デザインのコト。では、「対面でのやり取りを大切にして、仕事を進めたい」とお考えの方のために、クリエイター支援を積極的に行っている自治体をシリーズでご紹介してきました。
今回は自治体別で取りあげることができなかった、注目しておきたい全国のクリエイター支援策についてご紹介します。
※情報は2019年12月4日時点のものです。
目次
【栃木県高根沢町】CREATORS DEPARTMENT
CREATORS DEPARTMENTは、小さなログハウスが集まった創業施設です。
高根沢町で創業したい方や第二創業を目指す方に、最大2年間貸し出しを行っています。
料金は1ヶ月1万円と格安で、補償金や共益費はありません。
入居しているのは、ものづくりをしている方が中心です。
一角に移住・定住・創業支援センターがあり、ワンストップで相談を受け付けています。
創業時のコストを抑えたいクリエイターにとって嬉しい支援制度です。
入居者の中には、食品販売を行っている方もおり、多彩なチャレンジを支援してくれます。
【石川県】クリエイター等のための事務所等開設に対する奨励金及び補助金
県外で活動しているクリエイターが、金沢市で新しく事務所などを開設する際に、初期費用や賃料の一部を助成する制度です。
団体だけではなく個人も対象としており、映像・コンテンツ・デザインの3分野で過去3年以上活動実績がある方が対象です。
事務所開設奨励金として50万円、事務所賃貸借料補助として1年につき50万円、2年で100万円の助成を受けることができます。
法人市民税及び個人市民税を滞納している場合には、交付対象にならないので注意が必要です。
石川県では他にも、ものづくりに対して多彩な支援を行っています。
ものづくりを行うクリエイターにとって、魅力的な支援策や取り組みが多く、今後さらにクリエイターの集積が見込まれます。
平成29年度 クリエイター等のための事務所等開設に対する 奨励金及び補助金について
【千葉県取手市】起業家タウン取手:ワタシの街の創業支援Match(マッチ)
取手市では起業を積極的に後押しするために、「起業家タウン構想」を策定しました。
地方創生推進交付金で実施されている、取手市・龍ケ崎市の起業支援プロジェクト「ワタシの街の起業支援Match(マッチ)」を主体に、取り組みを行っています。
官民学が連携し、取手市・竜ヶ崎市における創業を支援しているのです。
Match-card(マッチカード)
起業家を登録する全国初の「Match-card(マッチカード)」。
取手で起業・開業・独立する支援金として1万円が受け取れるほか、レンタルオフィ「スMatch-hako(マッチ・バコ)」が割引になったり、「起業応援団」による応援メニューの提供を受けることができます。
Match創業スクール
経営に関する基礎知識や開業の仕方をレクチャーするスクールです。
創業をお考えの方だけではなく、すでにはじめた方も対象としており、事業を軌道に乗せるためのノウハウを学ぶことができます。
官民学の連携による創業支援制度の企画・運用例は他にも沢山ありますが、Matchは参加団体が多くたくさんの取り組みを行っています。
起業ノウハウを持たないクリエイターでも、安心して創業できるバックアップ制度が整っているのは嬉しいポイントといえます。
【島根県奥出雲】TATALITE(タタライト)
島根県奥出雲町が主催している、日本古来の製鉄技術「たたら」の可能性を探るプロジェクトです。
「TATALITE(タタライト)」は、たたらからこぼれた溶岩状の「鉄滓(てっさい)」のこと。
女神の涙と見立てて名付けられました。
このTATALITEをジュエリークリエイターが素材として活用し、ジュエリーを作っています。
地域資源を活用するために、クリエイターを起用する例は多く見られますが、特筆すべきは素材や商品の魅力を最大限にアピールしているWEBサイトの完成度です。
商品開発だけではなく、ブランディング戦略にもクリエイターが積極的にかかわり、クリエイティブの力を最大限に活用することの重要性を再認識することができます。
こうした取り組みによって、自治体のクリエイティブに対する評価の高さを知ることができます。
【香川県】Creators Club Takamatsu(CCT)
クリエーターズクラブ・タカマツは、2002年4月に設立されました。
2017年5月現在現在の会員は、62名です。
香川県下・出身、もしくは近県で活動をしている、広告クリエーターの交流団体です。
定期・不定期の会員発案の情報交換会や勉強会、そして作品品評会を実施しています。
また、年1回、会員の平等な投票による「CCT Award」の選定も行っています。
CCT Award
4月1日〜3月31日(各年度)に発表された、会員の広告作品に対して、投票・発表を行います。
コピーライティング部門やイラストレーション部門、グラフィックデザインA~C部門など、ジャンルは多岐に渡ります。
CCT AWARD授賞式の後には、懇親会が行われています。
懇親会の参加資格は、CCTの会員のみで、「広告制作に携わる方すべて」が入会資格ですが、アートや趣味の方は除外されています。
そのため、クリエイターへの発注をお考えの企業の方は、懇親会への参加は難しそうなので注意が必要です。
【鳥取県八頭町】隼Lab.
鳥取県八頭町の新しいまちづくりをするために作られた、株式会社シーセブンハヤブサが運営するコミュニティ複合施設です。
元学校の校舎を活用しています。
「日本の未来のモデルになる田舎をつくる」をミッションに、官民一体となって多彩な取り組みを行っています。
WORK SPACE
個人・法人を問わずに、契約後は24時間利用することができるワークプレイスです。
ニーズに応じて、フリーアドレス・ブース・スモールオフィス・オフィスを使い分けることができます。
法人でも、最大3名まで利用可能なプランであれば月額25,000円です。
コストを抑えたい創業時期に嬉しいサービスですね。
入居には所定の審査があります。
【その他:愛知県】あいちクリエーターズアソシエーション(ACA)
あいち造形デザイン専門学校の卒業生と教職員で構成されている、クリエイターをサポート・育成するための、クリエイターズクラブです。
「クリエイティブに夢と誇りを」をミッションとして、多彩な取り組みを行っています。
仕事
会員同士でビジネスを共有して仕事の展開を実施しています。
内容は、デザイン制作・イラスト制作・DTP業務・イベント参加などで、新しいビジネスチャンスにつながります。
会員以外の方がACA会員に仕事を発注したい場合には、問い合わせフォームから相談をしましょう。
ACA所属クリエイターは、「クリエイター紹介」に掲載されています。
個別ページでは、簡単なプロフィールや過去の制作実績を確認できます。
サポートを受けることができるクリエイターは、あいち造形デザイン専門学校の卒業生に限られてしまいます。
しかし、専門的な勉強をしたフレッシュなクリエイターをお探しの方に、ピッタリの取り組みです。
自治体によるクリエイター支援~まだまだある!全国各地の取り組み~ まとめ
ご紹介したように全国各地の自治体では、沢山のクリエイター支援を行っています。
こうした取り組みを積極的に行い、情報発信をしている自治体は、クリエイターが活動しやすい環境が整っているケースが多いです。
そのためクリエイターが集積がすすみ、多彩なジャンルで活躍しているクリエイターがみつかります。
まだまだたくさんの支援制度がありますので、皆さんもぜひ、お住いの自治体のクリエイター支援に注目してみてくださいね。
素敵なクリエイターや企業との出会いがありますように。