メニューブックといえば、飲食店で提供されている料理の大切な「営業役」。
おすすめの料理をはじめとして、人気料理や旬の料理などをお客様にスムーズに伝えられる販促ツールといえます。
また、同様に「このお店はこんな方向性ですよ」と、お店の雰囲気やテイストを一目で伝えてくれる演出家でもあります。
お店の客層やテイスト、お客様が重視しやすい雰囲気などに合わせたメニューブックにすることで、統一感のある店作りを行うことも可能ですよ。
今回は「高級感のあるレストラン」を対象とした、メニューデザインのコツについてご紹介します。
これからメニューブックを作成してみようとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
メニューブックの基本を知る
では、「おいしそうな料理!」と思ってもらえるメニューブックの基本について紹介しながら、高級店のメニューブックならではの特色についても見ていきましょう。
- 写真はできるだけプロに撮ってもらった画像を使おう
- イチオシの料理は、最も目に付きやすい場所に記載する
- メニューブックにお店のコンセプトを載せてみよう
- フォントにもこだわってみる
まず写真についてですが、メニューブックに載せる写真はできるだけプロに撮ってもらった画像を使用しましょう。
写真は「料理の魅力」を視覚的に伝えるものなので、「おいしそう!」な写真を載せれば効果的な販促になります。
一方で、明らかに冷めていそうな料理の写真や、盛りつけが雑な写真、画像そのものが暗い・粗いなどの理由でおいしそうに見えない写真を載せてしまうと、「あまり注文したくない」というイメージを与えてしまいがちです。
料理の写真は良くも悪くもお客様の食欲を左右しやすいアイコンなので、多少費用はかかってしまいますが、できるだけプロに撮影を依頼することをおすすめします。
高級レストランの場合は
メニューブックで高級感を演出したい場合は、あえて写真を使わないという手法もあります。
視覚的なイラストや写真を控え、場合によっては通貨記号や価格さえ表記しないことで、お客様が既に持っている「お店の高級なイメージ」を邪魔しない効果を狙えます。
また、高級レストランは接待やデートに使われることが多いので、「あえてメニューに値段や写真などを記載しないことで、食事に招かれた側に遠慮させないようにする」という配慮もあります。
お客様によっては「家族で来ているので値段が書いてあるメニューをください」というように、気兼ねの無い仲であることを申し出てくるケースもあるので、値段あり、値段なし、双方のメニューを用意できておくと安心ですね。
イチオシの料理は、最も目に付きやすい場所に記載する
イチオシの料理は、店の顔といっても過言ではないメニュー。
できるだけ多くのお客様の目に入るように、メニューブックの一番見やすい場所に配置するのがおすすめです。
たとえば本タイプのメニューブックなら、表紙をめくってすぐの場所にイチオシの料理を載せます。見開きのページを見る際の「人の視線の動き」は、左上→左下→右上→右下と言われているので、「左上」に最もイチオシのメニューを置くのがおすすめです。
あえて別紙にする方法も
高級レストランのメニューブックは、視覚的なアイコンをたっぷり使って賑やかに演出する居酒屋などのブックとは異なり、すっきりと論理的にまとめたメニューが好まれやすいです。
具体的には、料理のジャンルごとにメニューを区分けして、メニュー名と説明文をシンプルに記載するデザインが挙げられるでしょう。
この場合、イチオシの料理はあえて「左上」の配置にこだわるよりも、特に注目してほしいメニューとして別紙にまとめる方法もおすすめです。
紙面を大きく使えるので、店側からの特別なメッセージを伝えやすいメリットもあります。
メニューブックにお店のコンセプトを載せてみよう
メニューブックでは、デザインや装丁によって、ある程度お店のコンセプトを伝えることができます。
ただ、もしお店のこだわりをもっと知って欲しいなら、ブックのどこかに「当店のこだわり」として、店側が一番大切にしていることを記載しておくのもおすすめです。
「あなたが今日食事に来てくれたお店はこんな生い立ちです」
「こういう経歴のシェフが料理を作ります」
「お店の名前の由来はこんな感じです」
お店にまつわるエピソードを伝えることで、お客様が「料理の作り手」をイメージしやすくなります。
また、お客様がお店を気に入ってくれた際の、「口コミの定型文」を伝える効果もあります。
お客様が友人やご家族に「○○っていうお店に行ってきたよ」と伝える際に、料理のおいしさや店の雰囲気といった「お客様が見て感じたこと」に加えて、「シェフは海外の一流レストランで修行していた人」「使っている食材はオーガニックにこだわっていて、産地は…」といった、店側に質問しないとなかなか分からない事柄まで伝えてもらえる可能性がアップします。
フォントにもこだわってみる
メニューブックのフォントは、写真やイラストと同じく、ブックデザインを構成する大切な要素です。
特に写真やイラストをあまり多様しないシンプルなメニューでは、フォントがメニューブックの雰囲気やキャラクターを決めてしまうことさえあります。
フォントの選び方としては、お店の文化性を踏まえたうえで、雰囲気やテイストに合わせるのがおすすめ。
たとえば和風のお店はら毛筆体や手書きの筆文字、かわいらしいカフェならポップ体などが挙げられます。高級店の場合は明朝体など、フォーマルな印象を与えるフォントが好まれやすいです。
フォントを使い分けてみる
フォントはお店のテイストに合わせるのが一般的ですが、一つのフォントに絞る必要はありません。
たとえばメニュージャンルの見出しとなるフォントは、他よりも目立つように別のフォントを使うケースも多いです。
とはいえ、複数のフォントを盛り込みすぎると見た目が雑多な印象になってしまいがちなので、フォントは多くて2種類におさえたほうがよいでしょう。
時にはメニュー名を見直してみよう
メニューブックを作成する際には、メニュー名も一度見直してみることをおすすめします。
メニュー名は、その料理を表す、いわばキャッチコピーのようなもの。
よりお客様の食欲をそそるメニュー名にすることで、販促につながることもあります。
たとえば「ハンバーグプレート」と表記するよりも、「国産牛の肉厚ハンバーグプレート」と表記したほうが、料理のイメージがより具体的に印象になりますよね。
メニュー名に加えたい効果的なフレーズ例としては、「国産」「地元の海でとれた」などの産地や、とろとろ・ぷりぷりといった擬音、朝どり・とれたてといった新鮮さをアピールするもの、一流シェフによる・○○直伝といった作り手の質をアピールするものなどが挙げられるでしょう。
高級レストランの場合は特に、これらの「メニューの付加価値」をきちんと伝えておきたいところ。
メニュー名にもぜひこだわってみてくださいね。
高級レストランのメニューデザインの特徴とは まとめ
おいしそうに見えるメニューブックのポイントや、高級感のあるレストランを対象としたメニューデザインのコツについてご紹介しました。
効果的なメニューブックを作成できれば、売上げをぐっとアップさせることも夢ではありません。
これからメニューブックを作成してみようとお考えの方の参考になれば幸いです。