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子どもが好きなキャラクターデザインに共通する3つの特徴

子どもが好きなキャラクターデザインに共通する3つの特徴

世界の中で、アニメ大国と言われている日本。

毎年行われるコミックマーケットには日本人だけではなく、海外からわざわざやってくる外国人も多いといいます。

それほどアニメには興味がない人でも、乳幼児の頃からテレビアニメや絵本などのグッズで育ち、大人になってもそうしたキャラクターが好きな人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、最近の子どもたちが好きなキャラクターとそのデザインの特徴をご紹介します。

なぜ子どもはキャラクターが好き?

日本で初めてアニメが誕生したのは、大正時代にまでさかのぼるそうです。

しかし、実際にキャラクターとして本格化したのは、ディズニーが日本法人を設立した1950年代以降と言われています。

もしかしたら、この世に生を受けてから、私たちはキャラクターとともに人生を歩んでいるのかもしれません。

今や、大人でもキャラクター好きが高じてキャラクターグッズ収集を趣味としている人さえいるほどです。

それは、キャラクターが子どもの頃から好きだという背景があるからでしょう。

では、なぜ子どもはキャラクターが好きなのでしょうか。

それには、このような理由があります。

1.刺激をもらえるアイドル

絵本やテレビアニメのキャラクターは、動物、食べ物、乗り物などに関わらず、人間のように言葉も話すことができ、個々の性格を有するという特徴があります。

そして、人間と同じ生活もします。

そのため、子どもはキャラクターの言動に楽しませてもらうだけではなく、励まされることもあるのです。

そのようなキャラクターは子どもにとってのアイドルであり、憧れの存在にもなっています。

2.安心できる、癒しの存在

0~2歳の乳幼児の頃は、親から離れた不安や寂しさを紛らわせるために、柔らかい、かわいいものを抱きしめることで安心するようになるそうです。

子ども向けのキャラクターにはそれぞれ個性はありますが、強烈すぎる感情表現をするキャラクターはあまりいません。

どちらかというと、子どもの思ったことや感じたことに対して何も言わずに、そっと見守っていてくれるような癒しの存在なのかもしれません。

年齢によってガラリと変わる好きなキャラクター

流行っているテレビアニメや映画などの影響もありますが、子どもの年齢によって好きなキャラクターは、面白いほどガラリと変わります。

株式会社バンダイが2018年に行った「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」の結果をもとに、年齢別の好きなキャラクターとその特徴を見ていきましょう。

0~2歳

生まれて間もない乳幼児の視力は0.01~0.02程度で、黒・白・グレーの3色だけが認識できるそうです。

しかし、ほとんどの乳幼児は遠視の状態で生まれてくるため、光には反応しますが、眼はほとんど見えていないのです。

月齢がすすむにつれて、だんだんと眼が見え始め、1歳には0.1~0.2程度となり、奥行や上下左右、そして自分とモノとの距離がわかるくらいにまでになります。

そのため、輪郭が丸いもの、そしてはっきりとした色使いのキャラクターに興味を持ちます。

まだ自分の意志もはっきりしていない頃であるため、絵本やテレビアニメを選択するのは、お母さんです。

子どもが興味を持つようにと、教育系テレビや子どもに人気のあるテレビアニメを見せているせいか、「それいけ!アンパンマン」のアンパンマンのキャラクターや、「いないいないばぁっ!」のワンワンやうーたんのキャラクターが人気のようです。

3~5歳

3歳から5歳になると、保育園や幼稚園に通い始める子どももいます。

この頃からキャラクターの好みに男女の差が生まれるのです。

男子の場合は戦隊ものや乗り物系のキャラクターを、そして女子の場合はプリンセス系のキャラクターを好む子どもが多くなります。

これらのキャラクターに自分を投影していて、自分も彼ら彼女らになりたいと思い始めるのです。

また、だんだんと自我が芽生えてくる頃でもあるため、保育園や幼稚園で使う道具やお弁当箱、水筒だけではなく、洋服やアクセサリーもキャラクターが描かれたものでそろえたり、キャラクターが身に着けているものと似たデザインを好んだりするようになるのです。

一方、「もう赤ちゃんじゃないから」と、乳幼児の頃には大好きだったキャラクターから離れていくのも、5歳くらいの時期だそうです。

6~8歳

小学校に入学してから低学年にあたるこの年齢になると、テレビや映画の影響が強くなります。

テレビや映画のストーリーも理解するようになるため、キャラクターのカッコよさやかわいさだけではなく、「正義が勝つ」ストーリーの主人公の人気が高まるようです。

中でも男女ともに人気があるのは「ドラえもん」。

いじめられっ子で自分に甘いのび太を、いつも優しく時には厳しく、いつも隣にいて助けてくれるドラえもんが自分にもいたらいいなと、思いをはせている子どもも多いのではないでしょうか。

9~12歳

小学校の中学年、高学年の年齢になると、大人が好むテレビや映画にも背伸びをして見たいと思うようです。

また、学習の一環で読書をする子どもも増えるため、小学校低学年の頃よりも複雑な人間関係のあるアニメに興味を示すようになります。

そのため、幼児期や小学校低学年の頃に見ていたテレビアニメやアニメ映画ではなく、複雑な人間関係やストーリーのあるアニメを良く見るようになり、それらに登場するキャラクターを好きになる傾向があるのです。

例えば「名探偵コナン」は、高校生名探偵である工藤新一が何者かに薬を飲まされて、小学生の体になって江戸川コナンとして数々の事件を解決するというストーリー。

大人であってもワクワクするストーリーの主人公は、子どもたちにとってはヒーローなのです。

子どもが好きなキャラクターデザイン3つの特徴

このように、子どもが好きなキャラクターは年齢によって違いはあります。

しかし、これらには共通する特徴があるのをご存知でしょうか。

子ども向けの商品を企画する時には、この特徴を参考にしてみるのも良いかもしれません。

1.ビビットな色使い

2~4歳向けの教育系番組である「おかあさんといっしょ」。

知らない人はいないといっていいほど知名度の高いこの番組を見て育ったという方も多いのではないでしょうか。

この番組のキャラクターや、お兄さんお姉さんの服装を見ると、全てにおいてビビットな色使いをしていると思いませんか?

子どもは成長するにつれて複雑な絵も理解することができるようになりますが、幼少期は特に赤・青・黄色といった原色の色使いを好む傾向にあります。

2.丸い形

子どもはキャラクターに「癒し」や「安心感」を求めています。

それを表すのが「丸い形」です。

この丸い形は、赤ちゃんが生まれてきて初めて外界のものを見た時に反応する形だそうです。

私たちが存在する世の中には、丸い形だけではなく、四角や三角など数多くの形が存在していますが、形を認識する脳内ニューロンの中で、まずは丸い形を認知するニューロンから発達するからといわれています。

3.絵が単純で輪郭がはっきりしている

幼少期の子どもでも、好きなキャラクターの似顔絵を書いて遊ぶことがあります。

個々からわかるのは、子どもは絵が単純で輪郭がはっきりとしたキャラクターを好むということです。

子どもは6歳頃までに視力が完成するそうですが、その間は視力が低いため、ぼんやりとした輪郭のキャラクターだと認識することができません。

また複雑な絵で描かれたキャラクターは、小学校高学年以上の子どもには理解ができますが、幼少期や小学校中学年までの子どもだと難しいでしょう。

そのため単純な絵が好まれる傾向にあるようです。

子どもが好きなキャラクターデザインに共通する3つの特徴 まとめ

年齢によって、子どもが好きなキャラクターの傾向は変わります。

また自我が芽生える頃から、好きなキャラクターに男女差も生じてきます。

もし子ども向け商品のキャラクターデザインをするのであれば、ご紹介した特徴を参考にしてみてはいかがでしょうか。