自治体の取り組み・民間サービス

瀬戸内海周辺のクリエイター支援の取り組みとは?民間との共同支援も

自治体によるクリエイター支援~瀬戸内海周辺の取り組み~

デザインのコト。では、「対面でのコミュニケーションを重視して、仕事に取り組みたい」とお考えの方のために、アーティストやクリエイター支援に積極的に取り組んでいる自治体をシリーズでご紹介しています。

今回は、香川県・岡山県・広島県にまたがる瀬戸内海のアートな取り組みに触れていきます。

アーティストやクリエイターをお探しの方必見です!

※情報は2019年12月23日時点のものです。

ART SETOUCHI

「ART SETOUCHI」は、3年毎に開催されている「瀬戸内国際芸術祭」と、その間に取り組まれるアートを通じて地域活性化・再生を目指す活動のことです。

瀬戸内国際芸術祭などのイベント開催だけではなく、学校連携や島間交流など通年行われている取り組みもあります。

ART SETOUCHIは単なるアーティスト支援ではありません。

「地域活性化」に軸をおいており、主役はあくまで地域住民の方です。

地域住民の方が自分事として捉え参加をし、交流の機会を持つことで、アーティストやアートへの理解が深まるとともに、活動しやすい環境が整備されています。

瀬戸内国際芸術祭2019

2019年に開催された瀬戸内国際芸術祭は、春から秋にかけて計107日間行われました。

春:2019年4月26日~5月26日 31日間

夏:2019年7月19日~8月25日 38日間

秋:2019年9月28日~11月4日 38日間

開催地には、直島・豊島・女木島など大小さまざまな島が参加。

高松港・宇野港周辺、春のみ・秋のみ開催地になる島もありました。

国内外からアーティストが集結し、その数なんと25以上の国と地域から225組にものぼりました。

さらに、観光客は100万人以上と、非常に規模が大きな芸術祭です。

重点プロジェクト

瀬戸内国際芸術祭2019では、多数の重点プロジェクトを開催し、アートに触れる機会や交流を促進しました。

「瀬戸内の資源×アーティスト」では、瀬戸内の特産品や農水産物にフォーカス。

アーティストが美術的な工夫を凝らすことで、来場者の方に面白く体験してもらいました。

また「アジアの各地域×瀬戸内の島々」では、グローバル化が進み瀬戸内国際芸術祭への関心が国内外を問わず高まる中で、海外アーティストなどと瀬戸内の島々が連携、プロジェクトを展開。

「瀬戸内フラム塾」では、作品制作や運営支援など、芸術祭を支えて地域の活性化を担う人材の育成を目指しています。

受講生は研修で培った知識や経験に合わせ、芸術祭2019の様々な取り組みに参加しました。

こうしたアートを活用する地域活性化や街づくりの例は、枚挙にいとまがありません。

しかし、瀬戸内海国際芸術祭は、規模・期間共に国内でもトップクラス。

官民連携で、アートやクリエイティブの力を活用し、長年にわたって取り組みを続けています。

国内外を問わず、沢山のアーティストやクリエイターに触れ交流を持つ絶好のチャンスです。

お近くにお住まいの方は、是非足を運んでみてください。

重点プロジェクト

瀬戸内海国際芸術祭2019

ART SETOUCHI

【民間】ベネッセアートサイト直島:香川県直島(なおしま)・豊島・犬島

ベネッセアートサイト直島は、瀬戸内海の直島(なおしま)・豊島・犬島を舞台として、株式会社ベネッセホールディングスと公益財団法人 福武財団が行っているアート活動のことを指します。

1985年、福武書店(当時)の創業社長福武哲彦と、当時の直島町長三宅親連によってスタートし、30年以上に渡って多彩なプロジェクトが行われています。

ベネッセハウス ミュージアム

「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに1992年に開館した、美術館とホテルの一体型施設です。

収蔵作品を展示しているだけではなく、アーティストたちが自ら選んだ場所のために制作したイトスペシフィック・ワークの恒久設置を行っています。

屋内だけではなく屋外にも多彩な作品があり、草間彌生やアンディ・ウォーホルなど、国内外を問わず沢山のアーティストの作品が展示されています。

ベネッセハウスミュージアム

家プロジェクト

直島・本村地区で展開されているアートプロジェクトです。

点在していた空き地などの回収を行い、空間そのものをアーティストが作品化。

本村を散策しながら鑑賞を行うことで、人々の営みに触れることができるだけではなく、来島者と住民の出会いによって、多彩なエピソードを生み出し新しいコミュニティのある方を提起しています。

1998年、「角屋」の公開から始まり現在では7軒が公開されています。

アート作品を町中に点在させることで探索を促すとともに観光資源化する取り組みは他の自治体でも見られます。

しかし、ベネッセアートサイト直島は規模が大きく、国内外問わず多様な作品に触れることができます。

家プロジェクト

ベネッセアートサイト直島

【公益財団法人福武財団】瀬戸内海地域振興助成

ベネッセアートサイト直島に参画している福武財団は、瀬戸内海地域振興助成を行っています。

瀬戸内海地域振興助成は、瀬戸内海地域の地域文化振興とそれに伴う関係人口の増加、そして移住・定住支援を目的とした助成金です。

助成対象は、瀬戸内海地域の文化力向上に貢献する、伝統芸能・工芸の振興や、古民家の改修・保存・活用、地元産品を活かした地域産業おこしなどの活動です。

助成総額は600万円で、1件あたり30~100万円まで。

個人・団体問わず応募が可能ですが、助成金を受けることができるのは通算5回までなので注意しましょう。

瀬戸内海地域振興助成

【NPO法人】ハートアートリンク(HAL)

岡山市に拠点を置き活動をしている団体です。

多様性を寛容に包括する社会づくりを目指して、アートプロジェクトに取り組んでいます。

「アートリンク・プロジェクト」では、障害のある人とアーティストがペアになって制作を行っています。

2010年からは、瀬戸内国際芸術祭の関連企画である「高松アートリンク・プロジェクト」を実施しており、2014年度から高松市内広域の施設に1年を通して継続的にアーティスト派遣を実施。

また、「笠岡諸島アートブリッジ」では、限界集落の島で島に住む人や高齢者と価値を問い直す取り組みを行っています。

さまざまな人がアートを通して、相互に関わっていく過程を重視しており、障がい者・高齢者・子どもを含めた市民に対して、表現活動を提供しています。

ハートアートリンクでは、障がい者・高齢者・子どもが、自己実現をするためにアートを活用。

こうした取り組みにも利用されるほど、アートやクリエイティブの力が高く評価されているのは嬉しいですね。

ハートアートリンク(HAL)

瀬戸内海周辺のクリエイター支援の取り組みとは?民間との共同支援も まとめ

瀬戸内海周辺では、アートやクリエイティブの力を使った取り組みが積極的に行われており、国内外問わず沢山のアーティストが訪れるエリアです。

長年にわたる継続的な取り組みのおかげで、今後もますます注目を集めていくことでしょう。

皆さんもぜひ瀬戸内海周辺をチェックしてみてくださいね。

多彩な作品や新しいアーティストに出会うことができるかもしれません!