appleは、ユーザーがどのように音楽を聴いているのかを徹底的に観察し、リサーチしました。

すると、ユーザーからは「どこでもその場で選んだ音楽を楽しみたい」というニーズが。

そこから「音楽の聴き方に革命を起こす」「全ての曲をポケットに入れて持ち運ぶ」といったコンセプトが生まれ、iPodとPCを自動同期させる「AutoSync」や、円盤のマウスを回転させることにより画面の操作が可能となる「スクロールホイール」などのアイディアを具現化することができました。

iPodが完成するまでには、約2ヶ月で100以上のプロトタイプが作成されたそうです。

その後、検証やテストなどを多く行い、2001年にiPodが誕生します。

② LINE

当初、LINEはメールや通話ができるコミュニケーションアプリでしたが、現在においてはゲームができたり、LINE Payといったモバイル送金・決済サービスなども行えるようになりました。

これらのサービスを生み出すために、LINEは複数のカメラが設置されたユーザーリサーチルームを設置して、ユーザーの行動分析を徹底的に行いました。

ここでユーザーがどのように操作しているのか、またユーザーがどんな表情をしているのかなどを観察することで、ユーザーニーズを把握してゲームなどの新サービス開発を行っているそうです。

デザインシンキング 5つのプロセス

一般的にデザインシンキングは、3人以上の全く異なる職種の人材をメンバーを集めて行われます。

その上で、5つのプロセスを経て行うのが一般的です。

この5つのプロセスは、①から順番に行うのではなく、5つとも同時に行ったり、またはプロセス間を行ったり来たりすることで問題解決を行います。

ここからは5つのプロセスについて詳しく見ていきましょう。

① 共感する

まずは対象となる物やサービスを使用している人たち(ユーザー)からインタビューを行うと共に、その行動を観察します。

こうして、利用者が対象となる物やサービスに対して抱く思いや不満、悩みなどを拾い上げ、ユーザーに寄り添うことで、彼らの思いを、理解(共感)していくステージです。

例えば、テーマが「快適なドライブを」ということであれば、ドライブをしたことがある人を『ユーザー』とし、ターゲットを『快適にドライブをすること』と設定します。

その上で、ドライブ中にはどのような行動をしているか、不満に思うことや悩んでいることはあるかなどをインタビューを通して、その人に共感し理解をします。

この時に、ユーザーであるドライブをしたことがある人の目線で考えることが大切です。

② 解決すべき問題を定義する

①で浮上したターゲットに対する問題点について、どのように解決すればユーザーが満足するのかを、メンバー同士で意見を交わし考えていきます。

ターゲットについて、表層の問題点だけではなく深層にある問題点も考え、問題そのものの本質を見つけ出します。

③ アイディアを具体化する

②で浮上したアイディアを実現するためにはどうすればいいのかを話し合います。

この時、自分たちが持っている知識や技術ではできないアイディアであっても、まずは机上に上げてみましょう。

「アニメの世界では実現できるけれども、現実の世界では到底できない」と思われるようなことでも結構です。

例えば、「20km以上の渋滞中の場合に限り、売り歩く自動販売機が出現する」というアイディアでもいいでしょう。

アイディアを出している段階で大切なことは、アイディアを絶対に否定してはいけないということです。

否定することで、新しいアイディアが出にくくなるからです。

ひとつの正解を求めるのではなく、色々な角度からアイディアを出して、ターゲットを具体化していきます。

④ プロトタイプを作る

たくさん出たアイディアを吟味したうえで少数に絞り込み、プロトタイプを作成します。

ターゲットにもよりますが、この時紙に絵を書いたり、工作したり、またプロトタイピングツールを使ったりしながら具現化していきましょう。

ここでは模型のようなものなので、完璧に仕上げる必要はありません。

プロトタイプを作ることで言葉だったものをカタチにすることができ、メンバー内での考えが明確になります。

 

⑤ 検証する

作成したプロトタイプについて、ユーザーからも意見を求め、ターゲットに対する問題点を解決することができるものかを検証します。

検証することによって、ユーザーやメンバーから新たなアイディアが生まれることもあります。

こうしてアイディアを具現化し、プロトタイプを作り、検証することを繰り返すことにより、ユーザーが満足できるものを作り出していくのです。

デザインシンキングとは? まとめ

「デザインシンキング」について、難しく考える必要はありません。

まずは何よりも実践することが大切です。

ユーザー目線で物事を考え、デザインシンキングという方法を実践することによって、第2のiPodといわれるような革新的な商品やサービスを生み出すことができるかもしれません。

ぜひデザインシンキングに挑戦してみてほしいと思います。