デザイン紹介

様々な商品についているマーク[GOOD DESIGN AWARD]とは?

文房具や雑貨など、様々なものに赤地に白のGマーク(グッドデザインマーク)がついているのを見たことがある、という人は多いと思います。

このGマークは「グッドデザインアワードを受賞したもの」という印ですが、グッドデザインアワードとは一体何なのか?気になりますよね。

実はグッドデザインアワードは「日本製品がデザインの盗用をしている」とイギリスやアメリカから指摘されたことがきっかけで始まったものなんです。

この記事ではグッドデザインアワードとは何なのか、その歴史、受賞作にはどんなものがあるのか、詳しく解説していきます。

 

GOOD DESIGN AWARDとは

グッドデザインアワードとは、日本で唯一のデザインを評価する仕組みのことです。

有形、無形に関わらず人々の生活を豊かにするもの社会の課題を解決するものを広くデザインと捉え、その質を評価しています。

文房具や雑貨はもちろん、食品、街の空間、医療システムなど様々なものが評価対象となっています。

街の空間や医療システムも対象とはちょっと意外ですよね。

運営は発足時は通商産業省、現在は公益財団法人日本デザイン振興会です。

 

GOOD DESIGN AWARDの歴史

グッドデザインアワードの歴史は古く、誕生は1957年にまで遡ります。

きっかけは日本製品が海外製品を盗用していると外交問題になったこと

グッドデザインアワードが誕生する8年前のことです。

「日本製品はデザインの盗用をしている」とイギリスやアメリカ、ドイツに抗議され、外交問題にまで発展しました。

日本政府はデザイン盗用の防止策を急ぎましたが、根本的な解決策として「盗用するな」よりも「オリジナリティのあるものを作る」ことを奨励した方がいいと判断、1956年に通商産業省主導で「意匠奨励審議会」を発足させます。

翌年この意匠奨励審議会から「グッドデザイン専門分科会」が発足し「グッドデザイン商品選定」が始まりました。

これが今日のグッドデザインアワードです。

「物の豊かさよりも心の豊かさ」が求められた1970年代後半には「心に潤いを与えるもの」を、地球環境に関心が高まった1997年にはエコロジー大賞を新設するなど、グッドデザインアワードは時代と共に変化しながら「今、何がよいデザインなのか」を評価し続けています。

 

マークの役割

画像引用元:Good Design Award

 

Gマークがあると「よいデザインとして認められている」「品質が高い」ということが瞬時にわかります。

パッと見ていいデザインだなと思うこともあれば、知っていく内にいいデザインだと気づくこともあるでしょう。

Gマークがあるものは心を豊かにするものや、社会の課題を解決しているものです。

普段の生活で素通りしてしまいそうなものでも、Gマークがついていることで「何らかの理想、理念を叶えた良いデザインである」ということが一瞬でわかりますね。

 

過去受賞品

①コンバース キャンバスオールスター 2018年受賞


画像引用元:Good Design Award|キャンバスオールスター

コンバースのキャンバスオールスターは「完成されたデザイン」で「100年以上に渡って人々に愛され続けている」ことで受賞。

 

②食品「お茶づけ海苔」ほかお茶づけレギュラーシリーズ 2018年受賞


画像引用元:Good Design Award|お茶づけ海苔

食品も受賞対象ということに驚く人も多いと思います。

パッケージデザインが世に広く浸透していること、こちらもコンバースと同じく「長年に渡って人々に愛され続けてきた」ことが評価されています。

 

③Webアプリ [ベビーメトロ] 2018年受賞


画像引用元:Good Design Award|ベビーメトロ

「ベビーカーであの駅に行っても大丈夫かな?」という不安を解消してくれるアプリ。

エレベーターの有無、乗車位置はどこがいいかなど、少ないタップ数ですぐにわかるようになっています。

 

④漢字ドリル [うんこ漢字ドリル] 2017年受賞


画像引用元:Good Design Award|うんこ漢字ドリル

これまで作業的だった漢字ドリルを自発的に楽しく取り組めるようにしたこと、「うんこ」は「汚い」「臭い」というネガティブなイメージをデザインの力で払拭したことが評価されました。

書店で見かけたことがある、という人も多いのでは。

 

⑤パーソナルモビリティ [WHILL Model A] 2015年受賞


画像引用元:Good Design Award|WHILL Model A

「車椅子=体の不自由な人が乗るもの」を「車椅子ユーザーも、そうでない人も乗ってみたいと思える、新しい楽しい乗り物」に。

 

⑥キャラクターを活用した地域プロモーション [くまモン] 2013年受賞


画像引用元:Good Design Award|くまモン

キャラクター使用のガイドラインが低いこと、キャラクターのストーリーを含む完成度熊本を前面に出しすぎないなどの総合的なデザインの結果、熊本の観光や地域振興に大きな成果を残しました。

 

⑦テレビ番組 [デザインあ] 2012年受賞


画像引用元:Good Design Award|デザインあ展

テレビ番組も受賞対象なんです。

デザイン的な思考を育てる番組」として受賞。

 

⑧NTT ドコモ ムーバ SO213i 「Premini」2004年受賞


画像引用元:Good Design Award|Premini

「使いやすいとは言えないけれども、ミニマムさと緻密なデザインが魅力」との評価。

 

⑨エンタテインメントロボット [AIBO(アイボ)]1999年受賞


画像引用元:Good Design Award|アイボ

家庭に初めての犬型ロボット、登場時は人々に衝撃を与えました。

 

様々な商品についているマーク[GOOD DESIGN AWARD]とは? まとめ

グッドデザインアワードのマークがついているということは、その製品(空間、イベントなど)に願いや想い、解決したい課題があり、それが形になっているということ。

「これはどんな理想がデザインされたものなんだろう?」と想像したり調べたりするのも面白いですね。

「何が良いデザインなのか」は時代に合わせて刻一刻と変わっていきます。

毎年行われるグッドデザインアワードは「デザインの今」を知る絶好の機会です。

展示は専門家だけでなく誰でも観にいくことができるので、遊びに行ってみるのもいいですね。

Gマークのついたすてきなデザインにたくさん出会うことができるでしょう。

 

参考:Good Design Award