企業やブランドのロゴには、企業やブランドのコンセプトや、未来にかける想いなどがデザインされています。
中でも「葉」をモチーフとしたロゴは、日本だけではなく世界の企業やブランドでも多く使われています。
今回は「葉」モチーフが持つ意味からロゴにどのようなイメージを与えているのか、またこのモチーフを特に好む業界や、ロゴデザインの事例をご紹介します。
目次
葉モチーフが持つ意味
諸説ありますが、葉モチーフの起源は古代エジプトで見られていた植物文様だといわれています。
古代エジプトから世界各地へ広がった植物文様は、古代ギリシャにおいて唐草模様の原型としてさらに発展をとげました。
この唐草模様は、どの時代の文明においても「永遠」や「無限」の象徴として親しまれてきたものです。
常に成長を続け、生き抜いていく生命力を持っている植物に神の存在を通して、希望の光を感じていたのではないでしょうか。
「葉」モチーフには「希望」や「再生」「復活」「信頼」という意味を持ち合わせているのは、それが所以だと思われます。
古代から私たちに生命力を与えてくれている葉モチーフは、現代では彫刻やジュエリーのデザインだけではなく、ロゴにも多く使用されてるようになりました。
葉モチーフの中にも植物の種類によって、モチーフが持つ意味が異なります。
企業やブランドの想いを、そのモチーフが秘めている意味に託してみてはいかがでしょうか。
四つ葉のクローバー
クローバーは通常三つ葉ですが、ごくまれに四つ葉が見つかるとの定説から、貴重な四つ葉を見つけると、幸運が訪れると言われています。
また、四つ葉の筋が十字架の形に似ていることから幸運をもたらすものと言われてきました。
4枚の葉のそれぞれに意味があり、国や地域によって異なりますが、日本では「希望」「信仰」「愛情」「幸福」を意味しています。
月桂樹
古代ギリシャでは、ギリシャ神話における光明神アポローンの霊木としてあがめられていました。
このアポローン神の祭儀の時に勝者へ月桂樹で作った冠が与えられていたといいます。
このことから、競技会において勝者へ月桂冠が贈呈されるようになったそうです。
この月桂樹は常緑樹であり、葉が落ちず枯れないことから「永遠」や「勝利」の象徴とされています。
また、花言葉では「栄光」「勝利」「輝ける未来」という意味を持っていることもあり、現代においては勝者や優秀者をたたえるシンボルとして使われています。
葉モチーフが与えるイメージ
「希望」「再生」「復活」「信頼」という葉モチーフが持つ意味と、葉そのものの見た目から、ロゴに使用する場合のイメージは次のとおりです。
また、その葉モチーフがどの種類の植物であるかによってもイメージが変わります。
ロゴに使用する場合には、針葉樹のような葉が針のような形の葉は、とげとげしく冷たいイメージがあるのでおすすめできません。
企業やブランドが将来に向かって発展するように広葉樹のような葉が広く、葉脈が広く伸びている葉をモチーフとするなど、コンセプトにあった葉を選びましょう。
- ナチュラル
- 生命
- 健康
- 未来
- 希望
- 信頼
- 共生
- 安心感
- 居心地の良さ
葉モチーフのロゴが好まれる業界・ブランド
どのモチーフを使用するかにより、ロゴの持つ意味が異なることから、葉モチーフのが好まれる業界やブランドも異なります。
では、葉モチーフを好む業界やブランドをご紹介しましょう。
食品/飲料業界・ブランド
葉モチーフをロゴに使用することで、「ナチュラル」「生命」「安心感」というイメージを与えることができます。
葉などの植物をロゴデザインに加えることで、身体にやさしい食品や飲料を取り扱っているという印象も与えられるかもしれません。
環境(エコ)業界・ブランド
こちらもオーガニック食品業界と同様に、「ナチュラル」「生命」「安心感」「共生」というイメージを与えることができます。
緑の葉モチーフをロゴデザインに加えることで、環境問題を考えた商品やサービスを行っていることをアピールできるのです。
福祉/介護業界・ブランド
私たちが思う「福祉」や「介護」のイメージは「優しさ」や「安心感」ではないでしょうか。
「健康」「希望」「信頼」「共生」「安心感」というイメージがある葉モチーフをロゴデザインに使用することで、会社への信頼度や安心感を感じることでしょう。
また、介護者が生命力を持って、いつまでも若々しくいて欲しいという想いも、葉モチーフに託されているのです。
美容/エステ業界・ブランド
昨今、女性だけではなく男性も美容やエステに興味がある方が多いそうです。
美容やエステ業界の企業に求められているのは、「ナチュラル」や「癒し」ではないでしょうか。
葉モチーフのロゴデザインを使用することで、オーガニックな商品を使用したサービスを提供していることや、ナチュラルな雰囲気でお客様に癒しを提供していることなどを、ロゴからアピールすることができます。
弁護士・税理士業界
弁護士や税理士は、お客様から信頼されることが第一です。
お客様とのつながりを大切にし、仕事を全うしたうえで成功すれば、お客様から信頼されるだけではなく、安心感も与えることができるのです。
この葉モチーフをロゴデザインとして使用することで、「信頼」や「安心感」だけではなく、お客様との「共生」も表現することができるのです。
葉モチーフのロゴデザインをご紹介!
色々な業界で使われている葉モチーフですが、実際の企業やブランドのロゴではどのような意味を持って制作されたのでしょうか。
誰もが一度は見たことがある、企業やブランドのロゴをご紹介していきましょう。
よつ葉乳業株式会社
北海道に本社をもつ「よつ葉乳業株式会社」。
この企業の牛乳やバターなどの商品はスーパーなどで、一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。
こちらのロゴは、企業の名称の「四つ葉」をモチーフとしたデザインとなっています。
コーポレートスローガンである「北海道のおいしさを、まっすぐ。」に揚げ、このスローガンを浸透させるために親しみやすさを意識して四つ葉モチーフとしたそうです。
また、ロゴをいろどる「よつ葉グリーン」という色は、しっとりとした成長した葉の色を表しています。
これは、元気や活力、力強さや親近感、そしてみずみずしさを色で表現しています。
株式会社ロゴスコーポレーション

画像引用元:LOGOS~Enjoy Outing~(Facebook)
「株式会社ロゴスコーポレーション」は、アウトドア商品を企画、開発、製造のうえ、販売までしているアウトドア専門の会社です。
ロゴデザインに、カエデの葉のモチーフを使用していることからカナダの企業かと思われがちですが、れっきとした日本の企業です。
このカエデの葉のモチーフには、「屋外と人を繋ぐ第一ブランドでありたい」という強い想いが込められています。
今までアウトドアに興味がなかった人でも、アウトドアという自然と人が共存する空間でしか得られないよろこびを一人でも多くに人に感じて欲しい…そのような想いが、カエデの葉の葉脈のように、広く全世界へ広がっていくことを望んでいます。
Fred Perry(フレッド・ペリー)

ポロシャツのブランドとして有名な「フレッド・ペリー」。
このブランド名は、実在していたイギリスのテニス界の第一人者であるフレッド・ペリーからきています。
フレッド・ペリーは全米選手権に優勝したり、ウインブルドンで3連勝するなど、現代においても多くのテニスプレーヤーから尊敬を集める名プレーヤでした。
彼はテニスプレーヤーを引退後、実業家として、このブランドを創立します。
このブランドロゴには月桂樹が使われていますが、もともとは当時、ウインブルドンの大会ロゴとして使用されていました。
しかし、彼がこのブランドを立ち上げたときに、ウインブルドンから月桂樹モチーフのデザインを使用しても良いと正式に許可をもらって、ブランドのロゴデザインとしたそうです。
葉モチーフが持つ意味とは?葉のデザインが好まれる業態やロゴデザインをご紹介! まとめ
非デザイナーであれば、企業やブランドのロゴデザインを自ら行うということはないかもしれません。
しかし、モチーフが持つ意味やイメージをあらかじめ知っておけば、ロゴデザイナーから提案されたデザインの判断材料になります。
ロゴデザインを検討する時には参考にしてみてください。