クラウドソーシングやコンテストサイトなどを通して、ロゴマークをコンペで決める方は少なくありません。
「デザイナーを探す必要がない」「たくさんのロゴマークを集められる」など、コンペのメリットは多数あります。
そのため気軽にコンペでロゴマークを依頼する人もいるようです。
しかし実は、ロゴマークをコンペで決めるのは、特にデザインの仕事をしたことがない人にはハードルの高い方法なのです。
今回はその理由とともに、コンペで後悔しないロゴマークを選ぶためのコツについてもご紹介します。
目次
コンペでロゴマークを選ぶのが難しい3つの理由
コンペでロゴマークを決めるのは、デザインの仕事をしている人にとっても難しいものです。
その理由は大きく3つあります。
1.基準が抽象的
デザインコンペの多くは基準が曖昧なものが多く、その人の感性に委ねられる部分も少なくありません。
実際にさまざまなコンペを見てみても、デザインに求めることとして記されている情報はほんの少し。
これらの情報をもとに、デザイナー自身がデザイン思考によって生み出すものですが、その場合に困るのが審査員です。
審査員がデザインに精通している場合、それぞれの評価には何かしらの根拠があります。
しかしそうではない場合、基準が明確でないと個人の好みや多数決で判断してしまうことが多いのです。
もちろん、こうした方法が悪いというわけではありません。
しかし基準が抽象的だと、「この判断は本当に正しいのか」と考え込んでしまったり、担当者が複数いる場合は意見が割れて決まらないこともあります。
結果的に誰かが納得しないロゴマークが出来上がることもあるようです。
2.修正は基本できない
コンペで「これだ」と決めたロゴマークのデザインは、基本的に変更できません。
若干の微調整などは交渉次第で行ってもらえますが、「これをベースにこういう形にしてほしい」など、コンペで決まった内容を大きく変えるような修正には対応できないのです。
コンペは提出された作品を最終形として、どれがもっとも良いかをきめるものです。
こうした修正が発生すると、デザイナーにはコンペの報酬以上の工数がかかってしまいます。
また、デザイナーによっては「それならやりません」と辞退することもあるようです。
しかし、辞退したからといって再度コンペを行うのは、通常であれば難しいものです。
せっかくコンペに掛けた皆さんの工数も、これでは水の泡になってしまいます。
3.全部確認するのが大変
コンペによっては数え切れないほど多くの応募が来ることもあります。
多くの応募があったことを喜ぶ方もいらっしゃいますが、実は候補は多ければ多いほど選ぶのが大変なのです。
そもそも、すべての応募作品を見るのに膨大な時間がかかってしまいます。
また応募点数が多いということは、審査員の評価や多数決の票数が割れる可能性があるということです。
そうなると、再度上位3つで選び直さなくてはならないなど、余分な工数がかかってしまいます。
その結果「思ったより大変だった」「イチから作ったほうが良かった」という声が出るかもしれません。
もちろん、コンペでロゴマークを選ぶこと自体は悪いことではありません。
しかし、こうしたデメリットについても認識しておかないと、「こんなはずじゃなかった」と後悔することになるかもしれません。
コンペで後悔しないための3つのポイント
コンペでより良いロゴを選ぶためには、以下3つのポイントを押さえるとよいでしょう。
1.コンセプトは変えない
コンペで最初に提示したコンセプトは、基本的に審査の段階でも変えないようにしましょう。
一からロゴマークを作る場合も同様ですが、コンセプトの変更によってロゴマーク作成に失敗したという話は少なくありません。
「コンセプトなんてそう変わるものじゃない」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、たくさんのロゴデザインを前にすると、「あのデザインはコンセプトと少し外れているけどいいな」というものが見つかることがあります。
そこからコンセプトが「気に入ったロゴデザイン」ありきで変更されることも少なくないようです。
しかしこうした場合、時間が経ってからあらためて見てみると、他のもののほうが良いと感じることもしばしばです。
コンセプトはロゴマークの中核をなすものです。
それが変更になるということは、作品を選ぶ基準自体が変わってしまうということを指します。
どんなに個人的に気に入ったものがあったとしても、コンセプトは変えないようにしましょう。
2.最終形だと思うものを選ぶ
コンペで選んだロゴマークは、基本的に変更できません。
そのため審査の際には、修正を算段に入れずに選ぶことが大切です。
どうしても修正を依頼したい場合は、最小限に留めるとともに、デザイナーに連絡してどのように対応してほしいのか、またそのための追加費用についても聞いておくと安心です。
3.賞金を高く設定する
賞金を高く設定すると、その分集まる作品も多くなりますが、経験豊富なデザイナーが集まりやすくなります。
経験豊富なデザイナーは、提示情報をしっかり読み込んだ上で質の高いものを提出してくれる傾向にあります。
そのため、たとえ提出点数が多くても、コンセプトから大きく外れるような作品が提出されにくくなるでしょう。
気に入ったものがなければ決めないことも一つの選択肢
特にクラウドソーシングでのコンペの場合、見合ったものがなければ大賞を選ばないというのもひとつの選択肢だと言えます。
無理やり選んで、納得できぬまま使用するよりも、仕切り直すことでより良いデザインに巡り会えることも少なくありません。
またコンペで選ぶのが難しいと感じたら、デザイナーや制作会社を探して一から依頼するというのもよいでしょう。
大切なのは、コンセプトに沿った、難得できるロゴマークを手に入れることです。
そのためには、たとえ工数がかかっとしても、こうした選択肢を持っておくことも大切です。
ただし、コンペによっては必ずひとつ決めなければいけない場合もあります。
コンペでに不安を感じている場合は、注意事項にこうした内容を明記するなど、必ず選ばなければいけない事態を避ける文言をいれてみてはいかがでしょうか。
実は難しい!?ロゴマークをコンペで決める場合の注意点 まとめ
手軽に多数の作品が集まることから、利用者の多いコンペ方式によるロゴマーク作成ですが、実は素人にはなかなか難しいものです。
賢く利用するためには、デメリットについても十分理解した上で活用することが大切です。
これからロゴマーク作成を検討されている方は、ぜひ注意してください。